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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第137号

==警視庁メールマガジン第137号==
                                   発行日:06/09/22



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●秋の全国交通安全運動週間です

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●逆探知という言葉の独り歩き

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●設置で安心したらあかん

[防犯ミニ知識]
●飲酒運転は何故いけない?

[ほんの一口〜読者の声]
●クレームをつけられたが…

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●食中毒防止!まな板の正しいお手入れ

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]

●秋の全国交通安全運動週間です

 今月21日から30日まで秋の交通安全運動週間です。全国一斉に実施され、今回は「高齢者の交通事故防止」を運動の基本といたします。
 また、全国重点として
・夕暮れ時と夜間の交通事故防止対策の推進
・シートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
 が設置されています。これらの重点のほか、地域の交通事故実態等に即して必要があるときはそれぞれに定めることとなります。
 自動車や自転車の、早めのライト点灯、チャイルドシートの徹底など、この運動期間だけでなく、常時徹底を心がけましょう。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●逆探知という言葉の独り歩き

 ちょっと刑事ドラマをごらんになったことのある方なら、「逆探知」という言葉をご存知であると思います。
 誘拐の場面などでよく使われる、犯人からの電話がどこからかかってきているか、その発信元を突き止めるものです。
 これは実際に作業しているのは電話局の人間であり、警察がどこからかかってきているかというのを調べるわけではありません。また、以前は交換機を人が全部目で確認して調べていたため、出来る限り会話を引き伸ばす必要があり、電話が切られてしまうと発信元を特定することが出来なくなっていました。が、今は電子交換機になったため、電話を切ろうが何をしようが、かけた以上は簡単に発信元を特定できます。もちろん携帯電話の逆探知も一瞬です。(ただし、携帯電話の場合は基地局がどこか、までになりますが、それでも以前と違い場所を絞り込めます)
 ですから今は営利目的での誘拐もしくは脅迫電話など、被害者へ直接コンタクトをとる行為は犯人にとって非常にリスクの高いものであるといえます。
 さてこの「逆探知」ですが、「いたずら電話がよくかかってくるので逆探知して相手を調べて」というご相談も時折あります。困っている方からしてみれば、警察に相談すれば簡単に相手がわかる、という思いからなのでしょうね。
 しかし法律で「通信の秘密」は厳しく守られるべきとされており(「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」とはまた違うものです)、いたずら電話がひどいからといって簡単にこれを逆探知するというわけにはいきません。誘拐事件や殺人予告のように、人の命にかかわる事態であり、かつ、通信企業が逆探知を許可した場合にのみ行われます。
 何千回もいたずら電話をかけて逮捕された、というような事件においては例えば、被害者が警察に被害届けを出し、相手側の電話番号を通知するサービスを行い犯人を特定したというようなものですとか、NTTや警察にいたずら通報を行ったような場合が殆どかと思います。それも大抵何百回何千回のレベルであり、数回いたずら電話が続いた程度ではなかなか情報開示は難しいといえます。
 逆探知はそう簡単には行えない、通信の秘密保持を超える根拠を示す必要がある捜査です。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●設置で安心したらあかん
 
 よく、「どこの防犯システムを導入したらいいか」とか「防犯ブザーはどこのものがいいか」とか「どういう防犯対策をすればいいか」という質問が来るんやな。
 ただ俺も、どっかのメーカーだけ紹介するいうわけにもいかんし、それぞれの環境によっても違ってくるから、いろいろと状況を聞いて、「それならこういう風な対策をして、それに合うシステムを入れた方がいい」くらいのアドバイスに留めておくことにしてる。
 でもな。所詮それは生活をサポートするだけであって、防犯の要となるのはやっぱりその人本人なんやで。
 ある防犯システムのCMに出ていた有名人が、自宅にも設置しとったけどいつもシステムのスイッチを切っていたために、強盗が入った肝心の時に役に立たなかったという事件があった。こういうなんはどうしようもないけども、システムを導入したからといってそれ自体が必ず犯罪を防いでくれるわけやない。例えば侵入感知システムがあるから大丈夫と、施錠せずに出かける人はおらんやろ?
 防犯ブザーでもそうや。買った事、持っとることに安心して、バッグの底にしまっておいて肝心の時に取り出せんという人が沢山おる。かと思えば催涙スプレーみたいな、あんまり役に立たんものばかり持ち歩いとる人もおるしな。(催涙スプレーはあわてて使うと自分に噴射する危険もあるし、相手に取り上げられたら意味ないで)
 ある空き巣が、「自分は防犯システムが設置されている家を狙ってはいるようにしている」と取調べで言うたことがある。ま、逃げる際にポカやらかして捕まったんやけどな。どうしてかと刑事が尋ねると、「そういうところはシステムがあるからと油断して、窓が開いていたり、新聞がポストにたまりっぱなしになっていたりするからわかる。また、侵入に関してもシステム会社がなんとかしてくれると思っているから現金や貴金属がそこらにおきっぱなしになっていたりする」と答えたそうや。心当たりある人も多いんちゃうか?
 見張りはしてくれるけれども、大切な財産を守ってくれるわけではないし、泥棒を捕まえてくれるわけでもない。
 ここのところを勘違いしとると、次に狙われるのはあんたらやで?




[防犯ミニ知識]


●飲酒運転は何故いけない?

 18日まで飲酒運転取締り期間であったにも関わらず、飲酒運転事故や逮捕が後を絶ちません。ひどいものになると、飲酒して車で帰宅しようとしたところを警察に注意され、酔いをさますといって少し休憩しただけで平然と運転しているところを逮捕されたケースもあります。
 飲酒運転事故を起こしたドライバーすべてが「これくらいなら大丈夫だと思った」「自分では酔ってないと思った」「酔いは醒めていると思った」という風に、自分の運転技術を過大評価しています。また、この記事を読んでおられる方の中には過去飲酒運転をされて、「事故をしなかったから自分は大丈夫」という方もいらっしゃるかも知れません。その時はたまたま運が良かっただけであり、これからも大丈夫なわけではありません。そういう気の緩みが、これまで多くのかけがえのない命を奪ってきました。
 また、「少ししかお酒を飲んでないから大丈夫」という人もいます。少しであってもアルコールが脳や体に作用し、正常な判断能力を奪うので安全ではありません。アルコールに強い人も弱い人も、アルコールを摂取したことによる反応の鈍さの実験結果はほとんど差がなく、いくら「酒に強い」と言っても正常な判断が出来なくなることにはかわりがありません。
 多くの人が勘違いしていますが、「事故を起こさなければ問題ない」ではありません。飲酒運転をして警察に逮捕されれば、他の犯罪者と同じように拘留や起訴、場合によっては実刑判決もあります。飲酒運転で逮捕され起訴されたものの執行猶予を受けて気が緩んだためか、その執行猶予中にまた飲酒運転で捕まり、実刑判決を受けた人もいます。
 飲酒運転はあなたの生活を奪います。あなたの生活だけで済めばいいのですが、人身事故を起こせば被害者の人生や被害者家族の生活をも奪います。
 「自分は大丈夫」「捕まらなければ問題ない」「少ししか飲んでない」、こんな認識の甘さがある限り飲酒ドライバーはいつ殺人者になってもおかしくないといえます。

 尚、日本損害保険協会(東京)発行の「飲酒運転防止マニュアル」がネット上から無料で参照できます。(紙媒体の場合は実費にて)
 こちらのURLをご参照下さい。
 日本損害保険協会のホームページ
 http://www.sonpo.or.jp/action/release/news_05-027.html




[ほんの一口〜読者の声]

 
●クレームをつけられたが…
「初めまして。実はすごい困っていることがあります。店を経営していますが、ある商品をお買い上げになったお客さんから「家に持ち帰ったら壊れていた」という申し出を受け、商品を交換しました。ところが数日後、「往復のガソリン代を出せ」「商品を使ってから具合が悪くなったので治療費を出せ」というクレームがあり、応じられないと断ったところ、「消費者センターに言う」「クレーマー扱いか」「ネットで録音したものを公開するぞ」とさらに酷くなり、しつこく電話がかかって困っています。どうしたらいいでしょうか」

 捜査一課からお答えします。
「商品が壊れていたので交換を、という程度でしたら問題ないかと思いますが、その後言いがかりをつけて金品などを要求するのは明らかに恐喝になります。要求がやまなければ最寄の警察署に相談され、警察官立会いの上で話し合いを行うのも良いでしょう。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●食中毒防止!まな板の正しいお手入れ

 こんにちは!交通課の由美ですvv飲酒運転がなくなりません。私も取り締まりに参加しましたが、逮捕されたドライバーの殆どが「ちょっとしか飲んでない」。そんな言い訳、警察の前では通用しませんヨッ!
 さて今回は、食欲の秋を堪能するためには食中毒防止から、ということで、まな板の毎日のお手入れについての裏ワザです。
 使い終わった後のまな板、皆さんはどうしてますか?食器と同じように洗剤で洗って立てかけておくだけ?最近ではまな板も消毒できる洗剤などもありますが、やっぱりそれではなかなか雑菌が落ちきっていなかったりするのです。
 大切なのは洗うときに、クリームクレンザーとタワシを使い、ゴシゴシと包丁の傷などに従って丁寧に汚れを落とすこと。その後熱湯をザーッとかけておけば、かなりの確率で雑菌の繁殖を抑えることができます。
 樹脂製のものなどは使う前にさっと水洗いしておくと、汚れやニオイがつきにくくなります。
 まな板についた汚れが目立つようになってきたら漂白剤を全体にまんべんなく吹きつけ、お湯で流して洗いましょう。
 木製のものは天気のいい日などに天日に2〜3時間、表も裏もまんべんなく干して殺菌しましょう。
 食べ物と毎日触れ合うまな板だけに、日々清潔を目指したいですネ!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 この間、非常に厳しいことで知られる上司のSさんが自宅のリモコンと携帯電話を間違えて持ってきていて、あわてて隠していたのを見た。




[あとがき]

 警視庁を出る時、少し前ならまだ明るかったのが、今ではもう日も暮れていて「ああ、夏は終わったんだな」と実感します。この季節、夏の感覚のまま「まだ大丈夫」とライトをつけずに走っている自動車・自転車も多く、薄暮時の事故が多くなります。
 「まだ大丈夫」から「もうつけておこう」へ、意識を変えていただければ幸いです。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
転載を希望する場合はご連絡下さい。


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