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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第14号

==警視庁メールマガジン第14号==
                                   発行日:02/01/04



目次
[〜ごあいさつ〜総務部広報課より]
●謹賀新年
●対大規模テロの法律が制定に向けて検討中です

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●命がけの踏み込み

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●置き引き犯の初災難

[防犯ミニ知識]
●お子様へ!大金所持は止めましょう

[ほんの一口〜読者の声]
●お正月とかは警察もお休みですか
●警視庁はどうして東京都警察ではないのですか
●旅先でのトラブルでしつこくこちらの事を聞かれた!

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●おせちとお雑煮を食べたら七草粥!




[〜ごあいさつ〜総務部広報課より]


●謹賀新年
 
 明けましておめでとうございます。
 21世紀最初の年として希望にみちた幕明けとなるはずだった2001年でしたが、悲惨な事件が相次ぎ、史上最低の失業率を記録するなど、暗い事件ばかりが多かったように思います。
 そんな中、敬宮愛子様のご生誕という素敵なニュースが日本を駆け巡りました。配られた号外を手にして、思わず口元がほころんだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 今年は明るいニュースが日々報道されるように、迅速な捜査・事件解決を目指して頑張りたいと思います。警察に対するご意見、ご要望などありましたらお気軽にお寄せ下さい。


●対大規模テロの法律が制定に向けて検討中です

 昨年発生したアメリカ同時多発テロを受け、政府は本年度中に「安全保障基本法」(仮称)を制定する方針を固めました。
 この法律は、緊急事態に対する規定がない憲法を補完し、自衛隊活用を軸とした迅速で効果的な対応策をとれるようにすることが目的です。
 内容としては、1)体制の制定、2)国民の義務と権利の明確化、基本的人権を尊重する、3)国民の避難、誘導、私的財産の補填などを盛り込む予定です。自衛隊と共同行動する在日米軍の行動についても、日米地位協定改定と合わせ基本法で規定することになります。
 また、警察庁ではハイテク犯罪や国際テロリスト捜査など一部の罪種に限り、県境を越えて捜査が可能な国直属の捜査隊の設置を検討しています(14年度中に法案提出予定)。これは、都道府県警察の制度を変更することなく、また、県境や国境を越える犯罪にスムーズに対応すべく同庁内に設置されるものです。
 国境の無いハイテク犯罪は専門的な知識が要求されるほか、薬物密輸事件にあたっては外国人組織が荷受人になることが多く、追跡捜査は困難を極めています。こうした、国にまたがる犯罪、外国組織犯罪に対抗するためには取り締まり側の強化が必要であり、組織の再編成を検討中に国家規模の組織部隊設置案が浮上しました。
 日本でのテロ活動を許さないため、そして多発する凶悪犯罪を取り締まるためにも、国民の皆さんのご理解、ご協力をお願い致します。
                               (情報提供/防衛庁・警察庁)




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●命がけの踏み込み

 新春のお喜びを申し上げます。旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。今年もどうぞ宜しくお願い致します。
 さて、我々が捜査にあたってくどいほど繰り返す言葉は、「逮捕の時が一番危ない」ということです。ある有名なドラマにも登場しましたので記憶していらっしゃる方も多いでしょう。
 何故危険なのかというと、犯人を発見したという安心感から緊張の糸が緩みやすく、思わぬ反撃に遭う可能性があるということ、また、犯人がどんな凶器を持っているかわからないということに由来します。
 ある犯罪者を追っていた時のことです。都内某ホテルに宿泊しているという匿名の電話があり、部下10名ほどが裏付け捜査を開始、いよいよその部屋に踏み込んで逮捕する段階になりました。逮捕というものは、大抵早朝に行われます。大抵の人が眠っている時間帯であることから、少しでも抵抗の危険性を減らそうというものです。もちろん捜査途中で、犯人の生活時間帯が普通の人とずれているということになれば、それにあわせたものになります。
 静まり返ったホテルの廊下を慎重にその部屋へ歩み寄り、ホテルマンにマスターキーで開錠してもらってゆっくりとドアを開いて行きます。部屋の間取りは前もって調べてあるためするりと踏み込み、ベッドの方へ向かうと、寝ていると思った犯人がパッと起き上がりました。
 慌てて刑事達は取り押さえるべくベッドへ突進、誰かが気を利かせて部屋の電灯をつけましたが、室内は大乱闘です。狭いところで1人を大人数で取り押さえようとしたことが逆に、手錠をかけづらくしていました。
 ふと、犯人の手がサイドテーブルにのびたのを発見した刑事が「手錠だ!」と叫び、別の刑事が手錠を取り出したはいいのですが間違えてその刑事にかけてしまう始末。何とかそれでも取り押さえ、改めて手錠をかけた後サイドテーブルの上を確認するとそこには、トカレフが置いてありました。
 今でこそあまり姿を見かけなくなったものの、防弾チョッキを軽く貫通する威力を持つ銃です。居合わせた刑事達はその事実を知って青ざめたといいます。
 拳銃を所持していると明らかに分かっている場合や、かなり危険な状況が判断される場合は防弾チョッキを装備して逮捕に向かいますが、著しく俊敏性に欠けるため装備しないこともままあります。この時もまさか拳銃を所持しているとは思わず、全員丸腰でした。(私服刑事が拳銃を携帯するには、携帯するに相応しい理由があると認められた時、緊急手配がかかり所持許可が出された時である必要があります)
 犯人を逮捕する瞬間は確かに、事件解決の為の大きな一歩ではありますが、同時に命を落とす危険をも孕んでいます。
 あらゆる危険性を排除できるよう厳重に注意し、無事に捜査員全員が帰還したいものです。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●置き引き犯の初災難

 明けましておめでとうさん。初詣にはちゃんと行ったか?俺はカウントダウン終わった直後に行ってきたで。こういうことは早よやってしまわんとな。
 今回は置き引きの話な。置き引きっちゅうとトロい奴がバッグを床においとって、よそ見した隙に盗られるっちゅーのが多いねンけど、そればっかりでもない。両手に物もっとって、ちょっと財布を出そうとかばん置いた瞬間にパッとやられるのもあンねんで。
 去年の話やけど、神社が初詣でごった返しとってな。いつものことやけど、「こらまた誰かやられんといいけどな」と思いながら俺も並んどってん。
 大分前へ進んで、そろそろや思て財布出そうとしとったら、斜め前におった奴がパッときびすを返したんや。えらい挙動不審やし、必死の形相で逃げようとしてるようにも見える。なんやその顔に俺、見覚えあってな。
 けどこの人出やし思うように逃げられんかったらしくて、俺はとりあえずそいつ捕まえて列の外に連れ出したんや。したら右手に大きなバッグもっとる。
 警備中の府警が気がついたらしくて寄ってきよったから、俺は事情話してひとまずそいつの身元照会してもろたら、やっぱし置き引きで前科のある奴やったんやな。
 けど問題はそのバッグの持ち主や。無くなったのに気がついて探しとるかと待っとったけど届出もないし、仕方がないからそのバッグを開けたんや。したら中から覚せい剤が出てきよった。
 当然その置き引きが実は最初から持っとったんやないかと疑われて、パトカーで連行。覚せい剤を持っとった奴がお参りした後取引に行くつもりやったかはわからんけど、バッグと中身から置き引き犯の指紋しか出てきとらんから第三者の所有物とは立証しようがないねや。
 置き引きやったら窃盗で済んだものが、覚せい剤所持で罪が重くなってしもたんやな。今現在も確か容疑を否認して争っとる最中やで。
 どんなことになるか分からんのやから、軽い気持ちで人のものに手を出さんことやな。




[防犯ミニ知識]


●お子様へ!大金所持は止めましょう〜福島県警生活安全課より〜

 新年ですね。親御さんや親戚からたくさんお年玉をもらって、お店に自分の好きな物を買いに出かける子供さんも多いことと思います。
 ところが近年、この子供達を狙った恐喝や窃盗が増えているのです。
 大人の財布を狙うよりは子供の方がはるかに犯行がやりやすく、成功率も高いことから味を占めて繰り返し犯行に及ぶ人間もいるようです。
 また、ニュースなどでも報道されているように、高額なゲームソフトや商品などを脅して取り上げ、中古販売店に売り払うという事件もあります。こういった被害に遭った場合は子供を叱責したりせず、直ちに最寄の交番へ被害の報告を行って下さい。時折「お前が見せびらかしながら歩いたからだろう」と、子供さんのせいにされる親御さんがいらっしゃいますが、非力な子供はそういった暴力に対して対抗することが出来ません。あくまでも非があるのは不当な手段で金品を手に入れる人間です。
 毎年当県警管轄署にも数件の被害届が寄せられます。子供という弱者を狙った犯罪が許せないのはもちろんのことですが、子供だけで買い物に行かせる親もまた監督不行き届きであると言えます。
 お年玉を与えるのは構いませんが大金を持ち歩かせない、同伴で買い物に行くなど気を配って欲しいと思います。




[ほんの一口〜読者の声]


●お正月とかは警察もお休みですか

「よく官公庁は仕事納め、仕事始めというのをニュースなどで見るけど、警察もやっぱり年末年始は休むんですか」

 それでは、通信指令本部に聞いてみましょう。

「お正月お休みをいただけるととても嬉しいのですが、残念ながら年末年始には最も事件事故が発生しやすく、通常通りの警戒態勢を敷いています。部署的にはお休みにしているところもありますが、皆さんが110番通報してこられるところにはお休みはありません。交代で出勤しています。仕事納めや仕事始めの行事もやりますが、形式的なものですね。皆さんが安心してお正月を過ごせるように見張っています」

 お仕事ご苦労様です。皆さんも年末年始の防犯対策をしっかりしましょうね。


●警視庁はどうして東京都警察ではないのですか
「他の警察は○○県警察とか○○県警本部という言い方をしますが、どうして警視庁だけは名称が異なるのでしょうか」

 総務部企画課に聞いてみました。

「明治維新はご存知ですよね。実は今現在の警察組織は、明治に入ってから作られたのです。江戸時代までは徳川家がいわば警察の代わりで、全国の大名が悪いことをしないか、治安が悪くなると兵を出したりして制圧していました。その形をそのまま受け継いで明治7年に警察が誕生しました。この時東京にただひとつしかなかったため「警視庁」と名づけられ、全国の治安維持に東奔西走していました。例えば明治10年の有名な西南戦争では、警視庁から500人の警官が九州へ派遣されています。そのうちに、他の道府県にも警察が設置され始めたのですが、もともとの呼び名が警視庁であったため改名されずにそのまま現在まで呼び名が続いています。また、東京は日本の首都であり他の警察本部とは一線を画した対応が必要であることも大きく影響しています」
 
 回答ありがとうございました。成る程、明治時代には警視庁が全国の治安を守っていたのですね。


●旅先でのトラブルでしつこくこちらの事を聞かれた!
「旅行先でちょっとしたトラブルに巻き込まれて警察沙汰になったんですけど、自分の生年月日や家族構成とか、勤務先などしつこく聞かれました。事件内容にはまったく関係が無いと思うのに、なんでそんなことまで質問されるんですか?」

 総務部広報課からお答えします。

「まずは、旅行中の貴重なお時間を割いての捜査へのご協力、誠にありがとうございます。捜査に必要な事情聴取などではどうしても時系列や前後の状況、そして当事者がどういった理由でその場に居合わせたのかなど知る必要が出てきます。また、居住地の範囲外の場合はそこに至る経路や理由など裏づけをとる必要がありますので、皆さんにはくどくど尋ねられているような気になってしまうかもしれません。しかし、事件の発生状況や内容を明確にするために必要なことだけをお尋ねしておりますので、ご協力いただけましたら幸いです。尚、事情聴取にあたり不審点、疑問点などありましたら担当署までお問い合わせください」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●おせちとお雑煮を食べたら七草粥!

 あけましておめでとう!交通課の由美ですvv
 お正月といったらおせちにお雑煮!お餅をきな粉で食べたり砂糖醤油で食べたりと、結構食べすぎちゃったりするよね。
 皆結構お餅をパクパク食べてるけど、実はあれ1個につきお茶碗1杯のご飯を食べているのと同じことなんだって。チョーショック!去年まで4個ぐらい平気で食べてたのに…。
 おせち料理は、その年の無病息災を祈願して食べる縁起物という意味と、お正月くらい家事を休もうっていう意味があるけど、7日に食べる七草粥の由来は知ってる?
 七草はセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。今頃は全部セットにして売ってる店も多いけど、七草粥はお正月にご馳走を食べたりお酒を飲んだりして疲れた胃を労わるために食べるもの。
 絶対食べなきゃいけない!っていうわけでもないけど、胃薬とか消化薬をたくさん飲むくらいならお粥を食べて胃に優しい食生活をしよう!
 んーでもお正月の後は、体重計に乗れないよねー。じゃまた。




[あとがき]

 新しい年がやってきました。本来なら今日が仕事始めの日なのですが、メールマガジンの仕事があったため広報課の何人かはお正月返上で出勤するハメに。代休はいただけるのですが、もうすっかりお正月ムードがなくなった街を平日歩くのは、なかなか勇気がいるものです。
 今年はかなり大規模な法改正があるようですので、私達も目が離せないところです。皆さんの生活がより安全になるように今年も頑張りたいと思います。
 今年も警視庁メールマガジンをよろしくお願いします。
 
[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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