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警視庁メールマガジン第88号 |
==警視庁メールマガジン第88号==
発行日:04/11/05
目次 [〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●災害オレオレ詐欺を許すな ●11月より、運転中の携帯電話使用に罰則 [捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●警察を騙ろうとした男 [大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●写真 [防犯ミニ知識] ●住宅修理、悪質業者に注意 [ほんの一口〜読者の声] ●このシーンでのこの敬礼の意味は? ●警察手帳には何も書かないの? [トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●グラッときたらまずこれを! [内部密告コーナー] |
[〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●災害オレオレ詐欺を許すな 既にニュースで報道されている通り、新潟中越地震を悪用した、オレオレ詐欺が発生しています。10月31日現在、被害1件未遂3件の報告があがってきております。 手口としては自衛隊や警察を名乗り、「子供さんが震災被害に巻き込まれた。助けるためにヘリを出さなくてはならないが、すべて出払っていて民間のヘリを使う必要がある。**万円口座に振り込んでくれ」といったようなものです。 何度も報道されておりますとおり、震災被害において救助にかかった費用を請求するようなことはありません。また、自衛隊や政府などが電話でお金を口座に振り込むよう伝えることもありません。 災害につけこんだ悪質な詐欺に騙されることのないようにご注意ください。怪しいと思ったら本人に必ず確認をとりましょう。 また、義援金をつのる詐欺メールも出回っているようです。正規の窓口などはインターネット、各テレビ局番組上で公開されていますので、必ず確認してから振り込むようにしてください。 ●11月より、運転中の携帯電話使用に罰則 前回のメールマガジンでもお知らせしましたが、今月1日より、運転中の携帯電話使用については罰則対象となります。改正道交法が施行された1日は全国で3645人が摘発されました。また、2名の逮捕者が出ています。 電話が鳴ったり、メール文を打つほんの1秒の間にも車は進んでいます。車は運転手次第で走る凶器にもなるという自覚を持ち、運転に集中するようにして下さい。 |
[捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●警察を騙ろうとした男 あまり息のつまる話ばかりでもなんですから、今回は非常に珍しい事件の話をしましょう。 昔から警察官を名乗って逮捕された人間の話は山ほどあるのですが、確かに警察手帳というものを普段見る機会はありませんから、偽物の警察手帳でもコロリと騙されてしまう人は多く、そのため逮捕されて初めて自分が会ったのが偽者警察官だったと気づくケースも珍しくありませんでした。 反対に、我々刑事が聞き込みに行っても「ドラマの警察手帳と違う、偽者だろう」と言われてしまうこともありますから、メディアの影響力というものは困ったものです。 さてこの珍しい事件を引き起こした男、そうですね、名前をヤマダ(仮名)とでもしておきましょうか。ヤマダは警察手帳を使ってタクシーをただ乗りし、レストランで張り込みを装って無銭飲食をしようとした、と後に供述しています。まあ警察官を騙ろうとする人間は大抵こういった金銭や私利私欲のための詐欺か、警察好きが高じてかのどちらかなのですが、悪質なのはもちろん前者です。 ヤマダは怪しまれないように方々から資料を取り寄せて警察手帳を作り、スーツをそろえて(こういった準備の方に手間もお金もかかるとこの段階で気づいてもらいたいものですが)計画を立て、その機会を狙っていました。 おりしも都内ではとある大きな事件が発生し、私が指揮する捜査本部が立ちました。事件の詳細を話せば誰もが思い当たるものです。 チャンスとばかりにヤマダは警察手帳を手にタクシーを呼びとめ、聞き込みと称してあちらこちらの店を回り、捜査に必要と言っては警視庁の名で買い物をし、そして目的であったある高級レストランに向かいました。 計画していたことがあっさりと成功したこともあり、ヤマダは上機嫌で警察手帳を見せながら「張り込みをするにあたって、何も料理がないと不自然だ。時間がかかると思うので、フルコースを頼みたい。料金は警視庁に請求してくれ」と言いテーブルにつきました。 ところがここに至って男は料理を一口も口にすることなくその場で逮捕されました。 レストランが通報したんだろう、と思われるかも知れませんが、意外なことにレストランはまったく気づいていませんでした。ではどこで発覚したと思いますか? 実は、男がたまたま呼び止めたタクシーの運転手が警察官の変装だったのです。「警察官がタクシー運転手になるなんてそれこそドラマの世界だろう」と思われるかもしれませんが、実際の張り込みはそれこそドラマ顔負けの変装となります。 ただタクシー運転手になったからといって本当にお客を乗せてあちらこちら行っていては仕事になりませんから、この警察官も「貸切になっている」と言って断るつもりでした。しかしヤマダが警察手帳を見せたことと、実際には警察手帳を見せて「料金は警視庁に請求してくれ」という刑事などいませんからおかしいと思い、様子を見ていたのだそうです。 つまり最初からヤマダは、警察の監視下で犯行に及んでいたようなものです。 いくら本物らしく装っても、偽者はやはりかなわないということですね。 警察手帳を見せたからといって、生じた支払いを免れるわけではありませんので、念のため。 |
[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●写真 カメラ付き携帯電話が登場してから、あちらこちらで友達同士とか、気軽に撮影しとる風景をよう見かける。その反面、盗撮とかで逮捕されたっちゅーニュースも日常茶飯事やな。 これを読んどる人の中には、まさかそんな無神経な人はおらんと思うけど、俺らが事件現場に駆けつけた時なんかでも、ニヤニヤしながら現場を撮影しとる野次馬が結構おるんや。 中には警察に通報するより先にパシャパシャとやっといてから連絡する奴もおるらしい。ひどいのになるともう撮影に夢中で、警察官らが現場保存のために整理を始めると食って掛かるような勘違い人間もおるんや。 そら事件とかあったら珍しいから見たくなる気持ちも分かる。カメラ付き携帯っちゅー便利なもんがあったら現場の雰囲気伝えるために友達にも送ったりするやろ。 けどな、撮られる方の気持ちにもなって欲しい。事件に巻き込まれて警察の事情聴取受けてる時に遠慮なくフラッシュたかれて撮影されるんは、犯罪被害で言われとる、二次被害そのものなんやで?それに被害者のプライバシーにも関わってくる。 自分は珍しいものがとれてそれで満足かも知らんけど、無遠慮に撮影されて踏みにじられた被害者の尊厳はどないなるんや? ものごっつ当たり前なことやけども、自分がされた時のことを考えるべきやで。「嫌ならそう言えばいい」と言うたところで、そんな気力があると思うか? マスコミかてもう少し考えて欲しいと思うことは沢山あるしな。 報道の自由、表現の自由という前に、人間としての道徳心まで捨てたらあかんやろ。 ひき逃げ犯を激写した、とか言うならともかく、興味本位の撮影は自分の品位を疑われるだけや。パシャパシャやっとる暇があったら、自分が事件当事者にならんよう、十分用心することやな。 |
[防犯ミニ知識] ●住宅修理、悪質業者に注意 10月23日夕方に発生した新潟中越地震においては、少しずつ復興が進みつつあります。警視庁からも震災直後、都の要請を受けて職員が派遣されました。 さてこの震災につけこんだオレオレ詐欺や義援金をつのるメールなど、悪質な犯罪が増えつつありますが、95年の阪神大震災においては、「早く家を建ててあげる」「優先的にやってあげる」などといってお金だけ受け取って逃げたり、欠陥住宅であったりした住宅修理詐欺などが多数発生しました。 特に今回の地方は豪雪地域ということもあり、「雪が降る前に急いだほうがいい」といって契約を急がせるケースも考えられます。また、「市から委託されてきた」などというケースもあるようです。 契約にあたっては、内容や業者をよく確認し、都合のいいことを並べたり、契約を急がせるような場合には警察に確認するなど、騙されないように注意しましょう。 |
[ほんの一口〜読者の声] ●このシーンでのこの敬礼の意味は? 「ずっと分からなくて悩んでいることがあるのですが…。踊る大捜査線という映画で、青島刑事が刺されてそれをパトカーで運んでいくクライマックスのシーン。通った後警察官が皆敬礼をしていますが、あれは何か意味があるのですか?」 広報課からお答えします。 「恐らく、運ばれていく青島刑事に敬意を表して、という演出でしょうね。実際のところこんなことはしませんし、運ばれる警察官に対して敬礼をするのは警察葬といって、亡くなった場合のみです。今回は亡くなったわけではないので、そういった話を聞かれた関係者の方が演出として取り入れたのだと思います」 ●警察手帳には何も書かないの? 「この間聞き込みにきた刑事さんが、こちらのしゃべったことをメモするのに警察手帳ではなく、なんかノートみたいなものに書き込んでいました。ドラマとかでは警察手帳に書き込んでいたと思ったのですが、実際は違うのでしょうか?」 捜査一課からお答えします。 「夢を壊すようで申し訳ありませんが、警察手帳に何かメモをするようなことはあまりありません。仕様が変わった現在の警察手帳は完全に身分証明証としての機能のみになりましたしね。指名手配犯の写真をはさんだり必要なものを入れるというくらいです。 実際にはノートやシステム手帳など、それぞれがメモするものを持ち歩いています。第一警察手帳のサイズに書き込むとしたら、ちょっと小さくて使いにくいですね」 |
[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●グラッときたらまずこれを! こんにちは!交通課の由美ですvv今月から運転中の携帯電話使用が禁止となりました。本当に皆さんちゃんと守って下さいね。「自分だけは大丈夫」という油断が事故の元です。 さて今回は最近多発している地震の対処法おさらいもかねた裏ワザです。 まだまだ、「グラッと揺れたら火の始末」という風に揺れたらとにかく火の始末を、と考える方が多いみたいです。しかし何度も言われているように、揺れている最中火の元には近寄るべきではありません。特に新潟中越地震のような、規模の大きい地震の場合は、下手に料理中の火を消そうと鍋をかけているコンロに近づいたり、ストーブに手を伸ばしたりすると、鍋やストーブそのものが飛んできてケガをしかねません。 また最近では調理器具、暖房器具の防災用システムが進歩し、大きな揺れに対しては自動消火装置などが働くようになっています。 そのため、グラリときたらまずは自分の身の安全というのが言われるようになってきました。 グラッと揺れたらまず安全確保。これを忘れないようにしましょう。ただし、念のためご自宅の調理器具や暖房器具にこれらの設備が備わっているか確認しておくのを忘れずに。 災害などに対し誰でも出来るボランティアとは、自分が要救助者になる可能性を少しでも減らすことです。日頃からの備えだけでなく、こうした正しい知識を身につけることも忘れずに。 |
[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。 防犯訓練中、強盗の入った銀行に駆けつけてきて犯人像の聞き込みをする、という設定で颯爽とやってきたKさんは、多くの観衆がいる中銀行入り口で派手に転んだ。 見物人から「落ち着け」という声が上がった。 |
[あとがき] 前回のメールマガジンで台風の被害について触れ、一日も早い復興を願ったのもつかの間、今度は新潟を中心とした地方で大地震が街を襲いました。幸いにも阪神大震災の教訓が生かされ、火を使っているご家庭の多い時間帯であったにも関わらず、火災発生が殆どにおいて発生しなかったのはすばらしいことであるといえます。 未だ余震も絶えず、現地の皆さんにおいては眠れない日々が続くかと思いますが、本当に1日も早く平穏な日々が戻ってくることを願っております。 それではまた。 [警視庁メールマガジン] 総編集長: 警視庁 警視総監 白馬 編集長: 警視庁 総務部 牛黒 発行: 警視庁 転載を希望する場合はご連絡下さい。 |
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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。