多分花鳥風月→金田一、コナン的読み物ページ→警視庁メールマガジン目次→警視庁メールマガジン
|
警視庁メールマガジン第135号 |
==警視庁メールマガジン第135号==
発行日:06/08/25
目次 [〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●「98万円」にご注意を! [捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●家宅捜索令状の意外な穴 [大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●カラオケ店の防犯ビデオ [防犯ミニ知識] ●国内テロ防止のために [ほんの一口〜読者の声] ●通行禁止の看板 [トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●風邪を引きやすい人はここに注意! [内部密告コーナー] |
[〜お知らせ〜警視庁広報課より] ●「98万円」にご注意を! 振り込め詐欺の被害が全国で多発していることから、まとまった金額を振り込もうとすると銀行窓口などで「こういった詐欺もありますのでご注意下さい」と言われることがあります。しかし、すべての振込み客に声をかけているわけではなく、ある一定額以上という基準があります。 これに目をつけて、98万円という、基準を超えない額を振り込むよう指定する手口が今、都内で急増しています。中には、成功するとまた被害者へ電話をかけて「他にも借金が…」と更に振り込ませるケースもあるようです。 いずれ全国にも広まる手口かと思われますので、くれぐれも、「金額が少ないからこれは詐欺ではない」と判断するのではなく、必ずご家族の確認をとるようにして下さい。家族同士での合言葉を決めておくのも一つの確認方法です。 |
[捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●家宅捜索令状の意外な穴 よくドラマなどで、家へ踏み込んできた警察に対し「令状を見せろ」というやり取りがあります。この時警察側が出して見せるのが「家宅捜索令状」(大体「捜索差押令状」も付属してきます)というものです。もちろん見せるだけではだめですから本来はきちんと証拠写真を撮ったりします。 この捜査令状というものは実は、相手が被疑者である必要はありません。捜査上、その犯罪に関わっていると考えられる場合裁判所に請求し、それが認められれば誰に対しても発行できます。例えば被疑者が逃走中で、それをかくまっている可能性が高い、目撃証言があるなどといった関係者の家宅を、こういった手順で捜索することが出来るのです。ま、そうでなければ逃げられたら捜査は出来ない、というのでは逮捕出来なくなってしまいますね。 ただし、一歩間違えば不当に人権を侵害しかねない行為ですから、家宅捜査令状の請求及び行使には厳正な判断が必要です。「犯人があそこにいるような気がする」「なんだか行動が不審だからとりあえず調べておこう」といったことでは請求することは出来ません。 さておおまかに仕組みを説明したところで、実はこの家宅捜索令状で部下がとんでもないミスをやってしまったお話をしたいと思います。 それはある殺人事件を追っている時でした。被疑者ではなく関係者宅を捜索する必要性が生じ、裁判所へ令状請求をし、無事発行されたそれを持って部下は大勢の刑事らとともに現場へ向かいました。 そして相手に捜査令状を示し、いざ捜査を開始しようとした時です。 「えっ、これ住所が間違っていますよ」と、ビックリしたような相手の声に、部下はあわてて令状を確認しました。 そこはアパートの101号室だったのですが(現実の場所とは少し変えてあります)、なんと令状には1010号室と書いてあったのです。請求もしくは発行の過程でどちらかが間違えたに違いありません。 こうなると「多少の間違いですから」で捜査は出来ません。違法行為になってしまいますので、令状を請求しなおしてやり直しです。部下は飛んで帰って令状を請求しましたが、捜査一課長に大目玉を食ったのは言うまでもありません。まったく、とんでもないミスでした。ひとつ間違えば証拠隠滅されてしまいかねません。 こういうことを書くと、「なるほど、指定した場所しか捜査できないなら、家宅捜索されそうだと思ったら隣の部屋にでも証拠を移しておけばいいんだな」と思う人がいるかも知れません。確かに実際はその通りなのですが、家宅捜索されるまで見張りがいないわけではありませんから、もしそういう風に不審な荷物の移動が始まれば、即刻その居住地だけでなく周辺も捜索対象になるか、緊急で取り押さえるだけです。誰かが考え付くようなことは、警察も分かっていますのでどうぞご安心を。 |
[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●カラオケ店の防犯ビデオ 前回に続き今回もちょお寒くなるような話やで。 ある時、未成年少女を被害者とする殺人事件が発生した。この被害者はよくある家出少女でな、身元はすぐに分かったんやけど夜の繁華街をウロウロしとる時に殺されたらしくて、容疑者を洗い出すっちゅーてもかなり難しい作業やと思われたんやな。 俺とこにも調査の依頼が来て、あちらこちら聞き込みして歩いたで。けど、時期的に夏休みやったし、そうなると夜中ウロチョロしとる人間も多いわけで、誰も顔とかよう覚えてへんわな。「見たような気もする」「もしかしたら(この店に)来ていたかも知れない」っちゅーんで、事件当日の足取りなんかサッパリや。 そんなある時、妙な噂を耳にしたんやな。そこの、被害者が事件前にウロウロしていたとされる繁華街の雑居ビルにあるカラオケ店。そこの一室を映す防犯カメラに幽霊みたいなもんが映るっちゅーねん。部屋の中はまったくなんもない。人が入って歌っとる時も異常はなし。誰もおらんくなって静まり返っているような時に一瞬、人の影がフッと壁に映ったりとか、テーブルの向こう側に歩く人影が映ったりするんやと。 ま、これはこれで別に関係ないしと思ってほっといて、調査を続けたけどもホンマにお手上げ。あっという間に季節は変わって秋も終わりという頃になった。 どうしてもその頃になると人の関心はよそへ移って行くし、記憶も薄れがちになるしでかなり厳しい状態やったな。 事件が起きたんは、依頼人と会って一旦調査を打ち切るかという話になった頃やった。そのカラオケ店から大阪府警に連絡があった、っちゅーんであわてて俺も飛んでいったんや。 店長が真っ青な顔してビデオテープ持ってきたらしいねん。電話じゃ要領をえんかったから何やろ、みたいな感じでな、そのビデオを見た全員が一瞬動き止まったで。 その防犯カメラの映像やけど、例の部屋で、何のことはない男女数人のグループがカラオケをしててんけど、そのうちの男一人に女の子がガッチリしがみついてるんやな。最初はメンバーやろと思てたんやけど、メンバーが時間終わって出ていってもそこの部屋に残っとる。で、「まあ掃除に来た人間が気づくやろ」と思てたら、掃除に入ってきたアルバイトはまったく気がつく様子もなく掃除をして出て行ってしまい、おまけにその女の子の姿が見てる前で消えたんや。で、これを見ていた店長はようやく、その女の子が先の事件被害者で、当日もそこへ来ていたということを思い出したらしく、あわくって府警に電話したっちゅーねん。当日もたまたまカメラ映像を見とったらしいから、結構な偶然やな。 それで府警もこりゃ何かあるっちゅーんで該当のグループを割り出して任意同行かけたところ、犯行を認めたらしいんやな。しかも犯行はそのカラオケ店のまさにその部屋で行われたらしい。ちゅーても、盛り上がってドラッグとアルコールを飲んで騒いで、気がついたらその子がぐったりしてたから確かめてたら死んでたと。そんで酔って寝とる風に見せかけて店から連れ出して、違うところに遺棄したというのが事件全貌らしいんやな。 結局そのビデオテープは証拠として使うことはできへんから、地道な聞き込みの結果ということになっとるけど、その子はずっとそこで犯人が再びやってくるのを待っとったかも知れんねやな。警察以上の執念やで。 |
[防犯ミニ知識] ●国内テロ防止のために 先日イギリスにおいてテロ計画が未遂に防がれたことは、全世界に衝撃をもって受け止められました。実行されていれば米国同時多発テロ以上の被害をもたらしたと考えられるこのテロを防いだのは、地元警察や捜査当局の地道な努力のたまものです。 丁度お盆前にあたる時期であったため、国外への旅行を予定していた方は、数時間にも渡る出国チェックで大変だったと思います。しかし、テロリストが逮捕されたからもう大丈夫、ではなく、その他同時に進行されていた計画はないか、別のテロの恐れはないかといった事後の確認の方が重要であり、しばらくは捜査に協力していただければ幸いです。 いざテロを警戒するといっても日常生活で何をすれば良いか戸惑う方も多いでしょう。いくつか目安をあげておきますので、参考にして下さい。 ・不審者のうろつきはないか 見慣れない人がウロウロしている、不審車両が頻繁に駐車するようになったというようなことはありませんか。 ※空き巣、強盗は狙った家の下見をするといいますが、それと同じような警戒の仕方をすることが大切です。 ・一見普通の夫婦、独身者住まいのはずなのに、深夜不特定多数の人間が出入りしていないか ・近隣、周囲との接触を意図的に避けていないか こういったことに注意してみて下さい。 また、公共の建物や空港、駅構内などはテロに狙われやすい場所です。 ・不審物はないか ・誰かが意図的においていったような忘れ物などはないか ・何かしらいつもと違うものはないか といったようなことを警戒するようにしましょう。もし不審物や、明らかにおかしい忘れ物などを見つけた場合は、最寄の職員まで知らせるようにしましょう。自分がなんとかしてやろう、と不用意に触れたりするのは危険です。 空港などでのチェックの際も、例えば団体客などは普通楽しげに談笑していたりするものですが、全員が黙って前を向いている、しきりに周囲を気にしているなど、不自然な雰囲気のあるグループなどは要注意です。 一般的にテロリストは、その地域に溶け込むことがうまく、普段はまったく他の人と変わらない生活をしているものです。ですから容易に見抜くことは出来ませんが、それでも日常生活において上記のような不自然な点をみせることがあります。 日頃から近所と声を掛け合って、情報交換しておくのはとても大切なことです。 |
[ほんの一口〜読者の声] ●通行禁止の看板 「国会議事堂近くの国道に「この通りは大震災発生時には通行禁止となります」という看板がありました。これはどういう意味があるのですか?」 交通課からお答えします。 「これは、阪神・淡路大震災の教訓から生まれたもので、道路が大渋滞してそのために火事になったり、緊急車両が通れなくなるといった事態を防ぐためのものです。 震災が起きたら警察や自衛隊が出動して交通整理を行いますが、すべてカバーしきれません。そのため、緊急車両の通行場所を確保するため、都内37路線に同じ看板を設置しています。」 |
[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●風邪を引きやすい人はここに注意! こんにちは!交通課の由美ですvv海に行ったのはいいんだけど、友達と仕事の愚痴大会になっちゃって、いい男を捜すどころじゃありませんでした!今週末の合コンにかけるぞ〜! さて今回は、裏ワザというよりはちょっとしたマメ知識をご紹介。 特に何かしたわけでもないのによく風邪を引くという人。お風呂上りをチェックしてみて下さい。体を拭いたタオルを巻きつけてウロウロしていたり、すぐにパジャマを着たりしていませんか? 実はこれがクセモノ。タオルやパジャマからの気化熱で体温がどんどん奪われて、風邪を引く一因になっているのです。 お風呂上りには汗をこまめにふき取り、汗がひくのを待ってからパジャマを着るようにしてみて下さい。もちろんそのまま扇風機にあたったりしたら同じことだから要注意ですヨ! |
[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。 プールや海での事故多発を受けて、今年の家族旅行を山に決めたSさん。 山道で迷子になって遭難しかけたらしい。 |
[あとがき] 冥王星が太陽系から外されたそうですね。これまで水金地火木土天冥海(今は水金地火木土天海冥だそうですが)と覚えてきたのが、冥王星がなくなってちょっと寂しいような気もします。天体に関する本も修正箇所が出てくるでしょうからいろいろ大変ですね。マンガから映画まで、いろいろなところに親しまれてきた名前だけに、なじむのも時間がかかりそうです。 それではまた。 [警視庁メールマガジン] 総編集長: 警視庁 警視総監 白馬 編集長: 警視庁 総務部 牛黒 発行: 警視庁 転載を希望する場合はご連絡下さい。 |
バックナンバー | ご意見募集 | トップページ |
※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。