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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第55号

==警視庁メールマガジン第55号==
                                   発行日:03/08/01



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●お悔やみ電報にご注意を!
●おこさまむけ「けんがくかい」のおしらせ

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●都市伝説と警察2

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●違法捜査

[防犯ミニ知識]
●もう一度地震対策を

[ほんの一口〜読者の声]
●災害時に電話がつながりません!

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●山で道に迷った!その時は!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●お悔やみ電報にご注意を!

 メールなどで、身に覚えのない使用料を振り込むよう請求された、という事件が多発していましたが、各メディアで取り上げられたこともあり、今はそれほど見かけなくなりました。しかし今度は、お悔やみ電報などで「故人の生前の借金を払って欲しい」というありもしない取立てを行うケースが急増しています。
 身内を失って悲しみにくれている人につけ込むやり方で、非常に悪質です。故人の借金については負債の財産など、正式な借用書や書類のないものは無効であり、支払う必要はありません。確認できないため、もしかしたら借金していたのかも知れないと振込むことを狙っているのです。
 心配であるなら最寄の警察までご相談ください。電報記載の電話番号には連絡しないようにして下さい。
 
●おこさまむけ「けんがくかい」のおしらせ

 けいしちょうではこのなつ、8月31日まで土日をのぞくへいじつ、そうさいっかけんがくかいをおこなっています。このメールマガジンでもおなじみあけちかんりかんと、かつやくがテレビでもしょうかいされているむろいかんりかんが、みなさんのために「そうさいっか」のおしごとをしょうかいしてくれますよ。
 さんかできるのはしょうがくせいのみ、あらかじめでんわでよやくしてください。おとうさんかおかあさんに、けいしちょうそうさいっかのあけちかんりかんまで、「けんがくかいさんかです」とでんわをかけてもらってね。
 8月3日はとくべつにけんがくかいをやります。おぼんはお休みします。じかんは毎日あさ10じから1じかんか、ごご2じから1じかんかのどちらかをえらべます。ていいんは1かいにつき80人までです。
 ただし、じけんがあったばあいはべつのばしょのけんがくとなることもあります。
 また、ちゅうがくせいいじょうやおとなのかたはさんかできません。
 しょうねんたんていだんも8月3日にさんかします。あってみたいみんなは、この日にもうしこんでね。
 もうしこみはへいじつごぜん9じから、うけつけしています。


  


[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●都市伝説と警察2

 今回の都市伝説は、誘拐されかけた子供の話です。かいつまんで話しますと、細かいところは違いますが、ある遊園地にある親子が遊びに行き、子供さんが1人でトイレに行くというので親御さんはベンチに座って待っていました。ところが5分経っても10分経っても戻ってこない。そのトイレに行ってみたけれど誰もいない。そこにいた従業員から事務所に連絡してもらい手分けをして探したが見当たらない。そのうちに閉園時間となり出口を1つを残してすべて閉鎖し、帰る客達を見ていると、イベント出演者の一行が通りかかり、母親はその中の1人、オバケの格好をした子供の靴が我が子のものと同じであることに気づいた。あわてて呼び止めて確認するとそれは確かに、髪の毛を染められ、違う衣装を着た我が子であり、その一行はその場で逮捕、実は子供の臓器売買を行う組織であったことが判明するというものです。遊園地からは口外しないように口止め料を渡された、で落ちとなるようですが、本当に口外しないようにと言われたのならここまで広まるはずはありませんのでまず信憑性に問題があります。
 また、警察官の立場としてお話ししますと、こういった組織は、たやすく目をつけられそうな誘拐の仕方はしません。この一行が来ている間だけ子供の行方不明が相次ぐということであれば、結びつくのは時間の問題ですしね。また、この一行は遊園地側の人間ではなく、中東の観光客だった、とする話もあるようですが、それにしても誘拐組織がこんなところに目立つ格好で来るとは思えません。
 私の見解としては、子供が迷子になり探していたところ、その遊園地の出し物として来ていた人達が一緒に遊んでいるのが発見された、というのがこういった話になったのではないかと思います。そして、発祥を調べたところアメリカでも同じ話はあるらしく、その古さからいって、アメリカから入ってきた話が国内でそれらしく形を変えて広まったというべきでしょうね。
 ただし、子供が迷子になるケース、そして知らない誰かに連れ去られそうになるというケースは実際に全国で多数発生しています。いずれも、親が子供から目を離したことが原因です。
 この都市伝説は、そういった教訓を多数含んでいます。行楽地に行ったら絶対に子供から目を離さない、常に手をつなぐようにするなど、親御さんの責任は重大です。子供は遊ぶのが仕事であり、初めて体験するもの、楽しいものに対してあちらこちらへ行ってしまうことを責めることは無理というものです。
 子供相手の犯罪が増えているのならば、守れるのは親だけです。「もう何歳だからトイレくらいいけるだろう」も構いませんが、必ず見える場所にいて下さい。くれぐれも、このような都市伝説を本当にしないために。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●違法捜査

 よぉ皆!夏休み満喫してる?いくら休みかて朝からダラダラしとったり、夜更かししとったらあかん。いつも通りに起きて時間はめいっぱい使わな、もったいないで。
 夏休みになってから、メールマガジンをゆっくり読んだっちゅー学生からのメールが増えて、ちょいちょい整理しながら読んどるところや。そん中でも一つ気になる質問があったんで、取り上げてみるで。
 「警察組織だといちいち証拠がないと捜査とか出来ませんが、探偵は例えば警察で言えば違法捜査にあたることも可能ですよね?」
 これは、答えはノーや。そら確かに全部の探偵がすべて、違法捜査はしてない、とは言い切れへんで?今まで取り上げてきたような悪徳探偵やと詐欺まがい、文書偽造まがいのことかてしてるやろし。
 けど俺に限って言えばノー。したことあらへんし、するつもりもあらへん。ハッタリかますことはあっても、違法捜査で証拠を手に入れて犯人追い詰めたところで、「それは違法や」て言われたら努力が水泡に帰すやろ。
 テレビドラマの探偵やとこっそり合鍵作って家に侵入して動かぬ証拠を手に入れたり、警察やと言って聞きこみしたりしてるかもしれんけど、あんなことできるわけない。こっちが犯罪者や。
 探偵は警察以上に法に縛られるもんなんやで。外国と違って探偵の権限ちゅーもんはなく、一般人と変わらん扱いやし。アメリカやイギリスやと弁護士なみに、警察の捜査状況も聞けるし、探偵っちゅー肩書き使って聞き込みかけられるんやけどな。一部逮捕権とかあったりするし(日本にも逮捕権っちゅーのはあるけど、これは現行犯などに限られる)。
 日本で探偵の権限を認めろとはいわんけども、これこれの書類見せて欲しいっちゅー要請には身分証明書の提示つきでもええから認めて欲しいな。ま、俺は大阪府警の信頼は厚いさかい、多少は融通利くけども。
 せやから、推理小説ちっと読んだからって探偵ごっこはあかんで。「法は無知を守りはしない」、や。




[防犯ミニ知識]


●もう一度地震対策を

 日付も変わったばかりの7月26日、突然大きな揺れが東北地方を襲いました。ちょうど2ヶ月前発生した地震よりさらに大きな規模で、地震への警戒も薄れかけていた頃、そして大雨警報が出ていた中でのこの揺れは各地に大きな被害をもたらしました。
 さらに夜が明けて余震が収まったかと言われた7時過ぎにより大きな揺れが発生、それからも数度大きな揺れが地域を襲っています。
 これから他の地域でも大地震が発生しないとも限りません。もう一度、簡単に地震発生時の行動についておさらいしておきましょう。

<1>地震発生
 どこにいる場合でも落下物に気をつける。テーブルなどの下に隠れる。家では2階にいた場合はあわてて階下に下りない。急いで外に飛び出さない。
 この時料理をしていれば火を消すように言われていますが、揺れている中火を消しに行くのはとても危険です。てんぷらなどを作っていた場合、油で大やけどをすることもあり、実際そういった例が報告されています。火は、揺れが収まってから消して下さい。
 映画館などではパニックに陥りやすいため、まずは頭を保護して椅子の間に隠れて下さい。デパートなどでは棚から物が落ちてくることもあるので、すばやく離れて下さい。
 屋外では、塀やブロック、自動販売機から離れ、ビル街へは行かないようにします(上からガラス窓が破損して落下してくる可能性があるため)。車を運転中であれば急ブレーキは踏まず徐々にスピードを落としエンジンを停止します。避難する時はキーをつけたままにして下さい。ロックしてしまうと緊急車両などが通れない時移動が出来ません。
 公共の乗り物に乗っていた場合は乗務員の指示に従い、勝手に外に飛び出さないようにしましょう。地下街は比較的揺れも少なく安全であるため、揺れが収まってから非常口に向かいます。海岸、がけ付近にいた場合、登山中の場合はそれぞれ、津波、がけ崩れ、(冬は)雪崩などにご注意ください。
 ただし、左右の揺れでなく、下から突き上げるような強い揺れを感じた場合、古い木造家屋では揺れの最中でも外に避難して下さい。倒壊の危険があります。

<2>揺れが収まってから
 火の元を確認して下さい。非常口の確保を行います。マンションなどでドアが変形して開かない時は、ベランダなどからの脱出となります。
 火災が発生した場合、料理などが原因であったなら、天井に火が届いていなければまだ消火できます。落ち着いて行いましょう。個人では消火しきれない場合は速やかに避難して下さい。自分で火を消そうとしていると、煙に巻かれて避難が遅れ危険です。
 近所で声を掛け合って無事を確認しましょう。
 避難場所へ向かう場合には、最小限の装備で行って下さい。夏でも長袖長ズボンは必須です。また、非常食料、ラジオなども忘れずに。
 また、この時間帯になると電話回線に負荷がかかり非常につながりにくくなります。ほとんどが、親類、遠方の知人に無事を知らせたり、無事を確認する電話であったりします。しかしこれらは、本当に救助を必要としている人の妨げとなります。心配でも確認電話は後にするようにしましょう。あなたの電話が誰かのSOSを届かなくさせている可能性もあるのです。

<3>デマに振り回されない
 地震発生直後は様々な情報が飛び交います。不安になってあれでもない、これでもないと口から口へ情報が伝わっていくためですが、ラジオに耳を傾け、情報を聞き逃さないようにし、根拠のない話を他の人へ伝えないようにしましょう。

 最後に、意外な防衛策をお教えします。地震での怪我人は家屋倒壊・家具の倒壊などが大きく割合を占めますが、中でも多いのがガラスで怪我をしたというものです。
 食器棚、ガラスケース、窓ガラスなどには、UVカットフィルムや結露防止シートなどを貼っておくといいでしょう。窓ガラスは、防犯の意味も込めて防犯フィルムを貼っておくと一石二鳥ですね。
 また、地震発生直後は停電、断水となることがあります。寝室の手の届くところに懐中電灯を用意しておく(転落防止に壁にとりつけると良い)、お風呂のお湯はすぐに捨てないなど、こまめな対策をとりましょう。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●災害時に電話がつながりません!
「この間の地震の時、東北に友達がいたので大丈夫かなと電話をかけたのですが、全然つながらなかったです。こういう時どうしたらいいのでしょうか?」

 災害警備部からお答えします。
「災害時には電話回線のパンクを避けるため、交換機の方で通話数に規制をかけます。これは、特定の電話局(今回は該当地域)への電話を、かけられた方の電話局で規制するため、どこの地域からならかかりやすい、ということにはなりません。また、地震時の安全確認電話が、こういった回線に負担をかけている原因ですので、安全確認の場合は災害用伝言ダイヤル(171)を利用して下さい。
 このケースに限らず皆さんも、日頃遠く離れている親類などと、こういう時には災害用ダイヤルを使用するように取り決めておくようにして下さい。
 また公衆電話がつながりやすいといわれていますが、これも被害地域内ならともかく、他の電話局地域からは一般加入電話よりは優先されますが、つながりにくくなります。上記理由のためです。
 地域内でしたら優先されてつながりますので、救急車、消防車などの要請にご利用下さい。緑色もしくはグレーの公衆電話です。くれぐれも非常時に公衆電話で安全確認の電話などしないようにしましょう」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●山で道に迷った!その時は!

 こんにちは!交通課の由美ですvvなーんか今年の夏って寒くない?張り切って水着を新しいのにしたけど、これじゃいつ着ていくのってカンジ…8月は暑くなるといいなぁ。
 さて今回の裏ワザはレジャー編!夏休みの親子キャンプ、登山に出かける方へ、知っておいていただきたい知識です。
 登山ほど仰々しいものではなく、ほんのハイキングのつもりが気がついたら道に迷っていた…こんな事件、結構あるものです。そこから無事生還できるかどうかはひとえに、冷静な判断にかかっています。あわてて山の中を突っ切って降りようとしたり、下に下りればいいやと軽く考えて歩かず、まずは一旦上に上りましょう。見晴らしのいいところに移動して自分の現在位置を確認する方が安全です。ただし闇雲に上るのではなく、2時間ごとに休みをとり、夜は絶対に動かないこと。水があれば3日以上は生きられますのであわてずに。
 夏といえども山は夜かなり冷え込みますので、くぼみを見つけて、その上に枝や葉で屋根を作り、雨風をしのげるようにします。くぼみにも葉をしきつめればいいですね。こうして冷静に対処していきましょう。
 ハイキングに出かける時も登山の時も、しっかり現在位置を把握することが何よりの安全策です。たかが山、されど山。どうぞお気をつけて!
 今回の裏ワザ提供は明智警視からでした\(^o^)/!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 パトカーで警邏中、緊急配備がかかったので現場へ向かうことになった。あいにくと前を走る車が多かったので、スピーカーで呼びかけながら走ることに。
 「緊急車両が通ります。道をあけてください」
 そう繰り返し呼びかけていたら運転席の同僚が「後ろ見て」というので見たら、「引き続き焼き芋屋が通ります。道をあけてください」
 急いでいたのでナンバーだけ控えておきましたが、翌日この焼き芋屋さんは免停となりました。
 よい業者さんは真似しないで下さい。




[あとがき]

 この2週間、実に様々な事件・事故がおきました。夏休みに入って気が緩みがちであるのか、子供の巻き込まれる事件も多かったと記憶しています。8月になったことですし、気を引き締めていきましょう。
 ところで「踊る大捜査線」が大ヒットだそうですね。自分も同じ警察官である以上とても興味があります。明日にでも子供と一緒に見に行ってこようと思います。たまに「あれは現実にどれくらい近いのですか?」と聞かれますが、答えられるわけがありません…。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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