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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第169号

==警視庁メールマガジン第169号==
                                   発行日:07/12/14



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●平成20年洞爺湖サミットにおけるテロ警戒について

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●裁判員制度とニュース報道

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●まだ騙されるか、振り込め詐欺

[防犯ミニ知識]
●こんな歩き方は危ない!

[ほんの一口〜読者の声]
●灯油の盗難について

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●残り湯で洗濯、ちょっと待って!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●平成20年洞爺湖サミットにおけるテロ警戒について

 来年7月にサミットを控え警視庁では、都内での空港、駅などにおいて厳重な警戒を実施します。
 また、日本を対象とする情報活動についても国内で17年、18年と2年連続で違法な情報収集が摘発されており、警戒を強めていきます。
 05年7月のイギリスにおけるグレンイーグルズ・サミット開催時は、ロンドンで同時多発テロが発生しており、北海道以外の地域や公共交通機関などへの警戒も必要となってきます。
 不審物を発見したら不用意に触れない、ただちに通報などのご協力をお願いいたします。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●裁判員制度とニュース報道

 平成21年までにスタートする予定の裁判員制度。日本にはなじみの薄い制度とあって、今の段階においても各メディアでいろいろ取り上げられ、また、国民の関心も高いようです。
 実は戦前に一度似たような制度が導入されていたのですが、あまり権限もなく、参加できる条件もかなり限られていたために戦争の激化とともに消滅しています。
 さて、詳しい仕組みは政府の専門サイトに話を譲るとして、まず、すべての犯罪の公判に裁判員制度が導入されるわけではありません。主に、殺人や強盗、放火など、極端な言い方をしてしまえば私の所属する捜査一課が担当する犯罪が中心となります。(もちろんわかりやすい言い方をしているだけで、すべてではありません)
 また、導入は地方裁判所で行われる一審だけですので、たとえば判決に不服のある当事者が控訴したからといって、控訴審に裁判員が出席することもありません。
 前置きはこのくらいにして、裁判員制度の導入にあたって私が一番気をつけるべきだと思うのは、事件のマスコミ報道です。どのような事件も、報道の仕方ひとつで大きく印象が変わります。例えば、加害者が被害者に逆恨みしてこれを殺したと報道されていたものが、他局では、実は被害者が加害者に対してひどいことをしていたと逆の報道をしていることもあります。
 殺人を犯したという事実に変わりはありませんが、その経過がどうだったかで科される量刑も変わってきます。同情の余地なしとなれば実刑、大きな同情の余地があるとなれば執行猶予付き判決という違ったものになるでしょう。
 もちろん裁判員として選ばれた場合、この先入観のまま刑を判断するということはありません。膨大な資料や証拠に基づいて事実はどうであったのか、どのような状況であったのかが判断されることになります。その中で証拠以外の、例えば「テレビでこういう報道をされているのを見た」という主張があれば、裁判官が指摘をして、証拠に基づく公平な判断が下せるようにするでしょう。
 ただ、そうして是正はされるにしても、一度もった先入観というものは捨てがたいものです。我々も時として、捜査方針が固まるとそれからずれたことに関して、考えを訂正しにくいこともあります。
 裁判員制度が導入されれば、報道もいかに公平を心がけるか、ということについて考えるべきではないかと思います。面白ければいい、視聴率を取れればいいというような報道は、被害者加害者の人生を誤った方向に導いてしまうだけです。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●まだ騙されるか、振り込め詐欺
 
 このメールマガジン読んどる人なら「また振り込め詐欺の話か」と思うやろけど、今年も相変わらずこの手の詐欺は横行中や。
 振り込め詐欺全体としてみると数自体は減っとる。いわゆる初期の手口の「オレオレ詐欺」や「架空請求詐欺」に関しては引っかかる人がぐんと減った。
 そのかわり去年の約10倍に被害件数が増えた振り込め詐欺がある。それが、何度も取り上げられてる「還付金詐欺」や。
 もちろんこの還付金詐欺は昨年6月に存在が認知された犯罪だから、去年と比べて今年は多いという言い方も正確やない。むしろ認知されたからこそこちらに分類されるようになった、というべきかもしれん。
 ま、ともかく、年金問題と比例して「税金が還付される」「払った医療費が戻ってくる」ということに関心を寄せ、騙される人が増えてきたっちゅーことやな。これから年末年始に向けて実家に帰省したり、じーさんばーさんの家に行く人も増えると思うけど、せっかくやから土産話のついでに還付金詐欺の話もしとくのがええで。
 ATMを操作している時に携帯電話で話している人がおったら、俺なんか結構その人を観察してしまうんやな。操作とまったく関係のない話をしてる人ならええけども、明らかに次の手順を聞いているとか、口座番号を復唱しているというような場合は要注意や。
 普通振込先は、請求書とか書類とかメモなど、書いたものを見ながら行うのが基本やろ。それをしないで電話で聞きながらということはこの還付金詐欺に遭っとる可能性が高い。特に高齢者の場合な。
 まあ普通の人間は声かけにくいやろから、金融機関の人間にこそっと知らせる余裕があればそれくらいでええとは思う。無理に声かけて違っとったら恥ずかしいしな。店やコンビニのATMやったら余計声かけにくいやろし。
 俺は探偵やし、一応振り込む前に一声かけて確認させてもらうことにしとるけどな。自己満足みたいなもんや。
 ともあれ、電話一本でお金が戻ってくるとか思たら大間違いや。とる時はごっそり行くくせに、返すのはとことん渋る、それが国っちゅーもんやで(笑)。




[防犯ミニ知識]


●こんな歩き方は危ない!

 先日、ある駅のホームにおいてイヤホンをしてラジオを聴いていた学生が、ホームへ入って来た電車に気がつかずこれと接触して死亡するという事故がおきました。
 この学生だけにとどまらず、最近、音楽を聴きながら歩く、携帯電話を操作しながら歩くという人が目立ちます。
 その行為自体に違法性はまったくありませんが、周囲の騒音や気配に対して注意を向けなくなってしまうため非常に危険です。
 携帯電話を操作しながら歩いていて、信号が赤になったのに気がつかず道路へ出てはねられたケースもたくさんありますし、音量を大きくして音楽を聴いていたため、後ろからやってきたひったくりに気付かずバッグを奪われたという事件も多発しています。
 ひったくりが発生する時刻は夜6時から深夜2時くらいがもっとも起きやすく、狙われた被害者の96%が女性であるという統計が出ています。男性だから安心というわけではありませんが、狙った理由としては、携帯電話を操作しながら歩いていた、音楽を聴いていてこちらに気がつかなさそうだった、というものが多く、防犯面においても危険であることがわかります。
 また例外的に、携帯電話を操作しながら自転車に乗っていて歩行者に気付かず衝突し、歩行者を死なせるケースも珍しくありません。
 防犯のためには夜道、携帯電話で誰かと話しながら歩いて帰るのが安全、と言っているところもありますが、話に夢中になるあまり周囲への注意を怠っていては意味がありません。夜道、携帯電話で話している女性の後をつけ、マンションへ入る瞬間を狙って押し入り強盗をはたらいた例もあります。
 話していても定期的に後ろを振り返ったりあまり話に夢中にならないようにする、時には話しているふりだけするというように、うまく活用してください。
 携帯電話も音楽プレーヤーも使いこなせば楽しい道具です。けれども、夢中になりすぎると狙われる対象にもなってしまいます。
 事故に遭わないため、犯罪者に目をつけられないため、適正な使用を心がけましょう。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●灯油の盗難について
「地域がら敷地内に灯油タンクを設置しています。灯油価格の値上がりにともない、近所でもタンクから灯油盗難の被害があったみたいです。どのような対策が必要でしょうか。」

 広報課からお答えします。
「家のドアにはかぎをかけますが、タンクに対しては何も設置していないというところがほとんどです。タンクのふたに鍵を設置する、タンクに家人以外が簡単に近づけないよう扉や柵を死角にならないよう取り付ける、夜間の防犯灯をつけるといったような、泥棒が侵入しにくい対策を取られるのが一番です。人が近づくとライトが点灯する感知型ライトや、防犯用ダミーカメラの設置も効果があると思われます。
 車やバイクなどについても、振動を感知する防犯装置を取り付けたり、会社などで車両を保管している場合は監視システムの導入が安全でしょう。
 また、地域でも声を掛け合って不審者の発見に努めたりするようにして下さい。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●残り湯で洗濯、ちょっと待って!

 こんにちは!交通課の由美ですvv今月も半分過ぎました。年末まであと半月、いよいよ忙しくなってくるシーズンです。こんな時こそ気を引き締めて安全運転を!
 さて今回は、お風呂の残り湯で洗濯をするという皆さんに気をつけてほしいお話をひとつ。
 お風呂の残り湯で洗濯をすると水道代が1回分節約できて、水も無駄に使わなくてすみますね。最近ではくみ上げポンプも簡単なものがでてきて、一層残り湯を活用している家庭も多いでしょう。
 ところが気をつけてほしいのは、洗濯物の中にポリエステルや毛糸などの衣服があると、逆効果だということ。これらは汚れをとても吸収しやすいため、残り湯に含まれる脂肪や垢で余計に汚れることになってしまいます。
 これらの服を洗濯する時にはもったいないなと思っても水道水を使うようにした方が、結果的に経済的であるといえます。




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 交通課の由美さんが、「焼き芋屋さんが速くて追いつけない」と文句をいっていたけれどもこないだ、焼き芋屋のトラックを前に立ちふさがって強引に止めてました。しかも「3000円分買うからおまけしてよ」とか無理言ってました。




[あとがき]

 今年は企業の不祥事発覚の年と言ってもいいくらい、毎日偽装発覚のニュースが報道されていました。老舗でさえ日常的に偽装が行われていたのならば、私たちは何を信じて物を購入すればいいのでしょうね。管理を徹底していただきたいものです。来年はもっと明るいニュースが日々報道されることを願います。 
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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