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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第81号

==警視庁メールマガジン第81号==
                                   発行日:04/07/30



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●在宅時の施錠を

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●本物vs偽者

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●心の闇

[防犯ミニ知識]
●熱中症にならないために

[ほんの一口〜読者の声]
●指輪が…

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●良い温泉の見抜き方!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●在宅時の施錠を

 泥棒は誰もいない家に忍び込むもの…。こんな常識が覆されてきています。実際に、"帰宅した時は何も取られていなかったのに、居間でテレビを見た後寝室に入ったら荒らされていた"といったようなケースは多く、在宅中に泥棒に入られたものと考えられます。
 家族の1人が先に帰宅した場合、あとの家人が帰宅するまで鍵を開けておく家が多いようですが、これが泥棒を招き寄せる原因となっています。また、テレビなどをつけていると多少物音がしても気づかないため、家族揃っての食事時やくつろいでいる時間を狙って忍び込むケースが殆どです。
 これを防ぐためには在宅時でも必ず施錠を行い、家人が帰ってきたらチャイムを鳴らしてもらい本人の確認をしてから鍵を開けるか、それぞれが鍵を持つようにします。決して玄関回りの植木鉢の下、ポストの中といったように、「置き鍵」をしないようにしましょう。
 また、家人が全員帰宅した後も、一箇所に集る場合には不在の部屋の窓などを開けっぱなしにしないように気をつけて下さい。ウィンドロック錠のような、窓を少し開けていてもそれ以上開かないようにする錠を取り付けておくのが安全です。
 最近では外国人窃盗団による被害も多発しており、今までの常識や防犯意識を改める必要に迫られています。楽観視せずにきちんと対策を立てましょう。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●本物vs偽者

 先日こんな面白い話を部下から聞きましたので、皆さんにお話ししましょう。
 大きな事件が解決して久しぶりに休みを取り、彼が自宅で眠っていた時のことです。奥様はたまたまご実家に用事があり帰省中、子供達は学校と、彼以外には誰もおらずゆっくりと一眠りしてさて外で食事でもと思っていた矢先、来訪者を知らせるチャイムが鳴りました。
 大きなあくびをしながら彼が出てみるとそこには、スーツ姿の男が1人立っていました。男は彼にとっては見慣れた手帳を取り出し、「A署のB刑事」と名乗りました。この近所で空き巣被害があり、聞き込みに回っている。何か情報があれば教えて欲しいというものでした。
 彼は自分も刑事であることと、いつもは家にいるはずの奥様がいないため何も知らないということを伝えて、早々にお引取り願おうと思ったようなのですが(早々に帰らせようというその考え方が、刑事として正しいのかはともかく)ふと妙なことに気づきました。
 発生から時間が経過した小さな事件なら、刑事が1人で聞き込みに回ることはありますが、目の前の男の口ぶりからすると事件発生からそう時間も経過していない様子なのに、パトカーの音一つしない。そして刑事にしてはあまりにも身奇麗にしており、スーツはまるで今おろしてきたかのような新品ぶり。刑事の見た目が汚いというのではありませんが、「普段スーツを着慣れていない」という雰囲気があったそうです。
 そこから疑惑の目で観察してみると、身のこなしや目つき、そして靴の減り具合など「目の前のこの男は刑事ではない」という結論に到達、彼はさてどうしたものかと考え、一つ妙案を思いつきました。
「あいにくその事件に関しては知らないな。昨日まで俺も別の事件にかかりきりだったんでね。ところできみはB君というのか、暑い中ご苦労さん。Cさんは元気にしてるかい?少し前まで俺もA署にいたんだよ」
 男は慌てたそぶりも見せずに「C刑事ですか、ええ、あちらの地区を回っています。相変わらずですよ。元A署の刑事の方ですか。失礼しました。では家族の方がそろっていらっしゃる夜にでもまた来ます」と答え、きびすを返そうとしたところを彼は押さえ込み、持っていた携帯で応援を要請し、男を緊急逮捕しました。
 彼が言った「Cさん」という人は実在してはおらず、それでかまをかけたわけです。
 男は警察の人間を名乗ってはドアを開けさせて押し入り、金品を強奪して逃げるという手口を何件か繰り返しており、そろそろ場所を変えてまた新しく犯行に及ぼうとしていたようで、手始めに彼の家を訪ねたそうです。これでもし奥様が在宅していて対応していたら、と思うと彼の幸運な偶然と冷静な対応には感心します。
 それにしても、狙った家が刑事の家だったというのは犯人にとっては本当にアンラッキーな事件でしたね。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●心の闇

 夏やからちょっと冷える話でもしよか、思うんやけど、今回俺がする話は人間の心の闇というかかなり嫌な気分になることは間違いなしやから、ちょっと心して読んでな。
 その依頼を受けたんは、俺が探偵始めてまもない頃のことやった。別に看板掲げてやり始めたわけでもない、自然の流れで探偵をやり始めたようなもんやけど、いくつか事件を解決してちょっと有頂天になってた部分がないとは言えん。まあいわゆる熱血正義感すぎたわけやな。もちろん正しいことをするのが悪いとは思うてへん。けど、まっすぐ突き進んだり強引に押しただけでは解決せんこともある、ということを俺はこの事件で学ぶことになったんや。
 依頼者は男。なんでも昔別れた彼女がストーキングしているようで困っているのだが、具体的な証拠がないんで警察にも助けてもらえず困っているということやった。女性に対して男性がストーキングしてる場合は警察も動きやすいんやけど、その逆は力の差とかもあってあまり熱心じゃないこともあるんやな。こういう対応の差があったらホンマはいかんのやけど。
 んで俺に証拠を集めて欲しい、それで証拠が集れば警察に行くなり弁護士に相談するなりできるからと、そういうことで俺は依頼を引き受けて仕事を開始した。まあさしたる苦労もせずに、尾行する女の姿とか、ゴミをあさっている姿とかいろいろ入手できたんやけどな。
 1週間ほどで十分な証拠は集ったし、ストーキングの中でもかなり酷いほうやと思ったから俺は依頼者に「警察に行く時は俺の名前出し。少しはまともに捜査してもらえるからな」と伝えておいたんや。
 それでその事件は終わるはずやった。が、俺もうかつやったんやけども、依頼者が俺のところに来てるのもストーキングしてるなら当然知ってるわけで。警察が踏み込んだ時には女の住まいはもぬけの殻やったらしい。しかもその住まいっちゅーのがな、壁一面に依頼者の写真が張られているのはまだかわいいもので、2人の仲睦まじい様子を毎日つづった日記だの、友人にあてて書いた惚気のメールだの、挙句の果てには2人で作ったという設定のサイトまで見つかったそうや。そこに掲載されていたんは合成された写真やらなんやらやったらしいけどな。
 流石に捜査官もゾッとして、女ストーカーへの認識を「ある意味男のストーカーより怖い」と改めたそうや。
 まあ素人が逃げ回ったところでプロに敵うわけもなし、というか懲りずにストーキングしてるところを捕まったわけやけども、供述を聞いていた刑事が「胃に穴が開きそうや、頭痛もする」ちゅーて薬なしには過ごせんかったらしい。
 曰く、「彼と別れてから不幸が続く。こうなったのは彼のせいだから責任とって結婚してもらう」「毎日姿を見ていれば彼だって思いなおすはずだし、彼だって未練があったのだからうまくいく」「既成事実(日記だの友人へのメールのことやな)を作ってしまえば大丈夫だ。それが出来なければ不幸の原因として死んで欲しい」「どうしても別れるというのなら私を苦しめた罰として1億円を慰謝料でもらう(もちろん別れた男に何の落ち度もあらへんのやで)」とかもう理解不能なことばかりやったらしい。
 …あのな、自分が不運やったからってそれは誰のせいでもないわけやし、責任取って死んで欲しいとは逆恨みもええとこやぞ。ホンマ、胃が痛くなるのももっともや。なんちゅーか、強欲っちゅーか思い込み激しいというか…。こんなスッキリせん解決は初めてやった。
 人間も落ちるところまで落ちると闇の部分をさらけ出すもんなんやな。哀れな人やとは思うけど。




[防犯ミニ知識]


●熱中症にならないために

  都内では今月21日現在で、実に473人の人が熱中症で病院に搬送されています。熱中症で死亡したケースもあり、酷暑の今年は特に慎重に対応する必要があります。
 暑さ対策にはこまめに水分をとること、と言われていますが、水分をとる正しいタイミングを知っていますか?喉が渇いたなぁと思った時はすでに、水分不足、脱水症状が始まりかけています。そこからあわてて水を飲んでも吸収までには時間がかかり、運動を継続していると非常に危険な状態になります。
 喉が渇いたなと思う前にこまめに水分補給するようにし、運動をするのであれば運動時前30分、運動中15分〜20分ごと、運動後、といった風に定期的な水分補給を行うのが理想的です。また、水だけではなく少量の塩も一緒に取ると体内で水分補給が早く行われるといわれています。(それに最適なのがスポーツドリンクです)
 また、1日に1.5〜2リットルの水分補給を行うと、脱水症状や熱中症を防ぐと同時に脳障害を起こす恐れがある血栓のつまりを予防できます。
 そして炎天下では必ず帽子をかぶり、あまり長い間直射日光にあたらないようにすることも大切です。半そでよりは長袖で通気性のよい服を着るようにしましょう。お昼休みや休憩時に運動をする時は軽いものにし、無理な運動をしてはいけません。
 熱中症で倒れた時は木陰で休ませ、スポーツドリンクなどを飲ませて下さい。脱水症状、発汗を伴っている時に真水を飲ませてしまうと、熱痙攣を起こす可能性がありますから注意して下さい。症状が回復しない時は速やかに病院へ連れて行く、救急車を呼ぶといったことが必要です。素人判断で簡単に「回復した」と考えるのは危険です。
 熱中症は、起こした後の対処よりも未然に防ぐことが重要です。部活動やスポーツをされる方は十分に注意してください。(協力・新出病院)




[ほんの一口〜読者の声]

 
●指輪が…
「事情があって、指にはめた指輪を抜こうとしたら抜けません。こういう時、どこに連絡して助けてもらったらいいんでしょうか?」

 広報課からお答えします。
「まずは落ち着いて、石鹸水などを指につけて抜けないか試して見て下さい。また、指を少しマッサージして血の流れを良くすると外れることもあります。
 それでもどうしても抜けない、という時は119番に電話をし、指輪が抜けなくなったことを伝えましょう。大抵の消防署には指輪切断機が用意されており、すぐに対処してくれます。
 都内では年間600回以上の出動があり、その約8割が女性からの要請によるものです。
 いざ抜けなくならないように日頃から気をつけておきましょう。また、サイズの違う指輪を無理にはめるようなことのないようにして下さいね」

 


[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●良い温泉の見抜き方!

 こんにちは!交通課の由美ですvvこないだ友達と温泉に行ってきました!もちろん入浴剤なんか入ってない、本当の温泉ですヨ!お肌が若返った気がします。
 さてさて少し前は入浴剤を入れていた温泉がニュースになっていましたけど、それならまだいい方。世の中には、湯量が少ないために循環式浴槽を採用、レジオネラ菌を殺すために大量の塩素で消毒していて、これで肌が溶けるなんて恐ろしいところもあったりするのです。(すべての循環式浴槽が危険だというのではありません)
 それでは安全かつ本物の温泉を見抜くにはどうしたらいいか、それを今回はお教えしちゃいましょう!
 まずは浴槽を確認。大量のお湯がドバドバ出ているようなところは循環式であり、自然に湧いているところではありません。湯量が豊富な温泉の場合は泉温が高く、それを冷まさなければとても入られないので少しずつしか注がれません。
 次に「温泉分析証書」の源泉が40度以下なら大抵わかし湯であり、この手のぬるい温泉は本物ではありません。
 浴槽内に湯が吸い込まれていく穴がある、浴槽からお湯が溢れないというのも天然の温泉ではありえません。循環させてるからです。
 そしてコレ。「飲用厳禁で、その理由をはっきり言わない」、これはお湯を使いまわしているから。温泉分析証書に「温泉飲用許可済証」があれば天然100パーセントの温泉です。ただし源泉で飲むと濃すぎて体に良くないこともありますから気をつけて。
 お湯の色にこだわるよりも、本物かどうかにこだわりたいところです。




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 奥様が占い好きというTさん。この間強引に連れられて占いに行かされたらしいのだが、のっけから「あなた、今の会社倒産しますよ。早めに転職しなさい」と言われて対応に困ったらしい。




[あとがき]

 台風で大荒れの都内です。今やってきている台風10号は、今までのものとは違う、予想だにしない動きをしています。どうぞ皆様お気をつけ下さい。
 さていよいよ8月、夏休みも中盤にさしかかる頃です。学生の皆さんは気を引き締めて、事件事故に気をつけてください。
 それではまた。

[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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