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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第48号

==警視庁メールマガジン第48号==
                                   発行日:03/04/25



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●ゴールデンウィークの渋滞について

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●逃亡する犯人

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●夜逃げ屋は探偵の天敵となるか

[防犯ミニ知識]
●知っていますか、マーキングの危険
●窓ガラスに着色フィルムを貼るのは違法行為です

[ほんの一口〜読者の声]
●求刑と判決の関係は?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●税関をスルッとスルーしよう!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●ゴールデンウィークの渋滞について

 さあ、ゴールデンウィークがやってきました。今年はあいにくの飛び石連休となってしまいましたが、小旅行などの計画を立てておられる家庭も多いのではないでしょうか。
 SARSや戦争の影響で海外旅行の予定者は例年よりも減っており、今年のゴールデンウィークは国内の旅行ツアーなどが人気といえそうです。
 さて、どこに出かけるにしても避けられないのが渋滞です。毎年出かけていて慣れているという方ならともかく、初めて体験する人、車に乗りなれていない人は目的地につく前に疲れてしまいますね。
 この渋滞で起きやすいのが追突事故です。渋滞だから追突といっても大したことないだろう、コツンとぶつかる程度だろう、と思われるかもしれませんが、そうではありません。
 車を運転した人の中には、ふとわき見をして視線を戻したら、走っていると思っていた前方の車が停止していてあわててブレーキを踏んだ、という経験をお持ちの人もいるでしょう。また、車間距離をつめすぎて、ブレーキが間に合わず追突してしまったという事故も依然発生しつづけています。皮肉なことに、景色が観光スポットであったりすると、こういった事故発生率は格段に上昇します。
 渋滞ではこういった事故が最も起こりやすく、また渋滞であるがゆえにそれが玉突き事故へと発展し、大事故につながってしまうのです。
 走行中も停車中も車間距離は十分とり、くれぐれもお菓子を家族と食べながら…といった危険な運転は慎むようにして下さい。
 せっかくの旅行です。スタート時点で退場にならないようにしましょう。
 

  


[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●逃亡する犯人

 愛知県の会社役員誘拐殺人事件は、被疑者逃亡を水際で阻止というまさに劇的な展開を見せました。
 殺人事件ではまず被害者の交友関係から動機を持つ人間を探し出し、一人一人話を聞いていくのが普通です。しかし、下手な小細工が被疑者の命取りになったとはいえ、ファックスでICPOを通じてフィリピン入国管理局に連絡を入れた愛知県警の連係プレーも実に鮮やかだったと言っておきましょう。飛行機内で被疑者を取り押さえることは出来ませんし、入国させてから逮捕するのはまた帰国手続きが煩雑になります。海外逃亡が成功して安心しきっていた被疑者も、さぞかしガッカリしたことでしょう。あまり警察をなめてもらっても困りますね。
 さて、よくドラマなどで殺人事件を起こして海外へ高飛びする犯人、という筋書きが出てきます。しかし現実にはこのように簡単なことではありません。殺人事件が発生して被害者の身元が明らかである場合、警察は直ちに交友関係上の人間が今どうしているかを調べます。その時点で逃亡した形跡があれば空港などに手配を回し、その人物が搭乗していないか確認します。
 偽名で乗っていれば分からないだろうと思われるかもしれませんが、そううまくはいきません。防犯カメラのない空港はないですからね。また、空港の人間もプロです。犯罪を犯して逃亡しようとする人間は挙動不審であることが多いため、要監視対象人物になりやすく、結果警察からの連絡が入り搭乗手続き前に身柄確保ということも少なくありません。
 犯罪を犯したら海外へ逃げればいい、と思っている犯罪者に言っておきましょう。海外へ逃亡すれば時効は中断され、何十年経って帰国したとしても意味がありません。ドラマは所詮ドラマでしかないのです。


 


[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●夜逃げ屋は探偵の天敵となるか

 なんかおもろいメールもらったから、今回は夜逃げ屋の話するで。
 夜逃げ屋っちゅーとやっぱり想像するんは「夜逃げ屋本舗」というドラマやろ。俺もあれは逃げ方とか人生とかなかなか興味深いから結構好きや。映画やったかな、大竹しのぶ扮する取立て屋との対決はやってくれる!っちゅー感じやったな。
 さて、この夜逃げ屋やけど一応実在する。もちろん黒い布を床に敷いたりせんし、コスチュームがあるわけやないけども、合法的に失踪する方法を教えてくれたり、夜逃げの手伝いをしてくれるから、事情がある人にはありがたい存在なんやろな。
 けど犯罪者でも金をもらえば逃がすっちゅーところがあるからまたややこしいんや。警察でも存在をよくないと思ってる人は結構おるし。
 失踪した人を探してくれという依頼がたまにあって引き受けるんやけど、手がかりも痕跡もまったくなく失踪しとる場合は十中八九夜逃げのプロがかんでる。「失踪宣言」を出すよう入れ知恵していくから警察も家出人として手出しが出来んのや。
 こういう時どうやって探すかノウハウを書いてまうと、そこをまた夜逃げに利用されてしまうから書かれへんけど、一つ言っておくと痕跡をまったく残さずに人間が家具付きで消え去るのは不可能や。それが家族もいればなおさら発見されやすくなる。一番困難なのは、独身の成人男性が金だけ持って失踪した時やな。これがホンマ手こずる。プロが介入してるから行き先のヒントになるものも処分してしまっとるし、女性と違って身一つで動けるから電車やバスでも目立ちにくい。一度だけこんな条件の依頼を引き受けたことあるけど、あれは見つけ出すのに1ヶ月もかかった。ホンマしんどい依頼やった。
 結論から言うと天敵というほどではないけど、あまり相手にしたくない存在、というところやろか。夜逃げ屋の人ら、頼むからあんまり派手に活動はせんといてな。ま、いざ対決となったらもちろん受けて立つけども。




[防犯ミニ知識]


●知っていますか、マーキングの危険

 ここ最近、警察よりもワイドショーが先に生活面での思わぬ危険性や、こういった犯罪が流行している、と報道することがあります。防犯意識を持つことはとてもいいことですが、中には不安を煽るだけのものもあり、直後に警察へ問い合わせが殺到した…などということもあります。
 さてここのところワイドショーで取り上げられているのは「ドア、もしくは表札へのマーキング」という話です。
 訪問販売の類が一度として来ていないというご家庭はないと思いますが、しばしこのメールマガジンを読むのを止めて、ドア、インターフォン、もしくは表札をご確認下さい。また、ガス、水道、電気メーター、郵便ポストも同様に確認をお願いします。そこに、小さな見覚えのないシールが貼られていたり、何かカタカナ、ひらがな、記号などが書き込まれていませんでしたか?
 もし何らかの文字が書かれているのを発見した場合、直ちに消して下さい。賃貸住宅の表札などで、きれいに消せない場合は管理人もしくは大家に相談の上、対策をとってもらいましょう。またシールなどが張ってあった場合は剥がして下さい。
 これらは、悪質な訪問販売員や窃盗団が、その世帯の情報を記号として書き込んでいるもので、別の販売員が訪問する目安にしたり、窃盗団が犯行を行う目印にしたりしており、そのまま放置していては大変危険です。
 一度剥がしたからといって安心せず、定期的に確認するようにしましょう。また、近くで窃盗被害、悪質な訪問販売があった場合は十分警戒して下さい。
 特に、窃盗被害が起きた地域では話し合いを行い、不審者、マーキングなど情報を出し合って監視するようにしましょう。


●窓ガラスに着色フィルムを貼るのは違法行為です

 日に日に陽射しが暖かくなってきますね。車を運転していても、差し込む日光にまぶしさを感じたり、日焼けを心配したりと気になることは多いものです。
 平成15年4月1日から道路運送車両法の一部改正により、不正改造行為の直罰化、整備命令の強化を内容とする部分が施行されています。
 着色フィルムを窓に貼り付けると、車外の様子を十分に確認することが出来ないだけでなく、対向車や歩行者からも該当車両の様子及び動きが分からないことがあり、交通事故につながる可能性はとても高くなります。
 マイカー、業務用を問わず、前面窓ガラス及び運転席、助手席に可視光線透過率が70%未満となる着色フィルムをはり付けるなどした自動車は、取締りの対象となります。
 また、着色フィルムだけでなく灯火等の色を改造する行為も取り締まり対象です。
 車は正しく乗りましょう。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●求刑と判決の関係は?
「裁判の判決のニュースを見ているといつも、求刑で何年というのよりも少なく判決が下りているような気がします。たまに例外もあるようですが、どうして求刑通りの判決がでないのでしょうか?」

 刑事部捜査一課からお答えします。
「いいところに気がつきましたね。こういう言い方をすると怒られるかもしれませんが、判決には相場というものがあり、大体求刑の2割引が判決という暗黙のルールがあります。これは別に検察官と弁護士が手抜きをしようとして取り決めているものではなく、プロ同士の共通感覚のようなものから自然発生したものです。これを口で説明するのは非常に難しく、理解したければ弁護しか検察官、裁判官になって下さいというしかありませんね。
 逆に、こういった相場がない方が検察官の好き勝手な求刑や、裁判官によっては不公平な判決を生んでしまったりと法廷がメチャクチャになってしまいます。検察官は『大体このくらいの判決が下りるだろう』と考えた上での求刑を行います。ただし、客観的に見ても情状酌量の余地がまったくない場合は求刑そのままの判決が下ります。裁判官もそう甘くはないということです」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●税関をスルッとスルーしよう!

 こんにちは!交通課の由美ですvvゴールデンウィーク、皆はどこに行く?私はやっぱり友達とカラオケにドライブに映画三昧ってところかな。今年はちょっと中途半端でガッカリだよね。
 さてさてめげずに外国へいっちゃうぞー!という人。毎回帰国した後の税関非課税ゲートの列の長さにウンザリ…ってことない?いくら行列好きの日本人といっても、税関の列はあまり並びたくないわよね。
 そんな時ぐるっと見回すと、すいすい人が通り抜けているのが課税ゲート。そう、さっさと帰って畳にねっころがりたい!という場合には課税ゲートを通ることです。
 「そんなこと言っても税金でしょー?高いんじゃないのー?」って思ってる人もいるかも知れないけど、お酒なら1本につき600円前後、ワインは150円、タバコは1本5.5円なのです。つまり、大幅にオーバーしなくてもいいから、ワインを1本大目に買うとかしてさっさと通り抜けちゃいましょう!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 課長!この間部内に回っていた「情報公開に係る情報管理技術研修マニュアル」ですが、タイトルが「情報公開に係る情報管理技術研修アニマル」になってました。




[あとがき]

 戦争が一応の終結を見たかと思えば、SARSが世界中を駆け巡り、一息つく暇もありません。日本でまだ感染者が出ていないのが幸いですが、大型連休を前にして、各関係省庁は警戒態勢に入っています。感染の疑いがあると思ったらすぐ病院に行かず、まず電話などで相談しましょう。
 さてゴールデンウィークも目前です。飛び石で最悪の配置となりましたが、貴重な休み、せっかくですから楽しみたいですね。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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