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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第138号

==警視庁メールマガジン第138号==
                                   発行日:06/10/06



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●全国地域安全運動を知っていますか

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●被害者感情を逆なでする人間

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●情報操作に気をつけろ

[防犯ミニ知識]
●子供を危険から守ろう

[ほんの一口〜読者の声]
●実名報道される時とされない時の違いって?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●防虫剤、効果的に!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]

●全国地域安全運動を知っていますか

 今月11日(水)から20日(金)までの間、全国で「全国地域安全運動」が実施されます。
メインスローガンは「みんなでつくろう安心の街」です。
 これは地域安全活動を更に強化して効果を最大限に引き上げ、安全で安心して暮らせる地域社会の実現化をはかるものです。
 全国重点
・子供の犯罪被害防止
・住宅を対象とする侵入犯罪の防止
・街頭におけるひったくり、性犯罪被害防止
 これらのほかに、各都道府県警においても重点を定めます。
 地域の皆さんのご協力をお願い致します。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●被害者感情を逆なでする人間

 時効というものはどうして存在するのですか、という質問をしばし受けます。このメールマガジンでも取り上げられていたと思いますが、簡単に言いますと、「これだけ長い期間逃げていたのだからそれを許そう」というものです。また、半永久的に捜査を続けることになる警察官の救済という意味合いもあります。
 ただ、時効がきたとしても被害者やその家族の気持ちに時効が来るわけではありませんし、人の命を奪うような殺人事件に時効を設けるのはおかしいのではないか、という意見も数々出ています。
 残念ながら警察の検挙率は未だ100%ではありません。そのため犯人が逮捕されないまま時効を迎えた事件は数々あります。
 その、時効を見計らって「私が犯人だ」と名乗りをあげ、手記を出版したりインタビューに答えたりしている人間がいます。人を殺しておいて遺族に謝罪するでもなく、むしろ自慢話のように当時のことを語るというのはどういう神経の持ち主なのかと思います。中には、時効を迎えるまでずっと家の床下に埋めていたという凶器を得意げに見せた人間もいました。
 数多くの事件にかかわってきて、中にはやむを得ず殺害に至ったというケースもありました。生活苦となったあげく、家族を殺して自分も死のうとしたが死に切れず、あまりの状況に検察すら泣いて追及をやめたケースもあります。この被告達は全員、命の重さを知っています。かけがえのない命を奪ってしまった自分の罪を理解しています。
 時効成立してから名乗り出る人間というのは大抵、それによってまた被害者達が苦しむことを知っています。知っていてわざと、目の前にいながら罪に問えない悔しさ、苦しさを味あわせるのです。
 こういったことをする輩がいる限り、少なくとも殺人や強盗などの重犯罪に関しての時効は無意味なものではないかと、捜査の現場で思います。
 時効を迎えたある殺人事件の被害者ご遺族の方が、インタビューにこう答えておられました。
「世間では時効を迎えたことによって、事件が終わったかのような印象を持ってしまう。けれども私達にとっては一生時効が来ることはない」
 我々は今一度この言葉を胸に刻むとともに、1つでも時効を迎える事件を減らすよう一層の努力をしなければならないと思います。これ以上、被疑者の逃げ得を許さないためにも。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●情報操作に気をつけろ
 
 犯人が殺害現場に細工して自殺に見せかける、というようなんは、俺は日常茶飯事に遭遇することやけども皆はそうそうお目にかかることもないやろな。でも、同じような「意図的に誤解させるように仕掛けられたもの」は毎日目にしとると思うで。
 例えば世論調査。ほれ、今一番ポピュラー言うたらやっぱ「内閣支持率」やろ。
 例えばこう言うたらどうや?
「安倍内閣は小泉内閣に比べるとたった50%の支持率しかない」
「安倍内閣は小泉内閣に比べて支持率は50%と健闘している」
 同じ50%でも受ける印象はえらい違うやろ?
 つまり、良い印象を与えるか悪い印象を与えるかは、情報を伝える人間の胸先三寸にかかっとるというわけや。これやとまったくどうにもならん政治家も言い方次第でやり手の人間に見えるし、逆もまたしかり。
 怖いのはこれをメディアが故意に使こてるということやな。例えばマスコミにとっていてもろては困る人間なんかを、この印象操作情報操作で簡単に世間からバッシングさせることが出来る。
「彼は良いことも沢山行ったが、失敗が多かった」
「彼は失敗も多かったが、良いことは沢山行った」
 どや、印象違うやろ?
 こっちは悪意はないんやけど、ニュースとかでも暗黙の使い分けがある。加害者に対しては「男、女」、被害者に対しては「男性、女性」を言い分けたりしとる。この印象の違いは強力やで。
 日々ニュースを見て無意識のうちに、報道内容を印象付けられているけども、それが真実かどうか、メディアが意図的に操作したものでないかどうかは誰にもわからんのや。せやから、たまには事実だけを列挙して自分自身でその事件を把握しなおすクセをつけるとええやろな。理解力が桁違いに上がるで。
 まったく、商店街の毎日「閉店セール」なんかかわいいもんや。




[防犯ミニ知識]


●子供を危険から守ろう

 11日から始まる全国地域安全運動にそなえて、皆さんのご家庭でも是非子供さんの安全について話し合いを行って下さい。
 警察に寄せられる問い合わせなどで(子供のことに関して)一番多いのは、「何を注意させたらいいかわからない」というものでした。
 防犯ブザーは持たせているけれども、子供同士でふざけていて鳴らしてしまったり、いざという時に電池が切れていた、では困ってしまいます。
 例えば毎日の通学路を子供さんと一緒に歩き、「もしここで変な人がついてきたらどうするか」「車に乗った人が声をかけてきたらどうする?」という風に考えながらブザーの使い方や逃げ方を話し合うといいでしょう。特に、「子供110番の家・店」や交番、コンビニなど子供が逃げ込めそうな場所のチェックをしましょう。また、子供から帰宅時に怖いと思う場所はないか、危険だと思う場所はないか聞いておくことも重要です。
 次に、子供たちだけで解決させようとしないこと。友達同士で遊んでいて友達が誘拐された、連れ去られたというような時はただちに大人へ助けを求めることが重要です。子供だけで追いかけていったり、何とかしようとするのは危険であると教えましょう。子供が被害者となった事件で、親に叱られるのを恐れて報告せず、そのためなかなか発覚しなかったケースもありました。
 子供の連れ去りが一番多く発生する時間帯は午後2時から午後4時と、学校からの帰宅時間にピッタリ重なっています。
 子供達でワイワイ騒ぎながら帰るのは楽しいものですが、接近する車に気がつかなかったり、危険なところに入っていったりと危ないことは沢山あります。ただ注意するだけでなく、何が危ないのか、どうしてやってはいけないのかを話し合いましょう。
 また地域で登下校の時間帯に大人が犬の散歩をしたり、見回りをしたりするのも良いでしょう。それだけでも犯罪の抑止力はあるといえます。
 子供を危険から守るのは大人の役目です。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●実名報道される時とされない時の違いって?
「テレビを見ていると、成人している人なのに逮捕されても名前が報道されずに、会社員とか無職の男とかいう風にいわれている人がいます。これは何か意味があるのでしょうか?」

 広報課からお答えします。
「実名か伏せて発表されるかは、ニュースが報道された時点で逮捕状が出ているかどうかで判断されるところが大きいようです。
 皆さんもご存知のとおり、事件の容疑をかけられて取調べを受けている段階では「容疑者」ですが、この容疑者はまだ犯人と決まったわけではありません。
 つまり、"殺人の容疑で被害者の夫が取調べを受けています"という風な報道の場合はまだ、ただ取調べを受けているだけの状態です。
 逮捕状が出てそれが執行されると犯人の疑いが濃いということになるので、名前を出して「××容疑者」と実名報道することになります。
 また、微罪であるような場合も匿名で報道されています」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●防虫剤、効果的に!

 こんにちは!交通課の由美ですvv10月は衣替え、人ごみの景色がこころなしか濃くなったように感じます。濃い色の方が暖かく見えるからかな?
 今回はそろそろ衣服の入れ替えもある頃、夏服をまた来年同じ状態で着るためにも試して欲しい、収納のための裏ワザです。
 タンスなどに服を収納し防虫剤をおく時は、服と服の間にはさんだりしてはダメ。底に置いてもダメ。隙間においてもダメ。
 一番上にポンと置くのがもっとも効果的です。これは薬剤が気化して防虫効果のあるガスになる過程で、空気より重いので下へ下へと降りていく性質を利用するもの。だから真ん中に挟んでいたり、一番下に敷いたりするとまったく効果が出ません。
 また、いくつもの防虫剤をあれこれ詰め込むのもやめましょう。シミや変色のもとになってしまいます。
 より効果を高めるためにも、引き出しへギュウギュウに服を詰め込まず、8割程度に抑えるのがコツです。
 また、ぶら下げるタイプの防虫剤はパイプの真ん中に。いくつもぶら下げるのであれば等間隔がベストです。
 最近では無臭のものが多くなっていますが、それでも気になる臭いがついてしまった場合は風通しのよいところにおいたり扇風機にあてたりすると取れます。急ぐときはビニールにその服と、冷蔵庫に使用するような脱臭剤を入れて密封すると良いでしょう。
 大切な衣服ですから長く着続けたいですネ!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 床に落ちた書類を拾おうとしたSさんの、背広背中が裂けていたのを見た。




[あとがき]

 そろそろ日本酒も冷やから熱燗になってくる頃です。しかしお酒を飲んでそのままハンドルを握るのは困り者。さらに、それを悪いこととも思っていない人が沢山いるのですから、法律や免許証とは何のためにあるのかと思ってしまいます。
 事故を起こしてからどれだけ悔やんでも取り返しがつきません。あなたの家族を加害者の家族にしないためにも、飲み会へは車は置いて出かけましょう。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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