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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第173号

==警視庁メールマガジン第173号==
                                   発行日:2008/02/08



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●東京マラソン2008開催が迫ってきました

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●殺人罪適用

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●遺族の怒り

[防犯ミニ知識]
●「出会い系サイト」に書き込んだら処罰される?

[ほんの一口〜読者の声]
●探偵の尾行は違法ではないの?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●車間距離を見誤りやすい色とは?

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●東京マラソン2008開催が迫ってきました

 昨年メールマガジン170号でお知らせしました通り、東京マラソン2008が2月17日に開催されます。それに伴い交通規制などが発生いたします。
 コースにともなって規制時間は変化しますが、最長6時間以上車両の通行が制限されます。
 また、首都高速道路の出入り口も規制されます。
 歩行者のコース横断も規制されますので、歩道橋、地下鉄出入口等をご利用ください。
 コース付近の住民の方は予めご確認ください。
 
 東京マラソン2008
 http://www.tokyo42195.org/index.html




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●殺人罪適用

 刑法第二十六章では殺人の罪について、「第199条(殺人) 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」と定めています。殺人罪についてたったこれだけの文章です。
 もちろん現実の事件はこんなに単純ではありません。人を殺したといっても、明確な殺意を持って犯行に及んだのか、暴行や傷害の結果死亡に至ったのかを調べなくてはなりません。
 最近話題になったとある事件でも、被疑者が傷害致死容疑となっていることに対して「人を殺しているのだから殺人だろう」という指摘が警察にも寄せられました。しかし、人が結果的に死んだから殺人罪というのは法律では通用しないのです。
 以前にも述べましたが私達警察は、逮捕権(法律に定められた状況、職員を除く)というものを持っています。それが行使される時には最大限の注意を払う必要がありますし、「私はこう思うからこの罪で逮捕します」ということは出来ません。
 不幸にも被害者の方が亡くなられた場合においても、被疑者が殺すつもりで危害を加えたのか、ケンカやその他の延長上に死亡があったのかにより、適用される罪状が大きく異なることになります。
 殺人罪で立件、裁かれることになったとしても、被告人が「殺すつもりはなかった」となると、殺意があったことの証明が証拠として出されているか、立証できるかが問題になってきます。ここでその証明が不十分であると、検察の求刑よりもぐっと低い量刑が判決として出ることになります。
 殺意を立証するというのはいわば被疑者の心を形として証明するということです。非常に難しいことです。
 言いかえれば、第三者を持ってして「明確な殺意があった」と納得させられるだけの証拠を、警察が捜査の中で揃える必要があるということです。
 最近では理解に苦しむ犯罪も増えました。人が死ぬところを見てみたかった、殺人をしたいものが集まって行動に移してみたかった等など、殺意というよりもゲーム感覚で殺人を行っているように思えます。
 こういった人間に対して殺人罪を適用したとしても、彼らが下された量刑の中で反省・更生することはあるのか、いささか不安ではありますね。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●遺族の怒り
 
 日本の司法は犯罪者に甘いと言われる。下される量刑が諸外国に比べて軽いんやな。
 確かに殺人でも「なんでこんなに軽いんや?」というような判決が下ってビックリすることもある。こうなったら遺族はたまったもんじゃない。家族を殺され、犯人は数年もすれば外に出てきて生活を取り戻す。到底納得いかんやろな。
 こういう動機がもとで、トリックを仕掛けて憎い相手を殺害するというような犯罪はいくつも見てきた。復讐の方法として同じ殺人でやり返すというのは、相手と同レベルになるということやから実行することはいかんと思う。やるせない気持ちに突き動かされて、行動に移してしまう気持ちはわかるけどな。
 ただ、ほとんどの遺族は裁きを法にゆだねて見守るだけや。法廷で被告人に対してどのような裁きが下るかを、固唾をのんで見守るだけ。
 ある時、殺人事件の何度目かの公判があった。俺もちょっと事件にかかわりがあって、傍聴席で見とったんやけどな。最前列には子供を殺された親が必死に裁判の行方を見守っていた。
 被告人が席に座った瞬間、突然その親が身を乗り出してヒモでもって被告人の首を絞めた。法廷内は騒然となり、俺もあわててその親を止めに入った。幸いにも被告人にはケガはなかったが、親が柵を踏み越えようとしたから関係者がやっとのことで取り押さえた。俺はもう片方の親を制止するんで精いっぱいやったけど、必死になった人間の力はホンマすごいで。
 そこで一旦休廷となって、俺は親と一緒に外へ出たけど、気持ちもわかるし、かけられる言葉なんてないわな。
 しばらくして「もう大丈夫」というので戻って公判は再開された。
 この日は検察が求刑をし、判決日を決めて結審したけれども、最初反省しているようには見えなかった被告が最後深々と親に頭を下げとった。
 この被告が本当に反省したかどうかはわからんし、頭を下げたからといって遺族の怒りや悲しみが和らぐもんでもないと思う。
 「謝るくらいなら何故殺した」と、そう言った親の言葉が俺の心にいつまでも残っとる。
 罪を償ったとしても命は戻ってこない。それがわからん人間がこの世の中には多すぎる。




[防犯ミニ知識]


●「出会い系サイト」に書き込んだら処罰される?

 いわゆる「出会い系サイト」を未成年が利用してトラブルや犯罪になるケースは毎年多発しています。中でも、「金銭を伴う異性交際を持ちかける書き込み」をして逮捕もしくは補導されるケースが増えています。
 未成年の方から時折問い合わせがありますが、「未成年であれば逮捕されない」というのは間違った認識です。
 出会い系サイト規制法(正式名「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」)において、18歳未満の児童が性交渉の相手方となるような誘引をしたり、対償を示して交際の相手方となるように誘引するような書き込みをすれば罰すると定めています。もちろん児童だけでなく、成人であってもこのような書き込みは罰せられます。
 ですから、「私は中学生だから大丈夫だわ」というような考え方は間違っています。
 また、運営側においても法律で、児童が利用することを禁止していますので、年齢確認をきちんと行っていない事業者は罰せられることになります。
 具体的にはどのような書き込みが違法となるのでしょうか。
■性交渉の相手方となるような誘引の例
・「中学生の女の子でHしてくれる人探しています」
・「こちら高生女です。H相手募集」
■対償を示して交際の相手方となるように誘引する例
・「¥3くらいで高校生、メール待ってます」
・「家出したいけどお金ない。資金くれたらお茶つきあうよ」
 こういったものになります。
 処罰としては、100万円以下の罰金とされています。
 軽い気持ちで書き込んだことがどれだけ重い罪になるか、安易な気持ちでこのようなサイトを利用することのないようにして下さい。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●探偵の尾行は違法ではないの?
「誰が雇ったのかわからないのですが、多分探偵だと思う相手にこのところ毎日、どこに行くにも尾行されて困っています。ずーっと後をつけてきます。これは嫌がらせとかで犯罪にならないのでしょうか?」

 広報課からお答えします。
「単に人の後ろを歩くというだけなら問題にはなりませんが、ご相談のケースのような、相手が気付いているにも関わらず、執拗に付け回す行為というのは軽犯罪法に抵触します。
 いつまでも続く場合は最寄りの警察にご相談ください。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●車間距離を見誤りやすい色とは?

 こんにちは!交通課の由美ですvv都内に雪が降ると、車同士の事故が増えます。ちょっとだからと油断せずしっかり冬用タイヤやチェーンを装備して下さい!ノーマルタイヤは周囲の車にも迷惑になってしまいますよ。
 さてさて、こんな時期気をつけたいのがスリップ事故。巻き込まれないようにするためにも知っておいてほしいのが、車の色には距離を錯覚してしまうものがあるということ。
 それはズバリ黒色。
 エッ黒色の車を見たら思わず避けてしまうけどなぁ…と思うドライバーさんもおられるでしょう。確かに黒光りする車などにはあまり近づきたくないもの。
 しかし黒色というのは目の錯覚で実際より小さく見え、周りの空間が広いように感じられてしまうのです。そのため距離感を見誤って追突や割り込みでの接触事故のもとになることが多いのです。
 もちろん事故の統計を取っているわけではなく、これはあくまでも錯覚を起こしやすいという話。
 色がどうであれ、車間距離はきちんととって安全な運転をしましょう。ドライバーさんの意識次第で事故率は高くも低くもなります。




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 商店街の福引でペア温泉旅行をあてたSさん。
 奥さんに話をしたら、奥さんと娘がさっさと旅行に行ってしまったらしい。




[あとがき]

 国内の食品偽装事件が収まりかけたと思ったら、それどころではない大問題が持ち上がりました。日々私達の口に入る食べ物の安全くらいは、しっかりと確保してもらいたいものです。そうでなくては何のための検査機関があるのか分からないですからね。
 家族や子供には安全なものを食べてもらいたいです。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
転載を希望する場合はご連絡下さい。


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