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警視庁メールマガジン第131号 |
==警視庁メールマガジン第131号==
発行日:06/06/30
目次 [〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●行楽シーズン、ここに気をつけて [捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●育て方を知らない親たち [大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●うっかり [防犯ミニ知識] ●デジタル詐欺にご注意を [ほんの一口〜読者の声] ●自転車との事故 [トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●良い通販商品を選ぶゾ! [内部密告コーナー] |
[〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●行楽シーズン、ここに気をつけて 夏がやってきます。今年はどこへ旅行に行こうかと、今のうちからパンフレットを眺めている方も多いでしょう。一家で車に乗ってワイワイガヤガヤの道のりは楽しいものです。 その一方で、チャイルドシートの着用率が低下しているというデータがあります。2000年4月に義務化されてから6年、その着用率は49.4%と、5割に満たない結果となっています。1歳未満は72.4%、1〜4歳は51.0%、5歳が28.3%と、年齢が上がるにつれて着用率は低下しています。(6歳未満までは着用が義務付けられています) 「子供が嫌がるから」というのが着用していない主な理由として挙げられていますが、嫌がった子供を抱きかかえて乗車していたところ事故を起こし、結果的に子供が車外へ飛び出して死亡したというケースは全国で多発しています。事故の衝撃は想像より非常に大きく、大人が支えきれるものではありません。時速10kmのでの衝突においても、腕に抱いていることは不可能です。 また、シートベルトは身長140cm以上の人を対象に作られていますので、5歳児がシートベルトを着用するのは不向きです。ベルトの位置が大人と違い腹部に来るため、衝撃を腹部と首で受け止めることになり、結果大きな損傷を負う可能性があります。ほか、サブマリン現象と呼ばれる、ベルトの下をすっぽりすり抜けて大怪我をすることも考えられます。 子供が嫌がっても命を守るためのチャイルドシートです。可哀想だからと抱いて乗車するのは親の身勝手です。 |
[捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●育て方を知らない親たち 奈良で発生した、家族3人放火殺人事件において、逮捕された長男の動機が少しずつ解明されてきています。 長男の罪についてはさておき、彼の立場には同情を禁じえません。 警察官としてあまり立ち入ったことはいえませんが、子供も同じ医者になって欲しかったのだとしても厳しさで縛り上げ、逃げ道さえ奪うやり方は得策ではないでしょう。大人ならまだそこから逃げ出すことも出来ます。しかし子供はまだ一人では生きていけないのですから、どこかに息抜きできる場所が必要なのではないでしょうか。 この例だけではなく、最近は飴と鞭の使い分けが出来ていない親が増えてきたように感じます。どちらかというと飴だけ与え続けている親が多いように思いますね。 私の部下である刑事が、ある休暇の日、子供の運動会へ出かけた時のことです。まあ最前列で子供の勇姿を撮影しようとする親は想像していたようですが、自分の子供がビリになると「どうしてうちの子ばかり最下位なんだ」と文句を言ったり、競技中でも子供を呼びつけて菓子を与えたりなど、親の「傍若無人」さにビックリしたとのことでした。 また、「勝ち負けがあるのはおかしい」というとんでもない抗議によって、順位をつけずに皆で仲良くゴールといった競技形式になったところもあるようですね。 これは教育ではなく、単に大人のエゴでしかありません。要するに(世間から見て)かわいい子供を持つ自分というものを作り上げたいだけです。 「子供は親の言う通りにはしない。親のする通りにする」という言葉があります。小さな子供にままごとをさせると、驚くほど親の特徴を掴んだ真似をしてみせるように、子供達の観察力はずば抜けています。親の甘やかしをちゃんと子供達は知っています。そこから、「何をしても許される」と学ぶのです。 電車で子供が大騒ぎしているのを他の人に注意され、親がムッとして言い返すという光景を一度くらい見かけたことはあるでしょう。大抵は「子供だから騒ぐのも仕方がない」というような理由ですが、公共の場で騒がないというのを教えるのは親の役目です。それを、子供を庇うような発言をすれば、子供は間違った考えを学んでしまいます。 さてではどうすれば子供をまっすぐ育てられるのか。簡単に分かれば苦労はしないといったところでしょうが、実はとてもシンプルです。 悪いことをすれば叱り、良いことをすれば褒めてやる、たったそれだけのことです。たったそれだけのことですが、出来ていないから大変なのです。 皆さんの親御さんが皆さんをまっすぐ育ててくれたように、その気持ちを次の世代へ伝えて行きたいものです。 |
[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●うっかり 事実は小説より奇なり、っちゅー言葉があるけど、そういうことはホンマにあるんやなぁ。 ある依頼人の相談を受けていた時のこと。何度か話を聞いたり、途中経過を知らせたりして、その家には何度か通っとったんや。 その日はどんよりとした天気やった。たまたまそこを通りかかった時、家の前にパトカーが数台止まっとった。何かあったんかいなと思って話を聞けば、依頼人が出かけとる間に空き巣が入って、かなりの金品をやられたっちゅーんやな。そこの家には家政婦とかおったんやけど物音には気がつかんかったんやと。 ところがわからんのはその侵入経路。ドアはもちろん施錠してあって、誰か訪問者があれば家政婦が確認してから開ける、というシステムやった。窓、その他の出入り口も全部施錠されとる。無理にこじ開けられた形跡もない。俺も散々調べたんやけどな、ホンマにわからんのや。あのキザ臭い泥棒キッドなら形跡がないのはわからんでもないけど、散らかしたものを戻しておかんあたり、手口的には素人臭かったんや。 結局、侵入経路は不明なまま犯人を捜査するっちゅーことになって、俺も別件で関わっていたことやし協力することになった。ところがホンマは極秘ということにしとこう、っちゅー話やったのに依頼人が結構口の軽い人でな、「ここだけの話だけど」と人にしゃべって歩いた結果マスコミがかぎつけてもた。新聞にも「謎の侵入経路。犯人は二代目KIDか」みたいな感じでのってもーたんや。 1ヶ月経たんくらいやったかな、あっけなく事件は終結を迎えた。この界隈でウロウロしとった不審人物に警察が職質かけたところ、どうも挙動不審やし持ち物もなんか怪しいっちゅーんで任意同行や。それで話を聞いたら、泥棒に入ったこと白状したんやな。警察官らは「一体どんな手口で!?」と色めきたった。 が、犯人はあっさり「開いていた窓から入った」と供述。ということは家政婦が共犯か、と疑われたが事実は違った。 あの日泥棒が侵入して金品を奪って逃げた後、依頼人の部屋を掃除しようと家政婦がやってきた。それで窓が開いていたので「閉め忘れたのだろう」と思い、閉め、掃除に取り掛かった。少しやったところでやっと、部屋の惨状に気がついて通報というわけや。 警察はまさかこの人が窓閉めたとは思ってないし、家政婦も聞かれなかったから特に言わなかっただけやねん。ホンマ人騒がせやで。確かに、何度か訪問した時も名前覚えんわ、台所から何度か物ひっくり返す音は聞こえてくるわ、そそっかしい人やとは思ってたけどな。 これまでの未解決事件もひょっとしたら、関係者が「重要ではない」と思って警察に伝えてないことが、事件解決への手がかりになっとるのかも知れんな。心当たりのある人、よろしゅう頼むで。 |
[防犯ミニ知識] ●デジタル詐欺にご注意を 地上波テレビ放送がデジタルに変わるとして各テレビ局で様々なCMが展開されていますが、それに便乗した架空請求詐欺が各地で発生してします。 ある日テレビ局もしくは政府を名乗る文書が家へ届き、開封してみたら「デジタル放送に変わるのでアンテナ工事が必要。工事費を振り込んで欲しい」という請求だった。もしくは「デジタル放送接続料金請求書」というものが届き、記載されていた連絡先へ電話したところ、約3万円の費用を請求された。 こういった事例を周囲でお聞きになったことはありませんか。これが今広がりつつある詐欺の手口です。 アナログ放送が映らなくなるのは2011年7月以降であり、デジタル放送が始まったからといって今すぐ切り替えが必要なわけではありません。また、現在のアナログテレビでもチューナーなどを取り付けられればデジタル放送は視聴でき、アンテナ工事も一部必要な世帯はありますが、全世帯ではありません。デジタル放送については視聴費用がかかることはありません。 こういった、「いますぐ切り替えをしないと見られなくなる」という不安感を煽って入金させるのが目的であると考えられます。 また、これらの請求をテレビ局、政府が行うことはありませんので、不審な通知を受け取ったら最寄の警察か、総務省地上放送課の「地上デジタルテレビジョン放送受信相談センター」までご相談下さい。 |
[ほんの一口〜読者の声] ●自転車との事故 「子供が帰宅途中、近所の人が乗った自転車と接触し足を骨折するケガを負いました。近所の人はそのまま走り去ったそうです。相手は自転車ですが、これは立派な交通事故じゃないんでしょうか?」 交通課からお答えします。 「ご相談の件ですと、道路交通法違反(ひき逃げ)になります。また、過失傷害にも問われます。最寄の警察へご相談下さい。 自転車と歩行者、もしくは自転車同士の事故である場合両者の話し合いで済ませる場合が殆どですが、どちらかが怪我を負った場合などには警察へ通報し、きちんと事故処理をしておかれるのが良いと思われます。」 |
[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●良い通販商品を選ぶゾ! こんにちは!交通課の由美ですvvこの時期、日焼け防止のために手袋とサングラスをして運転している人を見かけます。でも安全のためにはハンドルがすべらないですむ、日焼け止めを塗ったり、サングラスも透明に近くてUVカット率が高いものを選ぶ方がいいと思いますヨ。 さて今回はお中元の季節にもピッタリ、写真だけではなかなかわからない、当たりの通販商品を選ぶコツをお教えします! 実はスポンサー関係だとか圧力に左右されない、確かな情報を扱っている通販情報雑誌というものがあるのです。 それはズバリ、国民生活センター発行の「たしかな目」。これはいわゆる政府刊行物にあたり、商品テストの結果や、なかなか載らない商品の問題点などもきっちり指摘されています。 一般家庭でも簡単に購読できますので、興味がある方はゼヒどうぞ!ただし、すべての商品が網羅されているわけではありませんのでご注意を。 |
[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。 音声認識カーナビを買ったと大喜びのSさん。 発音が悪いのか未だ目的地を正確に伝えられないでいる。 |
[あとがき] この時期になると祭りも増え、それに従って夜遅くまで子供を連れ歩いている親御さんを見かけるようになります。高校生、大学生くらいならまだしも、乳幼児や小学生は出来る限り日没後連れ歩かない方が成長のためにもいいでしょう。大人が遊びたいからと子供を付き合わせるのは身勝手な気がします。子供のために大人が我慢する、それが正しい育て方でしょう。 それではまた。 [警視庁メールマガジン] 総編集長: 警視庁 警視総監 白馬 編集長: 警視庁 総務部 牛黒 発行: 警視庁 転載を希望する場合はご連絡下さい。 |
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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。