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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第33号

==警視庁メールマガジン第33号==
                                   発行日:02/09/27



目次
[〜お知らせ〜警察庁、警視庁広報課より]
●カム送り開錠対策を
●警視庁新システム完成のお知らせ

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●ネゴシエーター

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●お前はアホか

[防犯ミニ知識]
●警察手帳と識別章が新しくなります

[ほんの一口〜読者の声]
●闇金融って何でしょうか
●服部君に質問です!

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●夜道を安全に歩こう!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警察庁、警視庁広報課より]


●カム送り開錠対策を

 ピッキングという空き巣の手口につきましては従来報道されておりますとおりですが、このたび新たに、「カム送り開錠」という不正な開錠手口が発見されました。現時点ではこの開錠による窃盗などの被害は発生していませんが、ご自宅の鍵が該当のものであった場合、対策を行う必要があります。
 カム送りとは特殊な道具を用いて通常の開錠工程を経ず、直接錠ケース内に働きかけてデッドボルトを作動させ解錠する手口をいい、別名「バイパス解錠」とも呼ばれています。 カム送り解錠が容易又は可能な錠ケースは、錠前製造業者4社が製造した15種類の錠ケースで、合計約900万個が販売されたことを確認しています。アーマープレート(ドア側面にある実際の施錠部分)の刻印を取り付けた錠前メーカーに問い合わせて、該当のものであるかご確認下さい。
 カム送り解錠への対策としては、錠前製造業者が準備している対策部品を取り付けること等があります。該当する錠前製造業者の相談窓口に相談して下さい。賃貸の場合は管理人もしくは大家さんに問い合わせましょう。
 また、ご自宅の錠前の製造業者がよくわからない方は、日本ロック工業会にお問い合せ下さい。
 警察庁ホームページからも該当の鍵であるかどうか確認することが出来ます。


●警視庁新システム完成のお知らせ

 都県境付近で逃走事件が発生した時、スムーズに隣県との提携が可能になりました。
 従来のシステムでは都内パトカーの位置は把握できましたが、三県警(千葉、埼玉、神奈川)のパトカーに協力を求める場合はまず、事件の発生場所や犯人の逃走経路などを連絡、県警側がどのパトカーが近いか位置を確認し、現場に急行させるという手順でした。
 9月下旬より導入しましたこの新システムでは、隣接する都県境付近にいるパトカーの位置をリアルタイムで大型ディスプレイに表示させることが出来、警視庁が直接適切な位置のパトカーを指定して県警に依頼することが可能になっています。このため配備が従来よりもスムーズに行え、犯人の追跡が容易になります。
 また同時に、三県警にかかった携帯電話からの110番の内容を、瞬時に警視庁へ転送するネットワークも整備されました。このため都県境からの通報であっても、管轄へ改めて手配、ということがなくなります。
 三県警へも警視庁のパトカー配備及び110番の内容転送が可能になっています。迅速な犯人逮捕のためにまず、迅速な110番通報にご協力下さい。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●ネゴシエーター

 ネゴシエーターという言葉を最近よく耳にするようになったと思いませんか?
 人質立てこもり事件が発生した時、アメリカで警察が真っ先に手配するのがこのネゴシエーター、交渉人です。ネゴシエーターは犯人を落ち着かせつつ要求を引き出したり、人質解放の取引を行ったり、場合によっては自首をすすめるなど、こういった交渉の場になくてはならない存在です。
 ネゴシエーターが交渉を請け負った人質事件は、高確率で誰一人傷つけることなく解決しています。
 日本にはそのようなシステムはありません。立てこもり事件が発生した場合犯人と交渉するのはあくまでも警察の仕事であり、犯人の身内が説得を試みたりすることはありますが、「ネゴシエーター」という独立した役割を持つ人が介入することは出来ないようになっています。
 先日福岡で発生した人質立てこもり事件は、人質が死亡するという最悪の結果に終わっただけでなく、警察の対応のまずさが浮き彫りになってきています。私も「あれ以外に方法はなかったのか」と聞かれれば、「もっと出来ることはあっただろう」と答えざるを得ないでしょう。
 未確認の情報に対して追求することは避けたいと思いますが、交渉にかかわった方の「人質に危害が加えられたことを警察に伝えたが、『演技だろう』と言われた」「警察は犯人からの電話連絡をうるさいからと切っていた」という証言が本当であるとするならば、ネゴシエーター制度の導入以前に、警察内部の改革が必要であると考えます。いくら優秀なネゴシエーターがいたとしても、実際に指示を受ける受け皿がこんな有様では人質の無事どころか、交渉自体が決裂してしまいます。
 まず警察の対応姿勢を常に最新の情報を取り入れそれに対応するようにし、そこから交渉のノウハウを身につけていかなければなりません。いつまでも「今まではこう対応してきた」という古い型に当てはめているべきではないのです。
 この人質事件から我々警察が学ぶべきことはたくさんあります。ネゴシエーターの導入よりもまず、土台をしっかり組み立てることが優先されるべきでしょう。
 お子さんのご冥福をお祈りします。


 


[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●お前はアホか

 なんや変なタイトルやけど許してな。読み終わったら絶対皆そう言うやろから。

 怪盗KIDっちゅー、世間を騒がしとる泥棒の話は知っとるやろ。俺も一度追いかけたことはあんねンけど失敗してしもて、苦い思い出や。
 KIDがなんであない人気あるんか正直分からんけども、確かに思てもよらん逃走方法とか見とおると次は何するんやろ、っちゅー期待を持つんとちゃうかな。まあそれはええとして、KIDが主に狙いよんねんは関東やよってに、東の探偵西の探偵がおるなら、東の泥棒西の泥棒がおってもええやろ、と考えたアホがおってん。
 この時点でえらい頭いたなってくるねンけど、予告状を出してしっかり逃走経路を考えてと、念入りに計画したまでは良かったんやな。
 まあ実際現場に乗り込んでみたらコケにされてカンカンになった警官隊は100人ほど配属されとるわ、見物人は(大阪人は見物好きやからな)ぎょーさんおるわ、テレビまできとるわで、自分が想像しとったよりはるかに大騒ぎになってることにびびってもーたらしいねん。
 アホやからハデな衣装着とってな、あっちゅー間に見つかったらしいわ。サーチライトで照らされるわ皆いっせいに注目しよるわで、このアホ結局何も盗まんと逃げ出しよってん。けどその逃げたんを見て野次馬は「もう盗みよった!」思て大騒ぎ。警官隊ももしかしたら偽物に摩り替わったんかも知らん、とりあえず先に捕まえた方が、っちゅーことになってそらもう現場はものすごいことになったんや。
 それでな、かねてから用意しとったハンググライダーで逃げ出して、それがおりからの強風で風に乗る乗る。パトカーも追いつけんくらい引き離されて、マスコミのヘリも見失ってしもたんや。
 けど警察ががっくりしながら調べて見たら宝石は本物のまま残っとるし、侵入された形跡もない。ちゅうか結局あれは何やったんや?愉快犯か?ゆーことで片付くことになった。まあ骨折り損のなんたら、やな。
 その110番通報があったんは次の日の昼過ぎくらいやったかなー。奈良県との県境に葛城山ゆーとこがあんねんけど、そこの木に引っかかって降りれんなった、助けてくれ、ちゅー内容やった。それや、その通報してきよった男がKID気取りのアホ男やってん。逃げたはええけど墜落して引っかかりよったらしいねん。通報受けて現場行った警察官も「お前はアホか」ちゅーてブツブツ言いよったらしいで。
 結局そいつは一応窃盗の準備罪で調べられることになったらしいけど、その日のうちに釈放されたらしいわ。理由?そんなもん、アホらしくて話にならんからや。
 ま、何で俺がこの話を詳しく知っとるかっちゅーと、KIDの模倣犯が出たっちゅーことで現場に居合わせたからなんやけど。呆れてあいた口がふさがらんとはまさにこの男のことやな。
  



[防犯ミニ知識]


●警察手帳と識別章が新しくなります〜岩手県警広報課より〜

 既に広報ポスターを目にされた方も多いかと思いますが、10月1日より警察手帳のデザイン及び、識別章が一新されます。
 新しい警察手帳は縦開きの二つ折り式で色は旧型と同じ濃茶色、カード型の証票と記章が見えるようになっています。識別章は、所属部署や個人を示すもので、警察官の制服左胸の階級章と一体型になっています。「NP018」など、アルファベットの二文字が所属、三けたの数字が個人を表します。裏側には警察本部の名前が書かれています。 この識別章については制服警官は原則として着用が義務となります。
 今後警察手帳を提示する際は、二つ折りの携帯電話を開く時のような見せ方をすることになります。
 この一新とともに使命感も新たに社会に尽くしていきます。よろしくご理解ご協力のほどお願い致します。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●闇金融って何でしょうか
「この前テレビで、全国いっせいに被害者の雇った弁護士が都道府県警に訴えを起こしたと言っていました。闇金融ってそんなにひどい金融なんですか?普通の消費者金融と見分けるコツはありますか」

 生活安全課からお答えします。
「闇金融というのは、メールマガジン28号でも取り上げていますが、利息制限法(民事法)に定められた利息を超えた高利で、お金を貸す金融業者のことです。10万円を借りたら10日で利息を含めて倍額になっていた、という被害も出ています。その取立ては非常に厳しく、「腎臓を売れ」「家族がどうなっても知らないぞ」などの脅迫まがいや脅迫行為、暴力行為をともなっており、明らかな違法行為です。こういった業者の被害について警視庁でも被害者弁護士からの要請を受け、一斉摘発に乗り出しています。
 また、どうしてもお金を借りる場合は甘い言葉に惑わされず、全国に支店を持っているような大手金融を選ぶことです。道端に張ってあるポスターや怪しい電話番号などは信用しないように、きちんと計画性を持ってお金を使うようにしましょう」


●服部君に質問です!
「服部君はどちらかというとあまりニュースにならないような、楽しい話が多いのですが、そういう話はどうやって入手しているのですか?どこかそういう話が集まるところがあるのでしょうか。知りたいです!」

 ということで、服部君に伺いました。
「情報入手は探偵の基本やで!こまめに新聞を読んだりニュースに目を通したりすると、たまにローカルニュースとかに地元の人間でも知らんような情報があったりする。そしたら電話かけてもっと詳しく聞くし、ネットのニュースサイトでも個人がやったりしとるとこは企業のんとはまた違った切り口でおもろいで。ようは日常周りに転がっとるものをきちんと取り入れてやることやな。ドラマばっか見とってもあかんで!」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●夜道を安全に歩こう!

 こんにちは!交通課の由美ですvv急に寒くなってきて、パトカーの警らも窓を閉めたままで行うことが多くなってきました。やっぱりもう秋なんだねー。
 さて今回の裏ワザは、日が落ちるのが早くなってきてあっという間に真っ暗になってしまった道を安全に帰宅しようっていう裏ワザです。
 最近は防犯ブザーを持ち歩く人も多くなってきていいことだけど、ボーっとして歩いていたら意味ないわよ。後ろには常に警戒を怠らず、道の真ん中を歩くようにして気をつけること。特に後ろから来る自転車とかはひったくりを狙ってることもあるから、十分注意して。
 前方に挙動不審な人がいたら無理に追い越さず、立ち去るまで待って。
 抱きつかれたりした時は、痴漢の足を狙うのが一番。思い切り踏みつけて、あとは逃げることに集中してね。大声を上げるといい、って指導してるとこもあるけど、抱きつかれてから大声を上げると逆に痴漢は興奮して、口をふさごうと首をしめたりすることがあるの。変だと思ったら抱きつかれる前に声をあげる方がいいわ。
 防犯ブザーや護身術を過信せず、きちんと警戒をしてね。背筋を伸ばしてきびきび歩く人は不審者もターゲットにしづらいものよ。

 


[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。


 昼休み、昼食を食べ終わってうたたねしていた係長に、電話がかかってきました。「ん?ああ」といいながら取った係長は「はいはい、味噌ラーメンとチャーハンね。○町×さん、了解」と言って電話を切ってしまいました。
 寝ぼけていたのか間違い電話だったのか未だに謎です。




[あとがき]

 総理の訪朝はさまざまな意見を持って受け止められましたね。警視庁でもこの結果を受けて一つの拉致事件を誘拐拉致として立件することになりました。ある時突然知っている人がいなくなってしまったら。拉致された方のご家族の心情を思うと、早く解決することを祈るばかりです。
 さて気がつけば今年もあと3ヶ月となりました。これからだんだんと寒くなっていきます。来月からの衣替えに備えて、ちょっと秋物のコートでも購入しようかと思っています。
 それでは次号でお会いしましょう。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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