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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第94号

==警視庁メールマガジン第94号==
                                   発行日:05/01/28



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●偽札を発見した場合は

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●その一言が

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●足の速いターゲット

[防犯ミニ知識]
●キャッシュカードが不正に使用されたら

[ほんの一口〜読者の声]
●防犯・防災グッズについて

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●夜道のフトドキモノを一発撃退!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]

●偽札を発見した場合は
 
 元旦からこちら、全国各地で1万円の偽札が発見され使用もしくは製造した人間が逮捕されています。
 偽札は一目ですぐ偽物と分かるものから、機械まで騙す巧妙なものまでがありますが、当然偽札を作ることも使用することも重大な犯罪です。
 もしも偽札を作った場合、使用した場合及び偽造目的で準備をした場合などは「刑法第16章 通貨偽造の罪(第148条(通貨偽造及び行使等)、第149条(外国通貨偽造及び行使等)、第150条(偽造通貨等収得)、第151条(未遂罪)、第152条(収得後知情行使)、第153条(通貨偽造等準備))」で罰せられます。これには国内で流通している外国の貨紙幣も含まれます。ちなみに、軽い気持ちでコピー機でコピーするような行為も罰せられますので絶対にしないで下さい。
 また、「知らずに偽札を使ってしまった場合はどうなるのか」という問い合わせも多く寄せられました。この場合は罰せられることはありませんが、事情聴取、パソコンのデータ類の提出もしくは確認をさせていただくことはあります。
 手元にある紙幣が偽物ではないかと思った時は、最寄の警察へご相談ください。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●その一言が

 昔、ある事件が発生しました。マスコミでは連日取り上げられ、各局様々な角度から事件の検証を分かりやすくしていました。ああいった事件では、犯罪学や専門家は引っ張りだこのようで、昨日はあちら、今日はこの局といったように目の回るような忙しさだといいます。
 その局ではそこそこ名の知られたジャーナリストである方が事件について解説をしていましたが、私はおやと眉をひそめました。その人は平然と「まあ被害者にも非があるでしょう。こんなことしてたら被害に遭うのは当たり前だよ」と言ったのです。
 事件内容について詳しく言及するのは避けますが、少なくとも被害者にとっては突然降ってわいた事件であり、そこに狙われた原因はありませんでした。またこのケースだけでなく確かに加害者と被害者の間に何か確執があったとしても、犯罪被害にあって当然という理由にはなりません。
 公共の電波を使ってしかも専門家が平然とこのようなことを言い、周囲もとがめだてするでもなくうなずいているこの現状に呆れてしまいました。この報道を見て被害者の家族は一体どう思ったでしょうか。
 確かに、例えば強盗事件であるならばセキュリティの甘いところは狙われやすい、防犯意識のないところは狙われやすいといいます。だからといって強盗被害に遭っても「被害者も悪い」と断定していいことではありません。そんなことが通るのであれば、極論を言えば「犯罪が発生するのは被害者に隙があるからだ」ということになってしまいます。犯罪はどんなものであろうともそれを行った人間が悪いのです。
 性犯罪の被害者に対しても視聴者の興味を引くためか、関係ない被害者の過去を聞き歩いてみたり、「実はこんなことをしていた」とプライバシーをすべて報道してしまう強引な番組がいくつかあります。
 それが犯罪報道の上で本当に必要なのか、大切なのはこういった事件が起きないように注意を喚起するのが報道する側の役割なのではないかと、過剰な報道の度に疑問に思っています。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●足の速いターゲット
 
 俺、メカに頼る捜査はあんまり好きやないねんけど、どうしても発信機が必要な場合とかあるんやな。そんで、とある事件でも対象者の位置特定みたいな感じで発信機が必要になってな、知り合い通じて小さくて簡単に取り付けられる発信機を作ってもろたんや。阿笠博士て知っとるやろ、けったい…いや、まああれこれ発明しとるおっちゃん。
 その発信機を対象者に取り付けるというてもなかなか簡単にはいかんし、なら毎日乗っとる自転車につけようかということになって、それはそれで成功したんや。
 で、受信機の方を持って動きを見張ることになった。行き先をチェックするだけで様子は別にチェックせんでもええから張り込みと違ごて楽やったな。
 そんで順調にいって、もうそろそろその見張りも終わろうかという日。今思えば俺も完全に油断しとった部分もある。
 スーパーに立ち寄ってたはずの対象者がえらい勢いで移動し始めたんや。モニターを見てそれに気づいた俺は正直焦った。いきなり行動に移ったかいと思い、バイクで慌てて後を追った。
 それが敵もさるもの、かなり早くて追いつけへんねや。相手チャリやぞ。なんでやとか思って追いかけるけど、モニターの点はどんどん移動していく。途中で休んだりすることはあるけども、移動速度はかなりのもんや。
 そのうち山の中に入ってしもた。ここにおいても半径1km以内にいるはずなのに、まったく姿が見えんのやな。これはいよいよ事件の核心にせまるか…とバイクを止めてそこらを調べようとしてモニターを見たら、そこにある点が俺とすれ違っていきよった。もちろん現実には発信機のあるチャリなんぞ見てもない。
 これはいよいよおかしいぞ、と思って周囲をチェックすること約10分。
 目の前の雑木林で発信機を取り合って遊んどるカラス数匹を発見。
 要するにカラスが、光っとる発信機を珍しがってつついたら簡単に外れたから、それで持ち去っていったというわけやな。カラス光モン好きやしな。
 結局この対象者は何も不審な点はなくて捜査対象から外れたけど、カラス相手にここまでええようにやられたのは初めてやったわ。




[防犯ミニ知識]


●キャッシュカードが不正に使用されたら

 キャッシュカードなどが盗難に遭い、暗証番号を誕生日以外のものなどに設定していたにも関わらず、預貯金全額が下ろされてしまった。カードなどを盗まれた記憶がないのに、いつの間にか預貯金を下ろされていた。
 こんな被害が急増しています。これらは「スキミング被害」と呼ばれるもので、偽造したカードにスキミング(口座番号などの磁気データを読み取る手口)したデータを写して不正にお金を引き出すものです。
 クレジットカードなどが盗難にあった場合はカード会社に連絡をし、使用停止の手続きをとることで利用者には直接被害が及ばないことが多いのですが、キャッシュカードの場合は正しい暗証番号が打ち込まれたことで本人確認がなされたと判断、預貯金は引き出されてしまうのです。
 この手口はゴルフの貴重品ロッカーにおいての暗証番号を、大抵口座の番号をそのまま打ち込んでいることに目をつけた窃盗グループがゴルフ場内部の人間と結託してカメラを取り付け暗証番号を確認し、ロッカーを開けてカードをスキミングし口座から現金を引き出していたことから発覚しました。
 これについて現時点では金融機関の補償はされていませんが、一部の銀行では引き出し上限額を設けたり、キャッシュカード盗難保険制度を新たに設立したりしています。
 預貯金の残高はこまめに確認し、身に覚えのない出金があった場合はすぐに問い合わせるなど、自己防衛を徹底的にしましょう。
 またセキュリティがきちんとしていないと思われる場所でのカード利用を避けることも大切です。最近では、預貯金を下ろしている人の後ろから覗き込んで暗証番号を確認し、強盗を装ってカードを盗んだ後口座から現金を引き出すといった、古典的な手口も発生しています。
 便利さに目を取られて底に潜む危険性を見逃すことのないようにしましょう。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●防犯・防災グッズについて
「様々な自然災害や物騒な事件が起きている今の状況を鑑みて、防犯、防災グッズを購入したい。しかし何を購入したらいいか見当もつかず、どれが有効かも分からない。どうしたら良いか」

 生活安全課からお答えします。
「昨年は台風から地震まで様々な災害に見舞われましたね。それに備えるのはとてもよいことですが、コーナーに行くとたくさんのグッズが並び、何を購入して良いものかためらわれると思います。実際に役に立つかどうかはその場面になってみないとわからないものです。
 防災グッズなどの購入については、実際に被災された現場で何を必要としていたかが様々なサイトで紹介されていますから参考にされると良いでしょう。また、避難用袋などは必要な物が入って売られていますから便利であると言えます。
 防犯グッズの購入は実際に手にとり不明な点があればしっかりと聞いて、自分に扱えるかどうかを確認の上購入なさってください。ただしスタンガンや警棒などは使用すると場合によっては危険な場合もありますのであまりお勧めできません」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●夜道のフトドキモノを一発撃退!

 こんにちは!交通課の由美ですvvこないだ新年があけたというのにもう1月も終わり。早いものですね。
 さて今回の裏ワザは、夜道で不審者に遭遇した時のための、慌てない方法。どうしても帰りが遅くなって暗いところを歩かないといけないという方、お試しあれ。
 まず大切なのは、ボーっと歩くのではなく、周囲の気配に気を配ること。不審な気配がずっとついてくる、どうも嫌な感じがすると思ったらそこでコンビニへ入ったり、パッと方向転換して歩いてきた方へ向きを変えちゃうというのも有効。もしも本当にあなたを狙っていたとしたらビックリすることでしょう。逆に、前方にどうも不審な人間がいる、という時も出来れば無理に追い越さず回り道をしましょう。
 頻繁に後ろを振り返るのもまたいいと思います。
 被害に遭う前の警戒を大切にしてくださいね!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 派手にくしゃみをしていたA課長が近くの人間に「おい、ちり紙持ってるか」と聞いた。声をかけられたB君は「ティッシュならありますけど」と渡していた。うーん。




[あとがき]

 来週は全国的にかなり冷え込むようです。冬とはいえ、寒いのは本当に大変ですね。また、寒さだけでなく道路状態も危険になりますので、どうぞ気をつけて、交通事故を起こさないようにしていただきたいものです。
 それではまた。

[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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