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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第159号

==警視庁メールマガジン第159号==
                                   発行日:07/07/27



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●自然災害の対策をしよう

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●直後の3日間

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●準備だけしたら終わりやないで

[防犯ミニ知識]
●遅れる避難

[ほんの一口〜読者の声]
●救援物資を送ろうとしたら

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●「たいしたことない!?」センサーの危険!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]

●自然災害の対策をしよう

 長雨・洪水、台風の被害も覚めやらぬ中発生した地震は、新潟に大きな被害をもたらしました。3年前の新潟中越地震の被害からやっと復旧した地域においても、被害は小さくはなかったといいます。
 地震のことだけでなく、これから起きてくる台風などの被害にどう対策をしておくべきなのか、しっかりと学んでおきましょう。
 尚、日本赤十字社では、「熊本県大雨災害義援金」「平成19年新潟県中越沖地震義援金」を募集しています。皆さんのご支援をお願い致します。


 


[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●直後の3日間

 比較的大きな地震が発生し、被害が甚大であった場合によく、「最初の3日間」という言葉が出てきます。耳慣れないこの言葉も、頻発する地震のために少しずつ周知されはじめてきました。
 最初の3日間というのは、地震の被災地域が自力で生き延びることを要求される期間です。阪神・淡路大震災では、救援物資を届けるためのシステムや救助体制が地震発生後4日目から動き始めたと言われています。
 幸い今回の新潟中越沖地震においては、1日目からシステムが動き始めていましたが、それでも、今後の地震においてこのようにスムーズな救助活動が行われるかはわかりません。道路が寸断されてしまったような場合は事態の把握までに時間がかかります。
 今では非常食といっても様々なバリエーションがあり、保存期間も飛躍的に伸びました。3日間分の食料をセットにして販売している非常食セットも沢山あります。
 私の知人は、家にも非常食を備蓄していますが、念のためと車のトランクルームにもペットボトルの水を放り込んでいるそうです。普段には邪魔になるかも知れませんが、家も車も潰される、というケースはあまりないでしょうから確率的には良いのかもしれません。
 また、ガスや水道の復旧にはかなりの時間がかかり、給水車はあっても調理のための火は案外確保に苦労するものです。携帯用コンロなどもそなえておくのがいいでしょう。
 地震だけでなく台風やその他の災害においても、食べ物飲み物が十分にない状況は、人に著しいストレスを与えます。救助にそなえるためにも、「いつ発生してもおかしくない」という気持ちでしっかり対策しておきましょう。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●準備だけしたら終わりやないで
 
 今回の新潟の地震で、役所が薬を配布しようとしたら、一年前に使用期限が切れていたなんてとんでもないことが起きたようやな。しかも役所側はそれを1年前の点検の時に知っていながら手配しとらんかったとか。何のための備えかわからへんなぁ。使われへんかったらそれただのゴミやん。
 関西はやっぱ前に阪神淡路大震災を経験しとるから、それなりに用意しとる人は多いで。年一回、非常持ち出し袋を点検して、賞味期限切れとったら非常食の交換するとかな。それからサランラップに代表されるキッチンラップとか、ビニール袋も入れてあるな。ラップはホンマに大活躍やったらしいからな。
 使い捨ての紙製品使こうたらええと思うやろ?あれな、最初はよくてもゴミが増えるだけやねん。そら日常においてゴミを出したら回収しにきてくれるところならええけども、地震直後のところやとそうもいかんからな。ラップやったらそうかさばらんからゴミにしても場所とらんし。使い捨て容器は地震の時は、場所によって良し悪しやな。
 それと、こっからは台風や大雨の時の話なんやけど、こういうのは警報が出た時点で家でおとなしくしとるもんや。毎回、田畑を見てくるだの川を見てくるだの出て行く人がおるけど、いくら大事や言うても、人の力で出来ることなんてなんもあらへんで。水の流れ言うたら車を簡単に流してしまう。田畑が大事でも命あっての物種言うやろ。
 また、台風が通り過ぎたら即安心というわけでもない。しばらく河川には近寄らんこと。水かさを増した川は子供には面白く見えるのかも知れんけど、近寄らないように教えんとあかんで。
 それから、どんな災害にもいえることやけども、近くの避難所の確認や、実際避難する時にはどこのルートを通るべきかも調べておいた方がいい。避難するように言われて家族で逃げている最中、土石流に巻き込まれたというケースもあるから、できるだけ安全なところを通っていけるように見ておいたらええやろな。
 非常食をそろえたから大丈夫、防災マップがあるから大丈夫ではなくて、本当に使う場面になった時、ちゃんと使いこなせるか、が大事なんやで。




[防犯ミニ知識]


●遅れる避難

 あなたの地域で地震が発生し、津波警報が出て避難指示が出された場合、あなたはどうしていますか?過去の避難勧告が出た例では、半数近くの人が避難せず、自宅にいたということが報告されています。
 もちろん中には、「避難したくても体が不自由で出来なかった」「避難場所がわからなかった」という方もおられ、一概に「危険を過信した」と言う事は出来ません。けれども、「大したことないから」「避難するほうが危険」という理由で警報を無視することは、決して安全とは言えません。
 過去夏の海水浴場で、地震が発生し緊急避難命令が出たときに、ライフガードの度重なる警告を無視し海岸に留まっていた家族連れがいました。海上自衛隊が来ても父親が文句を言う始末で、半ば強制的に連れ出されて渋々避難という結果になりました。最終的に被害はありませんでしたが、こういった警告を軽く見て、命を落とす人がいるのも現状です。
 何もないだろうから、大したことないからという理由で警報や勧告を甘く見ていれば、救助が必要になった事態に陥っても助けが遅れることがあります。
 テレビに救助の様子が放映される中、レスキューに毒づきながら助けられる人がいますが、見た目決して気持ちのいいものではありませんし、恥ずかしいものです。
 一方で、明らかにがけ崩れの危険があるのに、高台の家には避難勧告を出しても、その下の住宅には出さなかったという行政の甘さも指摘されています。
 自然災害が発生した場合、隣近所で情報を交換しあって、必要であれば早めに避難する、自然の力を甘く見ない、避難指示が出れば必ず避難するという風に、場合に応じての対応が必要となってくるでしょう。
 危険だと言われているのに自宅へ留まり続けるのは、決して格好の良いことではありません。家族を危険にさらさないためにも、安全な場所に避難してください。

 


[ほんの一口〜読者の声]

 
●救援物資を送ろうとしたら
「この間の地震で、家にあった布団とか服を送ろうとして問い合わせたら、個人からは受け付けてないので…と言われました。これはどうしてなんでしょうか?必要なものなのでいくらあってもいいと思うのですが」

 広報課からお答えします。
「被災地に送られる救援物資は、被災地の自治体がそれぞれ仕分け、配給作業をします。そのため確認や整理に時間がかかり、被災者の手に渡るまでに何日もかかることが珍しくありません。また、その間にもどんどん新たな物資は送られてきます。食べ物が含まれていた場合腐ってしまうことも珍しくありません。
 今年3月に発生した能登半島地震でも、全国からどんどん物資が送られてきて、本来の救助活動よりもこれらの整理、処理に時間がかかってしまったと言われています。
 そのため、場合によっては個人からの受付を停止し、企業と提携して救助物資を受け付けるという形もとられています。
 今回は義捐金を受け付けていますから、そちらに切り替えた方が被災者の人達にとっても助かるでしょう。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●「たいしたことない!?」センサーの危険!

 こんにちは!交通課の由美ですvv夏休みが始まって、昼間でも学生さん達を見かけますが、あまり夜まで出歩かないようにして下さいね。場所によっては補導対象になってしまいますヨ!
 さて今回の裏ワザは、裏ワザというよりも知っておいて欲しいことのお話です。
 防犯ミニ知識の項目でも多分取り上げられていると思うのですが、人は何故すぐに避難しないか、ということについて、「大したことではない」と考える「正常性バイアス」というものが大きく関係しているということです。
 どんな災害においても「たいしたことじゃない、大丈夫」と考えることは、一見冷静な行動がとれるように思いますが、実は逆で、危険を察知する能力を大きく阻害してしまうものなのです。
 例えば火災報知器が鳴ってもすぐに火災と考えずに「誤報か、誰かのいたずらかな」と考えたり、津波警報が出ても、「大げさに言っているだけだろう」と考えたりすることが、この正常性バイアスが働いているといえます。これは決して良いことではありません。
 テレビを見ていて災害で逃げ遅れて亡くなった人の報道がされると、「何故逃げ遅れたか」ということが指摘されます。その原因の中にはこの正常性バイアスが働いて、逃げるタイミングを逃してしまったことも含まれると考えられます。
 そしてこの正常性バイアスは一人より大勢でいる時により働きやすく、例えば9.11の時にも、悠然と仕事をしている人の姿を見て「なんだ、大丈夫なんだ」と避難をやめて仕事に戻り、犠牲になった人も沢山いるとみられています。
 自分ひとり避難するのはカッコワルイと思わずに、何か危険が発生しても「これくらい」と思った時は「正常性バイアスが働いているかも?」と考え、素早く避難しましょう。
 ただし、飲酒運転で「これくらい大丈夫」と思うのは絶対にダメですよ!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 この間係長が「そこのアレをコレしてあーしといて」と言った。
 わかりません。




[あとがき]

 まだあと5ヶ月を残していますが、今年は本当にあちらこちらで自然災害の発生する一年であると実感しています。思わず自分の家でも持ち出し袋を確認しました。子供も学校で避難所についての話し合いがあったといいます。災害は待ってくれませんから、万全にそなえておくしかありません。被災地の皆様には一日も早い復興をお祈りしています。
 それではまた。

[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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