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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第174号

==警視庁メールマガジン第174号==
                                   発行日:2008/02/22



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●新たに麻薬指定された物質について

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●念入りな偽装

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●サスペンスドラマのからくり

[防犯ミニ知識]
●迷惑メール罰金が上限3000万円に

[ほんの一口〜読者の声]
●ウィルスの命名は誰?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●毛布をクッションに

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●新たに麻薬指定された物質について

 法律で所持・使用が禁止されている薬物について、平成19年に下記の物質が新たな指定を受けました。
 「ケタミン」…麻酔、鎮痛作用
 「メチロン」…枢興奮作用
 ※解熱鎮痛剤(スルピリン製剤)として医療機関で使用されている「メチロン」とは異なります。
 医療機関等で全身麻酔剤であるケタミンを使用する場合は、麻薬取扱者の免許が必要になります。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●念入りな偽装

 殺人を犯す人間にはいくつかのタイプがありますが、その中でも警察の手を一番煩わせるのは犯行現場を偽装工作するような人間です。人を殺しておいてその罪から逃れようとは到底許されることではありません。
 このメールマガジンでも何度か紹介してきましたが、不自然に工作された現場というのは必ず見てわかります。被害者が刺されて倒れただけなのか、それとも他から運び込まれてそこに横たえられているのか、この違いは犯人にはわからずとも刑事には一目瞭然です。
 また、血痕もごまかすことはできません。
 とある殺人事件では、「消えた被害者らの血痕が家の外に落ちていたから連れ出されたに違いない」ですとか、「いや、血痕は外一か所にしか見つかっておらず、家の中には犯行現場以外に落ちていないから(外へ出たかは)わからない」というような意見が交わされました。
 刑事としてその血痕を見るならば、落ちていたからどうこうではなく、どのくらいの高さから落ちたか、どういう方向に移動している時に落ちたのかを観察します。その結果、被害者の体を外へ向かって運び出している最中に落ちたもの、ということがわかります。ですから、被害者が刺されたか暴行を受けたかして怪我を負った後、自力で歩いてではなく、加害者によって運び出されたという結論になります。
 さて前置きが長くなりましたが、このようなことは専門書を読めば誰にでもわかることです。そのため計画殺人を行おうとする犯人は念入りに、自分の計画にミスがないかよく確認するものです。
 私が手がけたある事件の犯人もそうでした。犯行現場をあれこれと偽装すればかえって怪しくなることを十分理解しており、不自然に見えない細工を行いました。被害者は外から入って来た強盗に襲われて命を落とし、強盗は金品を奪って立ち去ったという筋書きが警察によって裏付けされるはずだったのでしょう。
 ところがこの犯人はわりとあっさり逮捕されました。
 もちろん現場を捜査した刑事が、根気強く調べた結果偽装の疑いがあると見抜いたことが大きいのですが、この犯人間抜けなことに、偽装は念入りにしたものの、自分のアリバイを作ることをすっかり忘れていたのですね。よほど自分は疑われないと思っていたのかわかりませんが、犯行時刻のアリバイがなかったため任意同行をかけられ、そのまま自白ということになりました。
 ま、念入りに計画を立てたつもりでも必ずどこかに穴はあるものです。本人がそれに気付かないだけなのですけどね。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●サスペンスドラマのからくり
 
 今回はちっと防犯とは違う話をすんで。雑学みたいなもんやな。
 うちのおかんも好きでよく2時間サスペンスドラマを見とるんやけど、「なんでこんなところに一人で行くんやろな」とか「あからさまに危ないてわかるやん」と突っ込みながら見てるからやかましいことやかましいこと。俺はあのタイトルの方に突っ込みたいけどな。「雪国旅情サスペンス、なんとか温泉湯けむり殺人事件」とか。
 ともかく、この手のサスペンスものに多いのは大体が転落死。ビルから飛び降りて死んだと思っていた人が実は突き落とされて殺されていた。最初は自殺と断定していた警察も、調べていくうちに他殺だとわかり、容疑者を絞っていく…その傍らで事件に巻き込まれた主人公の方がなぜか、警察より先に犯人割り出したりな。
 こういったあらすじが多くなりがちなのは、自殺と思ったら他殺だったという方法が一番展開しやすいのが転落死やから。あんまり刃物で刺して死んだり水死したりしてるのを最初から「自殺」と断定する警察はおらんしな。
 つまり、警察が熱心に捜査しないから主人公が率先して調べるという筋書きが必要なわけや。そして犯人を調べていく傍らで危険な目にあったり別の人が殺されるというのがますます視聴者の興味を引くんやな。
 結末は大抵2つのタイプに分かれる。本当に殺意があって殺した後偽装をしたのがばれて主人公を殺そうとするのと、殺すつもりはなく被害者ともみ合ううちに被害者が転落死してしまい、あわてて逃げたのと。前者の場合はそれこそ王道パターンの、崖に呼び出して主人公が最大のピンチになるやつな。後者の場合はお涙ちょうだいの動機が語られるシーンから警察が来て連行という展開。
 大体のあらすじは決まっとるサスペンスドラマやけど、その裏にはそれなりにつじつまを合わせようとする演出があるんや。たまにしょうもない、「誰が考えたんや」というものもあるけど、こういう裏を知った上で見ておくと面白いかも知れんで。俺は見てすぐ犯人が誰かわかるようなんは勘弁やけどな。




[防犯ミニ知識]


●迷惑メール罰金が上限3000万円に

 メールボックスを開いてメールを受信すると大量に送られてきているのが迷惑メール。メールサービス提供側があの手この手でフィルタリングしても、それをすり抜けて毎日何十通と届くこのメールは鬱陶しいことこの上ないですね。
 先週2/15には、迷惑メールを22億件送信したとして特定電子メール適正化法違反の疑いで、居酒屋従業員の男が逮捕されています。本人は副業のつもりでやったということですが、所定の内容を満たさない広告メールを大量送信することはもちろん違法です。最近インターネットでも「簡単に稼げる仕事」「パソコンさえあればできます」として、このようなメール送信を仕事として斡旋するところがありますが、そこが違法行為を行っていないか十分確認することが必要でしょう。
 さてこの迷惑メール対策として総務省が法律改正案を出しているのが、罰金の引き上げ及び送信者の情報明示義務化です。
 広告・宣伝メールを送る場合業者は、まず受信者の承諾を得ることが必要となります。いったん同意を得ても途中で断られれば送信を中止しなければなりません。
 送信者は氏名・名称・連絡先メールアドレスを明示する義務があり、送り先からどのような形で同意を得たのかの記録を保存する必要があります。
 また、現行法では適用外であった海外発の迷惑メールにも同じように規制対象になります。
 送信先メールアドレスを偽装して送る、同意を得ない送信などで総務省からの改善命令に従わない場合、罰金の適用が最高3000万円となります。
 軽い気持ちで送信した広告メールで罰せられるようなことのないよう、ルールはきちんと守りましょう。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●ウィルスの命名は誰?
「新しいコンピューターウィルスが出るとニュースで流れますが、あれは誰が名前をつけているのでしょうか?発見者ですか?」

 広報課からお答えします。
「新しいウィルスが発見された時、これはセキュリティソフト会社が、自社の命名基準に従って名前をつけています。そのため、1つのウィルスに対して複数の名前がつけられるということも珍しくありません。
 その後、ニュースで使われたりユーザーが使う際にだんだんと1つか2つに絞られていきます。
 ただし、複数の名前があると混乱が生じるためアメリカではすでに2005年から、ウィルスに対して識別IDを取り入れて区別する取り組みが始まっています。
 これはCommon Malware Enumeration(英文)で見ることができます。
 http://cme.mitre.org/




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●毛布をクッションに

 こんにちは!交通課の由美ですvv東京マラソンに参加された皆さんお疲れ様でした!来年は私も参加したいなァ〜。
 今回の裏ワザは、これから春に向けて使わなくなってくる毛布の上手な収納方法についてです。
 今は便利な圧縮袋が出ていますから、押入れに収納しておいても邪魔にならないことは確かですが、これだとしまう時にも、出して使う時にも少々時間がかかって不便なもの。
 むしろ、キルティングの布などを使って大きめの袋をつくり、一辺にファスナーをつけてその中へ毛布を入れ、クッションとして使ってみてはいかがでしょうか?場所も取らないしソファでうたたねする時、「かけるものを取りに行くのが面倒〜」という場合でもサッと取り出せます。
 収納場所に困っている人はゼヒどうぞ!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 毒入り餃子のニュースが報道され問題になっていた頃、うちの課のSさんが「やたら晩御飯に餃子が出るようになった…」と言っていた。
 冗談か本気か区別がつかなかった。




[あとがき]

 略語辞典なるものが発売されているそうですが、KYなどならともかく、HK(話変わるけど)、WH(話題変更)などはわざわざそういうものにする必要があるのか?と頭を抱えてしまいます。若い人に言わせれば、そういうのを疑問に思う時点で世代が違うのだそうです。なかなか手厳しいですね。
 しかしこういうものの意味を覚えているヒマがあるなら、学校の勉強もそれくらい熱心に…と思ってしまうのはやはり「おじさん」だからでしょうか?
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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