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警視庁メールマガジン第63号 |
==警視庁メールマガジン第63号==
発行日:03/11/21
目次 [〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●新たな詐欺の手口が横行しています [捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●それぞれの気分転換 [大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●探偵が捜査依頼をしてきた話 [防犯ミニ知識] ●走行するバイクが見えていますか [ほんの一口〜読者の声] ●違法コピーソフトが販売されているようなのですが? [トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●気の乗らない飲み会、うまく断るゾ! [内部密告コーナー] |
[〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●新たな詐欺の手口が横行しています 利用した覚えのないサイトの利用料金や、金融機関へのローン返済を要求する架空請求メールは未だ多く送り続けられていますが、最近は社会保険庁を名乗った保険金詐欺が多発しています。 これは年金受給者に社会保険庁を名乗って「あなたには年金額を間違って支給していたことが分かった。なので、差額分を返して欲しい。この口座に何日までに振り込んでもらいたい」と連絡してくるものです。 中には預金通帳などを預かるための預り証を偽造し、それを提示して「代理で引き出してきてあげます」と言って通帳と印鑑を預かり、お金を引き出して逃走する悪質なケースもあります。 社会保険事務所の職員が、年金制度のご案内及びご相談で被保険者のご自宅に伺うことはありますが、身分証明書を携帯しています。それを確認の上、もしも返金要求や預かり要求があった場合は絶対に渡さず、速やかに最寄の警察もしくは社会保険事務所にご連絡下さい。 また、電話で「年金受給はいつからか、額はいくらか」など個人情報を収集するような問い合わせもあるようです。こちらにも応じるようなことはしないようにしてください。 実際に年金に差額があり、支払いもしくは返金の必要がある場合、まず直接訪問するようなことはありません。 安易にお金を渡さないようにしましょう。 |
[捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●それぞれの気分転換 「捜査に行き詰った時は、どうされていますか?」というメールをいただきました。 ドラマなら話は別ですが、現実の事件はそう簡単には解決しないものです。最初はすぐに解決するだろうと思われていた事件が、意外に難航することも珍しくありません。 特に最近はインターネットという情報源がありますから、犯人がかなり周到に計画を練って犯行に至ることもあり、物的証拠の少なさに手を焼くこともしばしばです。 事件に関してコンスタントに入っていた情報が突然パタリとなくなり、進展しなくなった時のあの気分というものは、刑事でなければ分からないかも知れませんね。何とも言い表しがたいものです。これが1ヶ月2ヶ月と続きますと、我慢強い刑事でも流石に焦燥感にかられるといいます。ニュース報道からも消えてしまう分、人々の関心も無くなりますから、得られる情報も更に少なくなるためです。 そういう時大抵の刑事は現場へ足を向けたり、これまでの捜査記録を読み返しますが、ベテランの刑事は気分転換として、まったく関係のない場所に出かけたり、これまで自分が解決してきた事件の現場に向かうことがあります。 よく、探しているものが見つからず、あきらめた時にひょいと出てくることがありますね。あれは、目の前にあるのに視界に入っていない状態から視点が変わるために発見することができるのです。要するに、探し物をしている間はきちんと探しているつもりでも、同じところばかり探していて、肝心のところは見落としていたりするということです。 それと同じで、行き詰ったまま捜査記録を見ていても、見落としているものはそのまま発見できないことがあるため、刑事は一旦思考を切り替えるわけです。傍目からは「あの刑事は捜査もしないで何をしてるんだ」と映るかも知れませんが、本人にはとても大切なことなのです。 そうして新しい気持ちで再度捜査記録を丹念に読み、現場へ行き、再び捜査をはじめます。時にはそこで誰も気がつかなかった、証言の矛盾点やおかしな点を発見し、捜査が急展開することもあります。ですから本当に、気分転換というものは馬鹿に出来ません。 私も進展がなくなったかなと感じた時には、その事件の捜査を一旦置いて、別の事件の記録を開いたり、演奏会や美術館に出かけることがあります。闇雲に手がかりもないまま聞きまわっては、時間の浪費どころか無駄な焦燥感まで生まれてしまいます。 被害者の方からしてみれば1分1秒も惜しいと思われるのは当然ですが、私はあえて、余計なプレッシャーのない状態で、自由な発想に基づいて捜査はなされるべきであると思っています。確実に真相に近づくこと、それが大切なのですから。 |
[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●探偵が捜査依頼をしてきた話 前に、探偵が免許制になるかも、っちゅー話が出てたけども、あれなかなか進んどらんみたいやな。確かにどういう基準を作るかとかいろいろあるんやろな。試験で免許を与えるっちゅーても答えはあってないようなもんやし。誰が採点するかっちゅーことにもなるやろし。申告制にしたらそれこそ過去の業績云々っちゅーのがあるから、小さい探偵社ほど不利やしな。大手やからって信用できるとは限らんで。 そういう話ともちょっと関係あるんやけど、ある時に1人の男が俺んとこに依頼したいっちゅーて連絡してきたんや。えらい真面目な人でな、事前に電話でいついつに伺いたいのですがいいですか、って連絡してきて、おまけに家に来たときは手土産まで持参してきた。まあ手土産とか持ってくるもんやって思う人は結構おるけど、ホンマに腰の低い人やったなぁ。 そんでその依頼内容っちゅーのが、悪質な探偵会社に騙されたから何とかしてくれと。消費生活センターとかの範疇やろ、っちゅーたんやけどどうも話を聞いていると、後ろに何か犯罪組織が絡んでるくさい。 騙された内容というのが、その会社が運営している学校で探偵になるために勉強すると卒業証明書がもらえて、会社の支社みたいな形でバックアップを得て開業できる、ゆーんやな。けど会社の名前を使うお代として何百万かとられる上に、そう仕事が来るわけでもない。そんで探偵をもうやめたいちゅーたら、登録削除の代金としてまた何百万か請求されたと。 典型的な詐欺やと思うけど、確かに組織犯罪くさいしこら生活センターレベルでは太刀打ちできんかなと思て俺は、体験入学ということでそこに行ってみたンや。 なるほど確かに最新の技術はそろてるかも知れんけど、授業内容はホンマに役に立たんものばかり。教科書だけはなんか市販の探偵マニュアルから写したような内容やったけど、それも高額で学生に売りつけとるみたいやし。それで騙されるんなら確かに騙される方が悪いけど、あいにくと俺は見てもうたんやなぁ。学生として参加しとるメンツの中にな、明らかに監視役と思われる人間がおったんや。その顔に見覚えがあったから、ちょっと親父に頼んで府警に登録されとるデータベース調べてもろたらビンゴ。いくつか前科のある、某暴力団の人間やった、っちゅーわけや。そこからはもう俺の出番やないな。府警の捜査の手が入って、その探偵会社は倒産。今は騙された人らがいろいろ返金請求や裁判とかしとる最中やろ。 ただ騙された人にも言いたいんやけどな、ニュースで報道されたことのある犯罪者の顔くらい覚えとけ。そんなんが隣におって気がつかんのやったら、勉強云々以前に探偵としての素質がないっちゅーことや。生兵法は大怪我の基、やで。 |
[防犯ミニ知識] ●走行するバイクが見えていますか パトロールをしていると、随分と危険な運転をするな、という車両を見かけることがあります。 横断歩道に歩行者がいるのに強引に右左折したり、直進してくる対向車がブレーキを踏まざるを得ないような右折をしたり…。もっと心に余裕を持って運転して欲しいものですね。 ところで免許をお持ちの皆さん、教習所で「サンキュー事故」という言葉を習ったはずです。思い出してみて下さい。どんな事故だったか思い出せますか? 車を運転している期間が長い人ならすぐに思い当たったと思いますが、このサンキュー事故とは、他者に道を譲ってもらったドライバーが急いで曲がろうとして、安全確認を怠り起こす事故のことを指します。親切心があだになってしまう例ですね。 では、そういった事故は何故起こってしまうのでしょうか?例えばあなたが右折待ちをしている時のことを考えてみて下さい。相手が「先に行け」とパッシングしてきたと考えて、その後どこを見てどのように操作をしていますか? 「サンキュー事故」を起こした人の殆どは、「曲がった先の横断歩道に歩行者がいないか確認して、右折の動作に入った」と答えています。そこに大きな落とし穴があります。 確かに一番手前の車が止まっているのですから、対向車に注意する必要はないでしょう。しかし、その横をすり抜けてやってくるバイクや自転車がいないとは限りません。特に、トラックが道を譲ってくれている場合、バイクは死角に入って見えませんから、急いで曲がるより何よりも、車の陰から何か飛び出してこないかを確認することが最重要なのです。 また、左折する際にまったく後ろを見ないで曲がるドライバーもいます。バックミラーとサイドミラー。この二つには映らない死角が車にはあります。バイクなどは車よりも小回りがききますから、少し前に後ろにいることを確認してもあっという間に追いついてきていることもあるのです。必ず左折の際は巻き込み確認を行うようにしましょう。右左折などは、すばやく行うことだけがうまい運転ではありません。安全確認をきちんと行って初めて、上手な運転であるといえます。 時間にすればほんの数秒の確認作業を怠ったために、とりかえしのつかない事故を起こしてしまうケースが多発しています。 しっかりと安全確認を行って下さい。 |
[ほんの一口〜読者の声] ●違法コピーソフトが販売されているようなのですが? 「最近オークションをやりはじめたのですが、出品されたものを見ていると、どうも違法にコピーされたとしか思えないソフトを販売している人がいるようなのです。こういうのはどういう罪になるのでしょうか。またどうしたらいいでしょうか」 ハイテク犯罪対策総合センターからお答えします。 「お問い合わせに記載されていましたURLを拝見しましたところ、確かに違法コピーであることが判明しましたので、オークションを行っている主催業者に連絡していただくよう、相談者に申し入れしました。 さてこういった違法コピーが最近オークションにも出品されるようになりました。正規にライセンスを購入し、そのライセンス契約を譲渡するものであるならともかく、CD−ROMに焼いてコピーを制作する類のものはすべて違法コピーとなります。この場合は著作権法において懲役3年以下もしくは300万以下の罰金ということになります。ただしこれは刑法上の処罰となり、ソフトを販売している企業からも損害賠償請求などが行われる可能性もあります。 またこういった出品を見つけられましたら速やかに、オークション主催者に連絡されると良いでしょう」 |
[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●気の乗らない飲み会、うまく断るゾ! こんにちは!交通課の由美ですvv最近中華まんにはまっちゃって、毎日いろんなお店に行って、どれにしようかな♪って迷ってます。やっぱり私はホックホクの肉まんかなっ。 さて今回の裏ワザは、37号でも取り上げてる、飲み会のスマートな断り方その2!そろそろ風邪という言い訳を使い果たしちゃったアナタに贈ります! 裏ワザといっても簡単!上司の動きをよく見ることです。例えば大きなプロジェクトがひと段落した、大きな契約がとれた、ノルマ達成した、上役に叱られた、などなど…。上司が部下を呑みに誘うのって大抵愚痴を言うか自分の自慢、もしくは説教というパターンです。ましてや何か大きなことがあった後は余計にしたくなるもの。 そういう気配を感じたらサッと残業を入れてしまいましょう。残業なら上司もムリに誘うことは出来ません。 おっとまだまだ。この裏ワザはここで終わりじゃありません。 逆に、「今日は誘っても絶対ダメだろうな」という日をチェック!例えば朝から大事な会議が入っている日、奥さんとの結婚記念日、子供さんの誕生日、出張する日などなど…。その前日を狙い、「課長、今日一杯いかがですか?」とかるーく誘ってみるのです。絶対真剣な顔はダメよ。マジメな上司だと深刻な悩みと思って無理して応じることがあるから。(でもそこまで部下のことを思いやってくれる上司なら、飲みに誘われても嫌じゃないかもネ) 予定通り相手は断ってくるでしょうから、適度に残念がってはいおしまい。 これで、「あいつは断り続けてばかりいる嫌なヤツ」というイメージはなくなります。 え?あんまり大げさに残念がっていたら翌日に誘われちゃった? それは仕方ないからあきらめてね。 何事もホドホドに! |
[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。 K君は好き嫌いが多いことで、署内では有名である。 ある時課の人間で飲んでいたところ、同僚がK君に「お前野菜も食えよー」と野菜スティックの皿を渡そうとしたのだが、K君は「医者から緑色のものは食べるなと言われている」と断っていた。 そんなわけあるかっ! |
[あとがき] もう12月が目の前になりましたね。12月に入ると決まって、「交通の取締りが厳しくなった」という声が寄せられるのですが、年末ということで誰もが忙しく走り回っていますから、厳しくなるのは当然です。もう少し心に余裕を持ってください。 警視庁でも12月はいろいろ特別な職務が入ってきますので忙しくなります。お互い体を気をつけていきたいものですね。 それではまた。 [警視庁メールマガジン] 総編集長: 警視庁 警視総監 白馬 編集長: 警視庁 総務部 牛黒 発行: 警視庁 転載を希望する場合はご連絡下さい。 |
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