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警視庁メールマガジン第51号 |
==警視庁メールマガジン第51号==
発行日:03/06/06
目次 [〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●犯罪発生マップを公開しています ●被害者急増中!オレオレ詐欺にご注意! [捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●孫を救ったおじいさん [大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●イネイブラーにはなるな [防犯ミニ知識] ●今度の手口は「焼き破り」 [ほんの一口〜読者の声] ●酒気帯び運転は同乗者も罪になる? [トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●寝具のカビカビ防ぎましょう! [内部密告コーナー] |
[〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●犯罪発生マップを公開しています 警視庁では先月23日午前0時より、都内犯罪発生マップを公開しています。これは平成14年中の犯罪発生率を元に、各種の犯罪がどの地域で起きているかを見ることができるようになっています。(その地域で発生しているという目安ですので、その場所で起きたということではありません) マップで見ることが出来る犯罪の種類はひったくり、住居侵入盗、事務所侵入盗、車上狙い、粗暴犯であり、その種別ごとに発生の密度を白から緑、黄、赤と変わる9〜10段階の色彩で表しています。都全域と市町村別、犯罪種類別などさまざまな角度から見ることが出来ます。 また、各署で印字されたマップを受け取ることも可能です。防犯意識を持ち、犯罪防止につとめていきましょう。 ●被害者急増中!オレオレ詐欺にご注意! 高齢者の皆さん、突然「俺だよ、俺!元気にしてる?」という電話がかかってきて驚いたことはありませんか?孫の名前を呼びかけ、「そうそう」とお金の無心をされたことはないですか? 都内ではこういった、孫を装った詐欺事件が多発しています。手口としては自分からは名前を言わず、「俺だよ」「私だけど」と言い自分からは絶対に名乗りません。「たかしかい?」「のりこちゃんかい?」など相手が名前をだすと「そう、たかしだけど」と話をあわせ、「俺車で事故しちゃって…酒を飲んでいたので警察には言えない、お金を貸して欲しい」と借金を持ちかけます。そして「俺の代わりに○○さんという人が取りに行くから」と代理人の話を出し、自分がお金を受け取りにやってくるというものです。最近は手口も多様化しており、口座に振り込ませたり、事前に親戚の名前を調べておいていきなり名乗って信用させたり、別の人間を電話に出させ「支払わないと孫の指をつめる」と脅す事件も出てきています。 また、1度支払ったところを再度狙う悪質なケースも見られます。いずれにしろ、急な借金を申し込んでくることが共通しています。 対策としては、電話を切った後で本人に折り返し電話をし、確認をすることが大切です。本人との確認がとれない時点で支払う必要性はありません。また、不審に思ったら警察に電話し、状況をお知らせください。 今月1日に1グループの検挙に至っておりますが、似た様な手口で発生する確率は高く、1グループが逮捕されたからといって安心しないようにして下さい。遠方の親類の方、一人暮らしをしているお孫さんなどと連絡をとるようにし、こういった犯罪があることについて話し合っておきましょう。 親の子を思う気持ちや孫をかわいがる気持ちに付け込んだ悪質な犯罪です。だまされないようにしましょう。 |
[捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●孫を救ったおじいさん これは私の体験談ではなく、別の部署の人間から聞いた、少し悲しいお話です。 ある子供さんがひき逃げに遭われ、生死をさまよう重体となりました。ご家族も病院にかけつけ、集中治療室の我が子を見て呆然となり、それは悲しんでおられました。 子供さんがひき逃げにあったその道路は通学路であり、細い道のため車の進入も時間が制限されているのですが、国道が近いせいか標識を無視して入ってくる車が絶えなかったようです。そんな中での事故でした。 目撃者もおらず、捜査はなかなか進みませんでした。一帯の小学校や中学校にも聞き込みをしたり、協力を仰いだりしましたが、誰一人心当たりはなく、そのうちに被害者の子も危篤状態は切り抜けたものの意識不明の状態が長く続き、意識が戻ることはないのではないかと言われ始めていました。 その子には同居しているお爺様がおられ、連れ合いを早くになくされたお爺様は、お孫さんをそれはそれはかわいがっていたとのことです。お爺様はお孫さんが病院に運ばれてから毎日、面会時間の始まりとともにやってきては終わりとともに(仕事が終わってやってきた親御さんのどちらかと一緒に)帰るという日々が続いていました。聞き込み捜査を続けていた刑事も何度か足を運んだのですが、子供さんの容態は思わしくなく、事件は迷宮入りか、とささやかれ始めていました。 事件から1ヶ月が経った、ある日のことです。子供さんの容態が悪化し、今夜が峠ということで家族全員集って欲しいという病院からの連絡がありました。 急いで親御さんが駆けつけてきたものの、お爺様の姿がありません。同じく、呼ばれてきた刑事が尋ねると、何故か珍しく先に布団に入ってしまったので…という返事でした。 ところが、子供さんは親御さんが駆けつけてきてからみるみるうちに容態が回復し、夜が明ける頃には意識を取り戻したのです。この奇跡の回復には医者も首をかしげるばかりで、まったく原因不明だったということでした。 念のため数日置いてから、この子供さんから情報を聞き出した刑事は、その後見事犯人を検挙したといいます。 さて、それからお爺様はどうなったかと言いますと、喜んで子供の容態を報告しに帰った親御さんによって、布団の中で静かに息を引き取っているのが発見されました。死因は老衰でありましたが、それまでまったく変わりない様子でしたから、親御さんは大変驚いたようです。 その話をしながら親御さんは刑事に「そういえば…」と思い出したことを教えてくれました。 「そういえばあの夜、病院に向かおうとした私達に「わしが絶対守ってやるから。あの子は死なないよ」と言っていました。今思えば、おじいちゃんがあの子を救ってくれたのかもしれません」 科学的に話のおちをつけてしまうなら、たまたまお爺様の死期とお孫さんの回復が重なったということになるでしょう。ですが、この話を思い出すたび私は、孫を思う気持ちがその命を救ったのではないか、と考えています。天国でお爺様はお孫さんの元気な姿に目を細めていらっしゃるでしょうね。 |
[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●イネイブラーにはなるな イネイブラーという言葉を知ってる人、どれだけおるやろな。まあ普通は知らなくてもええ単語なんやけど、ある行動のことをさしていう言葉で、大抵の人はその行動に心当たりがあったりもする。 もったいぶっても始まらんからとっとと説明してまうと、イネイブラーっちゅーんは「無意識の共犯者」という意味や。 例えば、プラプラ遊び歩いて勉強もせん子供に「携帯電話買ってくれたら勉強するから」と言われて携帯電話を買ってやる行為。その結果子供は自宅で真面目に勉強するようになったか?しないやろ。大抵は朝から晩まで携帯電話を離さなくなって余計に家に帰ってこなくなる。 アルコール依存症の家族の治療で、外聞を気にするあまり暴れないようにと「これくらいなら」と飲酒を許してしまう行為。こんなんで治った依存症なんか聞いたことない。 で、何が言いたいかっちゅーと、自分がイネイブラーになってないか確認して欲しいっちゅーことなんや。犯罪のすべてにイネイブラーが関わってるとは言わんけども、そういう人間の存在のために起きてしまった犯罪は日常的にあるんや。 万引きをした子供を叱らず、「もう絶対やらないから」という言葉を信じて目を離す親は、そう言えばそれ以上は叱られないと子供が計算しとることを考えたことがある? テレビが子供の教育に良くないと言う親は、じゃあ何が教育にええのか本当に真剣に子供と話し合ったことがあるんか? イネイブラーになってないか考えるっちゅーのはそういうことや。自分の行動に正直に向き合い、あえて目をつぶっとることはないか考えるっちゅーことやねん。 もちろん親だけやない。何か不祥事が起きたらもみ消そうとする学校、企業、社会すべてにも言えることや。深く本人を追求せず、なあなあで済まそうとすることが、「この程度で済むんや」という安心感を犯罪者に持たせ、罪悪感を消していく。 防犯というものは物理的なものだけでなく、こういった形のないところからもしていくもんやで。 |
[防犯ミニ知識] ●今度の手口は「焼き破り」 ピッキング、カム送りなど、様々な手口で侵入する窃盗犯。今度の手口は焼き破りですが、皆さんはどの程度この侵入方法をご存知でしょうか。 言葉から想像がつくかも知れませんが、これはガラスをバーナー、ライターなどで熱し、急激に冷やすとひびが入ることを利用して窓ガラスを破り、侵入するというものです。いくら玄関がピッキング対策されていても、窓から侵入されたのではたまりません。その上この手口は殆ど音がしないため、朝まで被害に気がつかないことが殆どです。 その手口で侵入した窃盗犯は同時にクレジットカード盗難も行います。そのため家にある金品だけではなく、カード利用など被害が拡大するのも特徴です。 現時点では高速道路のインターチェンジ沿いにある団地など、2階建て住宅が多く狙われており、首都圏に被害が集中していることから、都内に犯人グループが潜伏しているものとして捜査中ですが、上記の通り被害者が朝になって気づくケースが殆どであるため、捜査は難航しています。 対策としては、補助錠をサッシ部分につけたりなど、複数錠による施錠、ガラスを割った振動に反応する侵入感知センサーの取り付け、人が近づくと電気がともるライトなどの設置があげられます。 新しく出てきたばかりでまだ認知度が低く、被害が急増する可能性があります。ただちに対策を行って下さい。 |
[ほんの一口〜読者の声] ●酒気帯び運転は同乗者も罪になる? 「飲酒運転とか、酒気帯び運転とかで運転するのはよくないですよね。でも、同乗していた人も罪になるって聞いたのですが本当ですか」 交通総務課からお答えします。 「本当です。まずは飲酒運転と酒気帯び運転の違いから説明しておきましょう。飲酒運転は罰則名称では酒酔い運転といい、アルコールの量には関係なく、ろれつが回らない、まっすぐ歩けない、直立できない等の状態で車両を運転した場合(「言語態度」、「歩行能力」、直立能力」この3要素がすべて正常でない状態、蛇行運転含む)をさし、酒気帯び運転とは呼気1リットル中0.15ミリグラム以上(血液1ミリリットル中0.3ミリグラム)のアルコールを保有した状態で、酒酔い状態(上記)でない場合をさします。 次に、飲酒運転については道路交通法第65条(酒気帯び運転禁止)第2項において、「酒気を帯びて運転することとなるおそれがある者に対して酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない」と規定されています。つまり、飲酒した人に対し「ちょっとくらい運転したってわからないから、飲んでも大丈夫だよ」と言ったり、飲酒していることを知りながら、その人の運転する車に乗った場合、刑法上の共同正犯(飲酒運転者と同程罰せられるということです)や教唆・幇助にあたります。 よく、会社の飲み会で飲酒の後上司を乗せて運転したり、コンパなどで酔っ払った友達の車に乗せてもらったりすると、それだけで犯罪者になってしまいます(罰金刑は刑事処分であり前科扱いです)。くれぐれも軽い気持ちで運転したり同乗したりすることのないようにしたいものです」 |
[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●寝具のカビカビ防ぎましょう! こんにちは!交通課の由美ですvv毎日暑いけど皆頑張ってる!?暑いからってご飯食べずに抜いてるとへばっちゃうわよ! さて今回は、梅雨の季節に発生しがちな寝具のジメジメカビカビをなくしましょうというもの。ただでさえ湿気が多いのに、夜寝る時間になって布団を出したらなんとなくしめってる、気持ちが悪いという人、必見ですよー。 まずは朝!起きたらすぐ布団をしまってる人はちょっと待って。人間は寝ている間、コップ一杯の汗をかくといわれています。だから、その汗を吸っている布団をそのまましまっちゃうと湿気もたまったままになってしまいます。朝起きたら掛け布団と敷き布団をそれぞれ広げて、体温が消えたかなー?って頃に畳むのが正解。窓の近くとかの、風通しがいいところにちょっとおいておけるとなおさらいいわね。 あと、ベッドだからそんな心配ないっていう人。それはいいんだけど、マットレスにも風を通してあげましょう。きれいに洗った空き缶を1つ用意して、窓側に近い方の角の下にいれ、少し持ち上げた状態にします。これで窓を開ければOK。あとは勝手に風が入っていきます。その時ついでに、マットの下に掃除機を入れてお掃除もしちゃいましょう。 簡単に、だけど確実に湿気はとっておきたいものですネ! |
[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。 聞き込み捜査の帰りに遅い昼食をとろうと、ラーメン屋に入った。 ちょうど店のテレビで野球中継をやっていたので、観戦に夢中になっていたY刑事はしばらくつまようじを大量にラーメンにふりかけていた。手元くらい確認しろよ。 |
[あとがき] 先日発生した三陸南地震は、都内各地でもかなりの揺れをもたらしました。同時に、電話が混線し、110番通報がつながりにくくなるなど出動態勢に大きな支障が発生しました。地震で不安になるのは当然ですが、「ちょっとだから」と友人に電話したり、つながるかどうか確認するという行為は控えていただきたいと思います。その電話用に開けられた回線のために、本当に助けを必要としている人が助からなくなってしまいます。これは震源地であった東北地方でも言えることです。 災害に遭った場合はまず、自分の安全を確保の後近隣の方々の安全を確認しあっていただければと思います。 それでは次号でお会いしましょう。 [警視庁メールマガジン] 総編集長: 警視庁 警視総監 白馬 編集長: 警視庁 総務部 牛黒 発行: 警視庁 転載を希望する場合はご連絡下さい。 |
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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。