多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ警視庁メールマガジン目次→警視庁メールマガジン


※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
メールマガジンに戻る][ご意見募集][トップページ

警視庁メールマガジン第105号

==警視庁メールマガジン第105号==
                                   発行日:05/07/01



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●サイバー犯罪捜査に関する民間企業との協力について

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●不思議な電話

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●顔の見えない相談相手

[防犯ミニ知識]
●ファーミング詐欺現る!

[ほんの一口〜読者の声]
●飲酒運転の同乗者

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●川で遊んでいたら転落した!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]

●サイバー犯罪捜査に関する民間企業との協力について
 
 警察庁ではサイバー攻撃やコンピューターウイルスに対する防護・犯罪捜査への活用を目的にソフトウエア最大手の米マイクロソフト(MS)の技術情報を警察庁に提供する協定を結びました。
 犯罪取締りのための情報技術の解析を行う上で、民間企業が有する非公開の情報及び、攻撃の対象とされるシステムやブラウザ等の、開発企業が保有する技術情報を知ることが不可欠であるためです。
 MSとの契約内容については以下の通りです。
 (1) 自社ソフトウェアに発見されたプログラムの欠陥・脆弱性に関する公開前の情報の警察庁への提供
 (2) サイバー犯罪捜査に必要な技術を警察庁に提供する際の連絡窓口の設置
 (3) 警察庁と同社の間で情報共有を行うための定期的な会合の開催
 (4) 両者間で提供・共有される情報の秘密指定及び保秘の徹底

 その他の民間企業についても協力関係を強化してまいります。ご協力とご理解をお願いいたします。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●不思議な電話

 7月になりました。いよいよ夏本番です。
 さて今回は避暑の意味も込めて、本当にあったある不思議な話をさせていただこうかと思います。
 事件は、あるご家庭に一本の電話がかかってきたことから始まりました。奥さんが応対されたのですが、相手はある県の警察署を名乗り、旦那さんが交通事故に遭ったことを知らせてきたのです。
 勤務中である旦那さんがそんなところで何故、というような場所であったために奥さんは当初「オレオレ詐欺(現在は振り込め詐欺と呼称)ではないか」といぶかしんでいましたが、確認していくうちに、体の特徴や服などから旦那さんであると確信したそうです。決定打となったのは、奥さんがプレゼントし財布に入れて持ち歩いている交通安全のお守りでした。彼女手作りのものであり、その特徴は実際に見た人でなければ分からないからです。
 「病院など確認してからまた折り返し連絡します」という警察の言葉に電話を切ったものの、奥さんは気が気ではなかったそうです。旦那さんの携帯にもかけてみましたが、呼び出し音が鳴るばかりでつながらず、迷った挙句に奥さんは実家の親御さんと相談し、最寄の警察に問い合わせることにしました。
 対応した職員が相手の警察署へ確認をとろうとしたところなんと、そんな名前の担当者はいないどころか、該当する警察署すら存在していないことが判明したのです。さては悪質ないたずらかと、警察は被害届けを出すかどうか尋ねましたが、奥さんはすっかり疲れ果ててそのまま家に戻りました。
 また、その頃にはようやく旦那さんとも連絡がつき、尋常でない奥さんの様子に彼はあわてて帰宅したとのこと。奥さんにとってはとんだ1日となってしまいました。
 それで終わればよかったのですが、突然の訃報はその数年後にやってきました。
 警察からの、旦那さんの事故を知らせる電話に彼女は突然数年前の出来事を思い出したそうです。一言一句間違えることなく同じ内容を話す警察に、彼女は胸騒ぎを覚えました。
 残念なことに今度はいたずらではなく、本当の事故だったそうです。そして連絡してきた警察署は1年前新しくできたところであり、担当の警察官は、その年配属されたばかりの人間でした。つまり、数年前には存在していなかったのにも関わらず、聞いた警察署も警察官の名前も、いたずらの時と同じものだったそうです。
 では数年前かかってきた電話は一体なんだったのか。
 この謎はまだ解明されていません。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●顔の見えない相談相手
 
 インターネットが普及してからこっち、俺とこも「サイトもってないんですか」とか「メールアドレス持ってませんか」みたいなことをよく聞かれる。うーん、サイトなんぞは作るのも運営も面倒やし、メールアドレスは持っとるけど友達専用やから教えたくないし。
 相談をしてくる人の中には、顔をあわせず、こちらの情報を知られることなく相談したい、っちゅー人も結構多いみたいなんやな。
 まあ気持ちはわかるで。俺も西の服部、高校生探偵としてかなり有名やから(自分で言うのもなんやけど)、きちんとしているから安心ってのはあるやろけども、内容によっては他人に恥を話さなあかん、思うんやろ。それが嫌やからメールとかで済ませたい、と。
 それで、サイト開いて相談もメールで、依頼するとなったら事務所に出向いて話をする、っちゅーのが大流行らしいわ。内容によっては出向くことすらなく完全にメールでのやりとり、お金も振り込みで済ませる、っちゅーことも。
 依頼人が納得してるならそれでええけどもな、中にはええかげんな情報伝えて金だけ取るところもあるらしいで?それで騙されたと警察に届け出ようにも、相手には会ったことがないから連絡先もわからん、サイトに掲載されている電話番号を調べてもプリペイド携帯やった、ということも。
 確かに顔つき合わせて話して依頼したかて、ええ加減なとこもあるけど、やっぱり相手が誰かわからん状態で簡単に個人情報預けてしまうのはどうかと思う。下手するとそれで逆に脅されることもあるんやで?こっちは相手のことまったくわからんけど、相手は依頼人の情報握っとるわけやしな。
 面倒だからかメールがあるから使うんか知らんけど、探偵に依頼するんやったらその人となりくらい、自分で確かめときや。




[防犯ミニ知識]


●ファーミング詐欺現る!

 フィッシング詐欺と言えば大抵の方なら「ああ、偽のサイトに誘導してIDやパスワード、クレジットカード番号を入れさせる詐欺でしょ」とお分かりいただけるかと思います。
 そのフィッシング詐欺に変わり新たな手口、「ファーミング詐欺」が登場しました。
 この手口と詳細を説明します。
 ファーミング詐欺というのは簡単に言えば、メールの中のURLをクリックさせるといったことなしに、例えばブックマークしておいたサイトから偽のサイトに誘導する、スパイウェアによってパソコンの中の情報を書き換えるという手口で、閲覧者を騙すものです。
 インターネットをする際にアドレスを入れるとそのサイトに飛ぶのは、DNSサーバーというものが大きく関わってきます。これはいわゆる交番の警察官のようなものです。
 仕組みとしては、ブラウザにアドレスが入力された時、ブラウザはDNSサーバーに「このアドレスのサーバーはどこですか?」と尋ねます。
 DNSサーバーは蓄積された情報からサーバーを調べだし、案内します。
 このおかげでブラウザは迷子になることなく、正しいサイトにたどり着けるわけです。
 このファーミング詐欺とはDNSサーバーの情報を書き換える、つまり警察官にとって欠かせない道案内用の地図を取り替えてしまうことで、偽のサイトに誘導するわけです。
 また、もうひとつの方法としてのスパイウェア・ウィルス感染での誘導は、パソコン内のhostsファイルを書き換えることによって行われます。このhostsファイルというのはパソコン内にあるDNSサーバーのようなものだと思ってください。hostsファイルが優先されるため、DNSサーバーが正常でもこちらが書き換えられてしまうとアウトです。
 DNSサーバーについては個人個人ではどうにもなりませんが、スパイウェア・ウィルス感染に対しては、専用のソフトでしっかり対策する、アップデートをこまめにするといったことで防ぐことが可能です。
 
 偽のサイトに誘導されているかどうかの見分け方としては、IDやパスワード、クレジットカード番号の入力が求められているページのアドレスがhttps://になっているかどうか、錠前マークが枠に収まっているか(SSLが正しく機能していれば、画面右下「インターネット」という文字の左側に錠前マークがあります)を確認することです。偽のサイトでは錠前マークが画面から飛び出していたり、SSLを使用している画面に入る前に「セキュリティの警告」ダイアログが出ることがあります。こういう場合は直ちに利用を中止して下さい。
 尚、ブラウザ画面(IEの場合)下に灰色のバーがないという場合は画面上の「表示」から「ステータスバー」を選択して下さい。これで錠前マークなどの確認ができます。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●飲酒運転の同乗者
「この間友人と飲みに行って、ビールを軽く飲んで次の店へ行くため友人運転の車に乗っていたら、警察の検問で止められ、飲酒運転として友人が切符を切られました。その時の警察官に状況を説明したら「君も処罰対象になるよ」と言われ、取調べを受けました。乗っていただけなのに処罰されるんですか?」

 交通課からお答えします。
「道路交通法の規定により、「下命容認容疑」で処罰対象となりえます。運転手が飲酒をしていると分かっているのに運転をやめさせなかった、運転を命じたという場合に対象となります。
 今回のケースは明らかに、飲酒行為の上で運転させているわけですからあなたも処罰は免れません。
 飲んだら乗るな、運転手には酒を勧めない、これを徹底して下さい」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●川で遊んでいたら転落した!

 こんにちは!交通課の由美ですvv毎日毎日暑いですね。パトロールの最中、熱射病にならないように水分補給を心がけています。皆も気をつけよう!
 さて今回は、この時期急増する水難事故から生還するための裏ワザです。
 川岸で遊んでいたり、ハイキングの途中誤って川に転落してしまい、おぼれるケースが多発していますが、これは見た目より川の流れが速いことにビックリしてもがいて体力を消耗するのが主な原因です。
 もしも川に転落してしまったらまずは呼吸できるように浮くことを心がけて。よほどのことがない限り沈んで浮かび上がれないということはありません。また、流れに対しては足から先に流されるようにしてください。頭が先だと、岩や流木に激突してケガをしたり、意識を失っておぼれてしまったりします。
 この状態で流れがゆるやかな場所に出るまで待ち、そこから改めて岸に泳ぐようにしましょう。また、救助する側もあわてて確認しないで飛び込まないようにして下さい。二次遭難になってしまいます。何かさしのべられる棒がないか探したりすることも大切。
 そして、こういった転落を防ぐ最大のポイントは、川べりで不注意な行動をしないこと。子供達だけで遊ばせない、岩に足をかけて身を乗り出したりしないこと。
 こういった河川での水難事故の殆どが、不注意からおきています。足場を確認するのはとても重要なことなんですヨ!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 「ちょっとコーヒー買ってくる」といって出て行った同僚Tが10分後、トイレットペーパーを抱えて戻ってきた。彼に何があったのか、課内で捜査中である。


 


[あとがき]

 日本列島が、あるところは豪雨洪水、あるところは猛暑渇水と双極をなしています。一体この異常気象はどうなっているのでしょうね。このところ毎年、夏はこんな状況が続いているように思います。
 さて今年も折り返し地点となりました。半年というのは長いように見えてあっという間です。後半も防犯防災に気をつけて過ごしたいものです。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
転載を希望する場合はご連絡下さい。


バックナンバー ご意見募集 トップページ

※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。