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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第53号

==警視庁メールマガジン第53号==
                                   発行日:03/07/04



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●運転中の携帯電話操作はやめましょう

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●インターネットに動かぬ証拠が

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●経験はたまに探偵をダメにする

[防犯ミニ知識]
●割れ窓理論(ブロークン・ウインドウズ)を地域の手で

[ほんの一口〜読者の声]
●駐車違反取締りは月初めに甘くなる?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●ネックレスを簡単収納!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●運転中の携帯電話操作はやめましょう

 運転中、友達から携帯にメールが届いた。見てみるとすぐに返事を出したいと思ったので、携帯片手にダラダラ運転。ふと顔をあげるとかなり車間距離をあけていたはずが、目の前に車が止まっていてあわてて急ブレーキ。しかし間に合わず追突事故発生…。
 最近こんな事故の報告が交通課から多数あがってきています。もちろん警視庁内に限らず全国で運転中の携帯電話操作による事故が多発しています。
 携帯電話の性能は付属機能でさえ、もはやそこらの家電製品も顔負けというほどに向上していますが、交通事故もそれに比例して増加する傾向にあります。運転していていい景色だからカメラで撮っておこうと、後続車のことも考えずに急ブレーキ。かかってきた電話に出ようと手を伸ばしたら、携帯が足元に落ちて思わず拾い上げたはずみに操作を誤り路肩に突っ込む。事故には至らなくても、運転中の携帯電話操作によってヒヤリとした体験はありませんか?
 道路交通法において、携帯電話の使用は停止中及び緊急時を除いて禁止されています。事故を起こさなければ罰せられないのだろうと思っておられる方もいらっしゃるかも知れませんが、罰則がないだけで携帯電話の使用自体、「安全運転義務違反」という違反行為なのです。
 メールを打つためにわざとノロノロ運転をするドライバーもいますが、これも道路状況に具体的な危険を生じさせる原因となります。
 メールや通話は安全なところで落ち着いて行うようにしましょう。


  


[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●インターネットに動かぬ証拠が

 このメールマガジン読者の方で、ご自分のホームページを持っておられる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。恐らく、5割以上の方がお持ちではないかと思います。それどころか、Webデザイナーなど、インターネット関連事業に就いていらっしゃる方もいるかも知れませんね。
 さてこのインターネット、検索を利用したことのない人は少ないと思いますが、最近捜査の一環として捜査員がやっているのが、検挙した犯人の名前で検索するという作業です。もちろん同姓同名もありますから有益な情報は一つでも見つかればありがたい、といったことになります。ハンドルネームなどは自宅パソコンがあればそこから調べられますから、その名前をさらに検索ということもありえます。
 一体なぜこんなことをするのかと言いますと、被疑者の日頃の言動や例えば事件があった日などのアリバイを調べるためでもありますし、動かぬ証拠を手に入れるためでもあります。
 動かぬ証拠。そう、例えば犯行をほのめかす書き込みです。
 私の担当ではなく別の管理官の持った捜査本部だったのですが、その事件は物的証拠に乏しく、黙秘して語らない被疑者を前に弱りきっていたところ、ある匿名の密告が入りました。曰く、この被疑者が作っていたホームページに犯行そのものがこと細かく記載されているというのです。
 早速捜査員がそのアドレスへ飛んだところ、確かにその事件と酷似した内容のことが書かれており、サーバー元に連絡して更新日時を確認、被疑者の加入していたプロバイダーの記録とあわせて確認し、ハンドルネームが彼の使用していたものであるという動かぬ証拠も手に入れました。また、犯人でなければ知りえない記載も多々見られ、捜査員は確信を深めたといいます。
 こうして当初起訴すらも危ぶまれていたその事件はあっという間に解決したのです。
 密告がなければ急な展開は望めなかったかも知れませんが、遅かれ早かれ悪事は露見したでしょう。
 自分のやった犯罪を書く方も書く方だと思いますけどね。


 


[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●経験はたまに探偵をダメにする

 随分前に社会の常識やとか、質問の仕方とか、柔軟な対応ができんとダメやって書いたことあるけども、探偵としての力を培う経験も、同じように捜査の邪魔をすることがある。今回はそんな話をするで。
 学生にはちぃと分かりづらいかも知れんけど、会社勤めの人は会社におる、いやーな上司を思い浮かべてみて欲しい。何をするにも自分の経験が正しいと信じて疑わん人、1人くらいおるやろ? 
 データが古くても気にしない、こっちの方法やと時間も手間もかかるのに、いままでこれやったからと絶対変えへん人。確かに見方を変えれば安全確実な手段を取る人といえる。
 けど探偵はそれやとダメなんや。1度依頼を遂行したら頭の中をリセットする。同じような事件に遭ったと思っても、すぐに前と同じ方法を取らない。じっくり事件を分析して、本当に同じ性質なんかとか、他にとれる方法はないかとか、必ず1から組み立てて行くんや。これが出来んと、犯人が意図的に仕掛けた罠にはまり込んで抜け出せなくなることもあるしな。もちろん、前と同じ方法でええとなったら、わかってる分取り掛かってからは早いで。俺、即断即決やし。
 「前と同じだからこれでいいはず」「この方法で今までやってきた」それが通用せんのが探偵の仕事。もしこれから探偵やろうっちゅー物好きがおったら、絶対これを忘れんことやな。探偵は同じことを最初から出来る我慢強さがないと無理やで。




[防犯ミニ知識]


●割れ窓理論(ブロークン・ウインドウズ)を地域の手で

 皆さんは「割れ窓理論」という言葉を聴いたことがありますか?もしくは最近アメリカに旅行されたという方、噂に聞いていたニューヨーク地下鉄が、予想と違ってとてもきれいであったことに驚かれませんでしたか?
 この割れ窓理論というのは、犯罪が新たな犯罪を呼ぶというデータに伴い、犯罪や事件が発生しそうな原因を取り除き、根本的な防犯対策を行っていこうとするものです。
 何度か明智管理官が取り上げておられる、警察官の制服やパトカーの巡回はそれだけで犯罪抑制効果があるというお話と根を同じくします。
 例えば、定期的な見回りがあり、管理体制がしっかりしている駅周辺では自転車やバイクなどの迷惑駐輪は殆どありませんが、誰も見回りにこないような場所に1台駐輪があると、どんどん違法駐輪や違法駐車が増えていき、通行が困難なほどあふれかえってしまいます。最初の1台が駐輪した時点で警察官が注意もしくは撤去されていれば、その場所は「駐輪してもいい場所なんだ」と認識されることはありません。
 このように、犯罪の発生を防ぐことはなかなか出来なくても、発生の根を摘み取ることは誰にでも可能です。
 シャッターへの落書き行為や、廃屋へのいたずら、万引きなど、地域の皆さんで声を掛け合い早期対応をすることによって第2第3の発生を防ぎましょう。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●駐車違反取締りは月初めに甘くなる?
「噂で聞いたんですが、駐車違反のノルマって月末につじつま合わせればいいから、月初めは取締りが甘いって本当ですか?」

 交通課からお答えします。
「結論から言いますと、そんなことはまったくありえません。確かに月ごとの目標として、今月は何件以上摘発をするように努力するというものを定めますが、だからといって月初めに違反を見逃すようなことはしません。
 噂に頼るよりも、きちんと駐車場に車を入れることを目指しましょう」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●ネックレスを簡単収納!

 こんにちは!交通課の由美ですvv夏本番って感じだけど、パトカーに乗ってると腕が片方だけ日焼けしちゃったりして困るのよね…。夏は日焼け対策が欠かせません。
 さて今回の裏ワザは、ネックレスやチェーンを普段からきれいに収納しておくコツです。専用のボックスもあるけど、わざわざ買うほどじゃないし、でもいつも絡まりあってつける時不便…というアナタ、使ってみてください。
 やり方は簡単。100円ショップで手に入るストローを利用します。細いのはダメよ。入りにくいから。飲み口が折れ曲がるタイプの太めのストローもしくは、この太さで半透明のものを用意して下さい。
 そして下の方を少しだけ折り曲げておいて、ネックレスを入れます。「えっそんなことしたら中に落ちちゃうじゃない」と思うかも知れないけど、金具がストローの口に引っかかってストッパーの役割を果たすので大丈夫です。ペンダントなどはペンダントヘッドを金具側に寄せておいてから入れましょう。
 これらをちょっと深めのコップに入れておけば、いちいちアクセサリーボックスを開け閉めしなくても、そのコップを鏡の前においておくだけで朝、衣服との調整が簡単に出来ます。
 専用の収納グッズを使うのもいいけど、ちょっとしたコツで手軽で便利な収納しちゃいましょう!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 ある事件で捜査が急展開して、聞き込み先に急遽確認をとることになった。ベテラン刑事は目撃証言の確認をとったり捜査会議で忙しく、新米の刑事が電話で確認をしていたのだが、思いのほか時間がかかり、最後の1軒が夜遅くの電話となってしまった。
 彼は「夜分失礼します」「恐れ入りますが」とブツブツつぶやきながら番号を回したが、電話で相手が出たとたん「おやぶん失礼します!」と言ってしまい、あせった勢いで電話を切ってしまった。…謝るくらいしなさいって。
 その捜査会議で彼が「おい、親分」と呼ばれ続けたのは言うまでもありません。
                                  (目撃した人間より)




[あとがき]

 日本各地で事件が相次いでいます。暑いせいか、ちょっとしたことで言い争いになったり事件に発展したり、なかなか大変です。暑くてイライラしても、誰も同じ気分です。ここはぐっと我慢して、これ以上体温と血圧が上昇するのを抑制しましょう。
 さて来週月曜日は七夕です。星に願いをという歌が昔ありましたが、うちの家は子供が幼稚園で短冊を作って持って帰るようです。どんな願いを星に託すのでしょうね。ちなみに妻に聞いたら「給料アップ」と言われました。立つ瀬がないので今は座っています。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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