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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第19号

==警視庁メールマガジン第19号==
                                   発行日:02/03/15



目次
[〜お知らせ〜総務部広報課より]
●薬物乱用撲滅キャンペーンです!
●痴漢、許しません

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●アナログな世界

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●人探しもやるけどな…

[防犯ミニ知識]
●行方不明事件と神隠し

[ほんの一口〜読者の声]
●通報しても出動してくれなかった!
●警察はどうして情報を公開しないのですか

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●スタイリング早ワザ!




[〜お知らせ〜総務部広報課より]


●薬物乱用撲滅キャンペーンです!
 
 すっかり春めいてきました。今年は桜の開花時期が全国的に早まるとのことで、もう少しすると昼食を外で摂る職員達の姿が見られるようになるでしょう。
 さてこの時期は学校を卒業した学生さん達並びに、新生活に浮き足立つ人達がうっかり犯罪の罠にはまってしまう、危険な時期でもあるのです。その筆頭に上げられるのが薬物の使用です。
 覚せい剤やシンナー、マリファナにコカインという名を聞くと「所持してはいけないもの」とすぐに分かりますが、「チョコ」「S」「エクスタシー」「グラス」「ホワイトレディ」などのカタカナになると途端にかっこいいもののように聞こえ、警戒を解いてしまいがちです。
 今若者達の薬物乱用が問題になっています。友達に「ダイエットのいい薬がある」「気分が良くなる薬」と誘われても、絶対に買ったり使ったりしないで下さい。
 何故薬物乱用が危険か、本当の理由を知っていますか?あなたの体を蝕むことは勿論ですが、薬物に侵された人は理性のたがが外れやすく犯罪を起こす確率が跳ね上がるからです。特にアメリカでは薬物乱用がなくなれば犯罪の6割が減る、といわれているほど深刻な状況になっています。
 また、こういった薬物の最小販売単位は「パケ」と呼ばれ1パケ=0.03gほどですが(市販の粉薬よりも微量です)、これを一気に服用した場合急性薬物中毒で死亡する場合もありえます(常習者であっても、バッドトリップを引き起こすことがあります)。特に初めて薬物に接した場合に使用方法を誤って服用し、病院に搬送される若者が増えるのもこの時期です。
 薬物には安易に手を出さない、誘いの言葉に耳を貸さないなど、誘惑を断ち切りましょう。たった1度の「まあいいか」があなたの人生を狂わせるのです。
 日本の警察は若者達の未来を守るために日々、薬物摘発の捜査を続けています。


●痴漢、許しません

 春という開放感からかそれとも厚いコートを脱ぐからなのか、この時期にもうひとつ増える犯罪として、痴漢被害があります。
 満員電車の中で身動きがとれないのをいいことに触り放題、最近では注意した女性に逆恨みをして待ち伏せしたりするなど、二次被害も増えています。
 痴漢に遭わない、間違われないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。

 痴漢に遭わないためには、まず周囲の人間に気をつけることです。なるべくなら女性専用車両に乗るか、女性の多い車両を選びましょう。毎日同じ時間同じ車両に乗るクセのある人は、時折時間を変えたり車両を変えたりしましょう。犯人はターゲットを一度決めると、ずっと痴漢行為を繰り返します。時には尾行して会社や家を突き止めたりすることもあります。
 そして、「やめて下さい」ときちんと言うことが何よりの最善策です。マニュアルなどには「目をじっと見つめる」「うちの取引先の方ですよね?と声をかける」など書いてありますが、なかなか言いづらいものです。やはり勇気をもって「やめて」と言いましょう。また、手の甲で触れば罪にならないなどといったこともあるようですが、不審な動きをしていれば立派な痴漢行為です。

 痴漢に間違われないようにするには第一に、満員電車の中で用もないのに手をモゾモゾ動かしたり、女性のそばに乗らないよう、心がけることが大切でしょう。つり革をきちんと持ち、空いた手に鞄を持っておけば間違われたとしてもきちんと説明できます。また、やっていないなら安易に「すみません」の一言を言ってはいけません。毅然とした態度で臨むことが必要です。冤罪でも前科は前科。なまじ物的証拠のない犯罪であるだけに、被害者や目撃者の証言が重要になってきます。そこであなたがやってもいないのに「すみません」と言ってしまえばそれが罪を認めたことになります。やっていないなら「やっていません」と必ず言いましょう。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●アナログな世界

 最新の設備を整えた病院では、カルテもデータ管理を行ったり、パソコンなどで入力して作成が出来るようにしているところも少なくありません。カルテは長期間の管理が原則ですから、データで管理できれば確かに検索しやすく簡単です。
 しかし、いくら技術が進んだとしても、警察官が記入する調書の類だけは手書きのままこれからも変わることがないでしょう。ただし、私はもっぱらバソコンで済ませていますけどね。
 実は、逮捕状請求書や事件に関する書類などパソコンで作成してはならないという決まりはありません(複写式書類除く)。単に、書き直しが非常に多く面倒なだけなのです。この事件関連の調書を一度も書き直さずに仕上げられる刑事など滅多にいません。そして、最終的な書類はすべて手書きになるため、結局すべて手書きで済ませてしまう刑事の方が多いというわけです。
 書くよりもキーボード入力の方が早ければもちろんパソコンなどで作成していいのですが、…まあ周りを見渡す限り当分無理ですね(笑)。
 逮捕状請求書は、憲法で保証された「基本的人権」を奪う公権力の行使です。裁判官に「逮捕するに十分な証拠」を示さなければ逮捕状は出してもらえません。ですから、拘置期限がいくら目の前に迫っていたとしても、書き直しを命じられればすぐに書き直さなければなりません。厳しい裁判官であればまず一度で出ることはないでしょう。
 また、被疑者の供述調書は、これが完璧に書ければ小説家になれるというくらい難しい書類です。上司に何度も怒鳴られ、あげくの果てには破かれて窓から投げ捨てられた、などということも日常の光景です。(私はそんなことはしません、念のため)
 これらの事件に関わる書類のほかに毎朝の会議でノートをとったり、様々な報告書の提出など、テレビで報道される刑事像と違い、刑事は日夜書類作成に追われています。学生の頃よりは少なくとも字を書く時間が増えているでしょうね。刑事は腱鞘炎とも戦う仕事です。
 




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●人探しもやるけどな…

 1ヶ月前の話やねンけど、チョコくれた人ありがとうな。一応住所のわかってる人にはお礼送らせてもろたで。来てへんっちゅー子は教えてな。
 ホワイトデーの翌日にしてはちっとダークな話になるけど、たまに俺、人探しも頼まれたりする。探偵に頼もうっちゅーくらいやから大変かというとそうでもない。目の付け所が違うんや。馬鹿にして言うわけやないで?
 普通例えば家族がおらんくなったとすると、まず探す先は友人関係、親戚とかになるやろ?それで見つかったら俺のところにはけーへんし。探すところがなくなったから頼ってくるんや。
 探偵はまずその人が家に残しとるもんとか、読んでた雑誌を調べる。そこには大抵潜伏先のヒントがあるからや。これで見つからんことはまずないな。フラリと消えたように見えても、なかなか見つからんとなるとちゃんと計画されたもんやったりするんや。
 けど、たまーに怪しい人探しもある。今回の事件もそうやった。
 相談者は男で、いなくなった婚約者を探して欲しいっちゅーことやったんやけど、恋人の住まいや勤め先、個人データなどはベラベラしゃべりよるクセに、立ち寄り先の心当たりとか、最近どんな本を読んでいたかということになると途端に口をつぐんでしまいよる。おまけに、その婚約者の部屋はきれいさっぱり何もなくなって引っ越した後のようやった。引越しにしては住民票も動いとらんし、勤め先も辞めとる。いなくなったというよりは、慌てて逃げた、いう感じやった。
 俺はははーんと思ってオヤジから府警の生活安全課に照会してもらってん。したらやっぱりこいつ、その「婚約者」のストーカーで、被害届も出とった。住所氏名がわからんかったから府警も捜査中やってん。俺のとこへ相談に来たのがアホちゅーか運の尽きやな。もちろんストーカー規制法で緊急逮捕や。
 人探しを探偵に依頼するんやったら、まっとうな理由でせーっちゅーねん。




[防犯ミニ知識]


●行方不明事件と神隠し〜長野県警生活安全課より〜

 先日宮崎監督の「千と千尋の神隠し」がベルリン映画祭の金熊賞でしたか、受賞しましたね。映画の神隠しは大変な名作となりましたが、現実の神隠しはそうも行きません。
 神隠しという呼び方をワイドショーなどで見かけますが、警察の捜査ではもちろん「行方不明者」あるいは「家出人」「失踪者」ということになります。そして殆どの場合が自らの意志で出て行ったものであり、事情を知らない家人や周囲が慌てて届け出たことによって「行方不明者」にカウントされることになります。
 行方不明者の数は毎年約10万人ほどで、この中には誘拐されたケースや海での遭難も含みますから、厳密な意味での「行方不明」には当たらないかもしれません。しかし本人が発見されなければ「行方不明」には違いないということで、統計データが算出されています。
 ニュースでは行方不明の報道は行っても、誘拐事件などでない限り無事発見の報道をしないので、10万人という数は非常に多いように見えるかもしれませんが、実に95%は無事に発見されていますし、その中の6割は自分から帰宅しています。ですから、本当に本人の意志とは関係なく行方不明となり犯罪に関係があると考えられるのは、全体の約一割にもみたないということになります。
 しかしこの、明らかに犯罪に巻き込まれたとしか思えないケースが大変なのであって、本人の意志でない以上手がかりに乏しいことが多く、捜査は難航します。9年間監禁されていた少女のケースのような、明らかに警察側の怠慢に原因がある場合を除き、未だ何の手がかりもないまま数年が経過している事件は少なくありません。
 こういった犯罪に巻き込まれないためにも、子供さんが遊びに行く時は出かける先をきちんと誰かに伝えさせるようにする、暗くなっての外出は避ける、予定を家族と連絡しあうなど心がけていただきたいと思います。そして、突然近所の人の行動がおかしくなった、誰もいないはずの空家空き部屋から声がするなど、不審なことがありましたら最寄の警察署までご相談下さい。

 


[ほんの一口〜読者の声]

 
●通報しても出動してくれなかった!
「この前の夜、変な人が玄関に座り込んでいて怖かったので警察に電話しました。でもすぐに来てくれず、『パトロールしておきます』と言われて切られてしまいました。結局その人は近所のおじさんが酔っ払って座り込んでいたみたい。知ってる人だったから良かったものの、これが変質者だったらどうしてくれるんですか!信じられません」

 通信指令本部から回答します。

「巡回を行った警官の報告によると、通報から危険性を感じられなかったとのことでしたが、通報された方にしてみれば誰かも分からない人が座っていたのでは怖いですよね。配慮にかけたパトロールで大変申し訳ありませんでした。ただし、記録によると所轄署の番号にかかっており、110番入電ではなかったことからも、該当署が緊急性はなしと判断してしまったのではないかと思われます。緊急を要するもの、不審な行為などあった場合は必ず110番通報して下さい。」


●警察はどうして情報を公開しないのですか
「警察の番組とか見ていると、ある人たちは顔を隠したり仮名だったりします。また、異動とかも発表にならないですが、発表すると都合の悪いことでもあるのでしょうか?」

 総務課からお答えします。

「まず顔を隠していた人達ですが、内容からして捜査課の刑事だったのではないかと思います。刑事は顔を映されると張り込みなどがばれてしまいます。また、出所した犯人に逆恨みでお礼参りされたりなどということもありますので、実際の捜査にあたる現場の刑事は顔も名前も公開しません。ニュース報道で護送の状況が映されたりしますが、そういった刑事はその事件の裏づけに回るため、続けて別の事件捜査に当たることはないので顔が出ても大丈夫なのです。異動を発表しないのは、幹部などが狙撃されたり何らかの犯罪の標的になることを防ぐためです。捜査に当たる刑事らの安全を守るため、必要最低限の情報しか公開しないのです」

 警察に対するご意見ご質問を募集しています。お気軽にお寄せ下さい。




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●スタイリング早ワザ!

 こんにちは!交通課の由美ですvvもーホワイトデーのお返しが今年は少なかったよー。絶対今晩の合コンで請求するからね!
 今回は、髪の毛にまつわる裏ワザ!
 朝起きてみたら爆発寝癖になってて、早く直さなきゃいけないのにスタイリングムースが全然役に立たないっていう時。タオルをぬらしてよく絞り、レンジで一分チン!出来上がった蒸しタオルを頭に巻いてシャワーキャップを被ります。なければスーパーのレジ袋でも代用可(ちょっとみっともないけど)。タオルが冷めてきたくらいに取ると、整えやすくなってるハズよ。
 それから、髪を早く乾かしたいという時は、ドライヤーで乾かしながらタオルでふき取るっていうのが基本だけど、タオルの代わりに軍手をはめると早いわよ。私、スタンドタイプのドライヤー持ってるから、両手に軍手はめてサッと乾かしてるの。朝シャワー浴びた時にはこれが一番早いかな。
 早く乾かしてゆっくり朝の準備ね。




[あとがき]

 春がやってきましたね。家では夕食の支度をしている時間だなぁと思いつつ警視庁を出ると、まだ明るかったりして日が長くなっていることに気がつきます。
 うちの子も今年から小学生なので、買ってもらったランドセルを毎日眺めてニコニコしています。問題は自分が入学式に休みを取れるかなんですが…。上司の顔色をうかがいつつ、休暇願いを出すタイミングを見計らってます。家に帰ると妻の顔色をうかがいつつビールを冷蔵庫から出したりして…。職場でも家でも肩身が狭いのは、警察官もサラリーマンも同じです。
 次の配信はちょうど年度末の日ですね。翌日の会議はきっと二日酔いだらけだと思います。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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