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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第136号

==警視庁メールマガジン第136号==
                                   発行日:06/09/08



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●飲酒運転取締強化週間について

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●取調室での芝居

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●駆け引きは心理戦

[防犯ミニ知識]
●いくつ知っている?自転車、これは違反です

[ほんの一口〜読者の声]
●渋滞の長さはどうやってはかる?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●土鍋のヒビ、応急処置はこれだ!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]

●飲酒運転取締強化週間について

 交通死亡事故が減少傾向で推移する反面、飲酒運転による交通死亡事故は昨年より増加傾向にあります。先月8月25日においては福岡県で飲酒運転の乗用車が一家5人乗車の乗用車に追突し、この車が橋から海中に転落、幼児3人が死亡するという痛ましい事故が発生しています。
 飲酒運転抑止のための対策として、平成18年9月12日(火)から同月18日(月・祝日)までの間を飲酒運転取締強化週間とし、飲酒運転の検問・取締りを行います。
 飲酒運転を行ったドライバーだけでなく、飲酒であると分かっていて同乗していた者、車での帰宅と知っていて飲酒させた者も罪に問われます。
 捕まらなければいい、事故を起こさなければいいという軽い気持ちで飲酒運転をしない、させない、許さない、ということを忘れないで下さい。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●取調室での芝居

 さて、今回はちょっとしたドラマなみの面白いやり取りをお話しましょう。…もっとも、面白いのは読んでいる皆さんだけであって、被疑者には面白くもなんともないかも知れませんが。
 逮捕されて自分が何をどうしたかというのをあっさり白状してくれる人間なら苦労もしないのですが、世の中そううまくは行きません。固く口を閉ざす人間が多いのもまた事実です。
 刑事はこれをいかにして自白させるか、といったテクニックを沢山持っています。その中のひとつをお話したいと思います。
 どれだけかたくなに沈黙を守る被疑者であっても、大抵は時間の経過とともに疲れが出てきて自白を始めたりするものです。それは取調室でのプレッシャーもあるでしょう。ところが中には、どう頑張っても口を割らない人間というのが存在します。
 担当していたA刑事とB刑事はあれこれ話し合い、一計を案じました。
 次の取り調べのときAとBがいつものように、黙っている被疑者にあれこれ話しかけていた時です。C刑事とD刑事が入ってきて「課長がちょっと話があるらしい」と呼び出しました。AとBは「ちょっと頼む」と彼らに取り調べの続きを頼み、出て行きました。
 しばらくして2人は戻ってきました。ところが被疑者には目もくれず、CやDと「担当が…」「他の事件が入って…」と話をした後、申し訳なさそうに被疑者へ顔を向けて、「悪いんだが、俺達はあんたの担当を外れることになるかも知れない。捜査が進展しないということで、別の事件担当を持ちかけられてる。もしそうなったらこれからはCとDが変わって担当することになるから」と告げました。
 そうしたところ今まで黙っていた被疑者が「事件について話します」と供述を始めたのです。
 実は、AとBのコンビというのは被疑者に対して優しく接することがうまく、落としのプロと呼ばれる名刑事達でした。そしてCとDも落としのプロであることには変わりないのですが、とても厳しく、被疑者からは怖がられるタイプ。
 もう分かりますね?
 AとBが出て行ってCとDに取調べを受けている間、被疑者の心理は「今までの刑事さん達の方が優しかったし、自分に親身になってくれていたのかも…」という風に変わっていったわけです。そうして、これからの担当がCとDになると聞いて、「このまま黙っていても以前のような状況にはならない」と判断し、自白を選択したのでした。
 これは見事な作戦であるといえます。このほかにも刑事は沢山の、自白のための引き出しを持っています。
 それを実際ご覧になることはまずないでしょうが、落としの名人ほど名俳優といってもいいかも知れませんね。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●駆け引きは心理戦
 
 昔知り合いのツテでどうしてもと頼まれて、引きこもりの人間を説得しにいったことがあんねん。なんで俺がと思ったんやけど、証拠を手に入れて犯人を自白させて事件解決に貢献しとる、という記事を見た人が、これなら子供の心も開いてくれるんじゃないかと思ったらしいんやな。
 まあ聞く耳もたん相手を説得する、という点では同じやけど、せっぱつまっとるかそうでないかっちゅー違いもあるし、そう簡単に行くもんかなぁと、俺も正直迷ったで。親父とも話をして、どないしたらええかあれこれ考えておいたんやな。
 今までにも数々のカウンセラーに来てもらったけども、話し合いをさせたらますますひねくれるばかりでどうしようもない、このままだと本当に社会復帰できなくなると、親御さんは心の底から心配してたな。
 約束の日。結局どうしたらええかという結論も出ないまま家へ行ったんやけど、いきなり話をするのもあれやっちゅーんで、1階の居間で親御さんととりとめもない話をしてた。2階に件の息子がおんねんけどな、またカウンセラーが来たと思たらしくて音楽ガンガン鳴らしよるわけや。
 一応言うとくで。俺もな、最初は穏便に済まそう思とったんやで。けどな、頭の上から重低音の音楽と、床を踏み鳴らしとる音がガンガン降ってきてみ?しまいには怒るで。
 で、2階に駆け上がって「やかましいんじゃこのボケ!親の金で養ってもろとる身で何しよんじゃドアホ!とっとと出ていかんかい!」と怒鳴った。
 流石にこれは聞こえたらしいで。音楽も騒音もやんだからな。
 そんでこっちも頭に血ぃのぼっとるし、ちょっと冷やさな思てその場で黙って立っとった。したら親御さんもこわごわ上ってきたもんやから、「おっちゃん、これあかんで。とっとと追い出すかあんたらが出て行って、一人で生活させた方がええわ」と伝えた。親御さんも最初は戸惑っとったようやけど、「私らもうすうす、そうしなければいけないかなと思っていました」と言うたんやな。
 中から聞いとった息子はビックリしたんやろな(ま、聞こえるように言うたんやけど)、ずっと閉じとったドアをちょっと開けて「何言ってんだよ」とか言い始めたんや。でも俺は「うるさいわ!お前はおとなしく引きこもっとかんかい」と怒鳴って親御さんと話を続けた。
 したらようやく本当に追い出されると思ったらしくて、出てきて「引きこもっているのが馬鹿らしくなった」と言うたんやな。
 いやー、とっさのことで親御さんには「俺に調子合わせて欲しい」というメモを見せて一芝居やってもろたんやけど、何とかうまくいったわ。
 聞いたら今までのカウンセラーは「社会に出て働くことがいかに素晴らしいか」とか「人生からの脱落が云々」ともっともらしい説教ばかりで、聞く気も起きなかった、っちゅーんやな。ところが俺の場合はいきなり怒鳴りつけてくるもんやから、こいつはどんなんやと思ったと。
 それで、これまでのことがウソのように、立派なところへ就職してバリバリのビジネスマンしとるらしいで。
 まあ怪我の功名といえなくもないけど、カウンセラーの真似事はこりごりや。やっぱり犯人相手に自白の駆け引きしとる方がまだマシやわ。




[防犯ミニ知識]


●いくつ知っている?自転車、これは違反です

 日が落ちるのが早くなってきました。以前は帰宅するまでライト点灯の必要がなかったのに、つけないと見えなくなってきたというドライバーもおられるでしょう。
 同時に、真っ暗になってしまっても平気で無灯火のまま走っている自転車を見かけます。これは完全な違反です。我々がパトロールで発見し、停止を求めて無灯火の理由を尋ねると、「周囲が明るいから大丈夫」「ライトをつけるとペダルが重くなる」「自動車から見えているでしょ」「故障してつかない」という様々な理由が返ってきます。
 しかし、自転車は灯火義務が道路交通法で定められています。(道路交通法52条第1項)ちなみに、5万円以下の罰金ですよ。
 また、車からは見えているはずと思っている方も多いですが、自動車からしてみれば、真っ暗な中の自転車というのはまったく見えません。白い服を着ていたりしても、背景にまぎれて近くに来るまで存在に気づかないのです。いくら事故に遭って車の方が悪いといっても、無灯火では自転車の過失も問われます。必ずライトをつけるようにして下さい。
 次に、飲酒運転。これは少しずつ知られてきていますが、自転車も「軽車両」である以上、立派な違反行為です。近所の居酒屋にいって軽く一杯ひっかけた後、自転車でフラフラと…。はい、そこでアウトです。
 ここからは意外に知られていないかも知れません。
 ・並行運転(自転車同士2列になって走ることですね。自動車が一車線の道でこんなことやったら大変なことになりますよね?)
 ・右側通行(いちいち取り締まっていては大変ですので見逃されていますが、車両である以上、左側通行すべきです)
 ・運転中の携帯電話
 ・運転中の傘差し運転(レインコートを着用するほうがずっとぬれませんし安全です)
 ・二人乗り
 ・信号無視
 ・一時停止を怠る
 
 その他細かなところとしては、意図的に歩行者の通行を妨害する行為などがあげられます。
 このところ自転車の悪質な運転行為による事故が多発しています。自転車も道路交通法で乗り方が定められている立派な「(軽)車両」です。
 ルールを守って安全に乗って下さい。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●渋滞の長さはどうやってはかる?
「僕は夏休みに家族で旅行に行きました。その時にテレビで、「首都高渋滞××km」とか言っていました。この渋滞の長さは誰がはかっているのですか?教えてください」

 広報課からお答えします。
「これは、高速道路の下に埋め込んである"トラフィックカウンター"というものを使って距離を測定しています。警察ではなく、日本道路公団の仕事ですね。
 このトラフィックカウンターというのは、地下5〜10メートルの深さに埋められており、この上を車が通ると車両の数だけでなく、大きさや速度も計測できます。
 これが大体数キロごとに設置されていて、各公団で定めた、車の速度が何キロ以下だと渋滞とみなす、という基準に従って計算するわけです。
 例え東名高速の場合ですが、トラフィックカウンターは2キロおきに設置されており、車の速度が40キロ以下の時渋滞とみなす、と定められています。このとき連続した2ヶ所のトラフィックカウンターでその状態が観測されれば4キロの渋滞、連続3ヶ所なら6キロという風に判断します。連続20ヶ所だと渋滞40キロというわけですね。
 カーナビの渋滞情報ほか、インターネットの道路公団サイトからも閲覧できますから、旅行の際にはご活用下さい。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●土鍋のヒビ、応急処置はこれだ!

 こんにちは!交通課の由美ですvv少しずつ秋も深まって、食べ物のおいしい季節到来!今年は警視庁下を通る焼き芋屋さんに絶対追いつきます!
 さて今回は、これからの季節使うことも多い土鍋。いざ取り出してみたらヒビが!今から新しい土鍋を買いに行っているヒマがない、という時にオススメ。
 ちょっともったいないけど、牛乳を土鍋いっぱいに入れて沸騰させてみてください。ちょっとしたヒビならふさぐことが出来ます。
 また新しく使うときに水を入れて沸騰させゆっくりさましておくと、ヒビが入りにくくなります。急激な温度変化はひび割れのもと、大事に使ってくださいね!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 交通課のMさんは取り締まりを終えて器具を片付けている時、自分で傍らにどかしたコーンに、自分でつまずいて捻挫した



[あとがき]

 おめでたいニュースが飛び込んできました。親王ご誕生のニュースに、警視庁内でも拍手が起きました。しばらくはこの話題で持ちきりでしょう。お顔を1日も早く拝見したいですね。これからのお健やかなご成長をお祈りしております。
 虐待やいじめなどが問題になっている昨今、国民の皆さん全員が命を大切にする気持ちを持ち、やさしい心を育てていただきたいと思います。
 それではまた。

[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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