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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第206号

==警視庁メールマガジン第206号==
                                   発行日:2009/06/12



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●やめよう、自転車の危険運転

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●珍しい例が招いた悲劇

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●詐欺られた新人窃盗犯

[防犯ミニ知識]
●許しません、飲酒運転

[ほんの一口〜読者の声]
●一気飲み強要はダメ?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●簡単レシート家計簿!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●やめよう、自転車の危険運転

 梅雨の季節になると、傘をさしてフラフラと片手運転する自転車の姿が目立ちます。視界が遮られるために歩行者とぶつかったり、歩行者を避けて車道にパッと飛び出て自動車と接触するケースも後を絶ちません。
 また、音楽を聴きながら猛スピードで歩道を走り抜けたり、携帯を操作しながら歩行者を避けて歩くといった危険行為もあちこちで見られます。
 自転車は法律上では車両扱いであり、運転には慎重な操作が求められます。
 事故になれば自動車と同じ過失が追及されます。危険な運転はやめましょう。
 なお、自転車同士、自転車と歩行者の接触事故などの場合でも、必ず通報して警察立ち会いのもとで調書を作成して下さい。のちにケガの治療費がかかったような時に、事故証明がなければ保険がおりない場合があります。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●珍しい例が招いた悲劇

 中学、高校生のみなさんなら学校の授業で、血液型について学んだ機会があると思います。
 A型とB型の両親からは、すべての血液型の子供が生まれる可能性があること、O型同士の両親からはO型以外は生まれないことなど。
 ですから子供の血液型が、両親から生まれることのないタイプであれば、「もしかして」と勘繰られてしまうのも仕方がないのかも知れません。
 この事件もそんな誤解が招いた悲劇でした。
 殺人事件発生の一報を受けて我々が現場に駆けつけてみると、すでに「容疑者」の父親は逮捕されており、全身めった刺しにされて絶命している母親と、返り血を浴びて泣きじゃくる生後一ヶ月の赤ちゃんがいました。母親は逃げ回ったのか、まさに部屋中が血痕だらけで、むせかえるような血の臭いでした。
 生活に困っているわけでもなく、特に生前仲が悪かったわけでもなく、なぜ父親がこのような犯行に至ったのか、取り調べの中で彼は、「子供が、生まれるはずのない血液型だったことがわかったから。妻に浮気されたと思ったら腹が立った」と供述しました。
 父親がB型、母親がO型だったのですが、生まれた子供の血液型はA型ということでした。
 つまり、BO型とOO型からAO型が生まれたということになります。病院で血液型を告げられてからこの父親は、母親が誰かと浮気した結果の子供に違いないと悩んでおり、この日凶行に至ってしまったのです。
 科警研で詳しく調べた結果、衝撃の事実が判明しました。
 この子供の遺伝子は、父親のB遺伝子とO遺伝子が組み合わさって出来た「A遺伝子に見間違いやすいもの」であり、つまり血液型はA型ではありませんでした。
 遺伝子の配列がよく似ているために、偶然組み合わさったそれを検査においてA型と間違えて判定されてしまったのでしょう。
 起こってしまった悲劇は取り返しがつきませんが、こういった「判定間違い」によるトラブルはよく起きています。
 刑事の立場から言わせてもらえば、ありえない血液型が生まれたという場合は、まず詳細な検査をされた方がいいでしょう。もめるのはそれからでも遅くありません。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●詐欺られた新人窃盗犯

 この不景気で強盗やらひったくりやら増えとるらしいけど、そんなもんしたかて、町のあちこちにある防犯カメラで捕まるのは時間の問題なんやし、その先のことを考えたら思いとどまることは出来んのかな。
 ともかく、犯行に手を染めようとする人間というのは、あれやこれやの方法で知識を手に入れようとする。
 運よく「強盗の罪で服役しとって出所したばかり」の人間Aと知り合ったBという奴がおったんやな。Bは会社を春に解雇されたばかりで収入がなく、いよいよどっかへ泥棒にでも入るかと思いつめてインターネットのいわゆる闇サイトで情報を探しとる時に、このAを紹介されたというわけや。
 最初その情報に半信半疑だったBはAと出会ってその堂々とした風采に、「これならノウハウを教えてもらえる」とふんだらしい。
 途中、その闇サイトの紹介人だというCと合流し、疲れをいやしに温泉に行きたいとAがつぶやけばすぐに有名な温泉を手配して、旅費はサラ金から借りて来て出し、豪華な食事もおごってやり、せっせと尽くしたわけや。
 ま、この時点でどうなるか、「賢明な」読者のみんなにはわかると思うけども。
 合間合間にAがぽつぽつと話す、「侵入のノウハウ」を律儀にメモへ書きとめつつ、Bは遊ぶ金を出してやったり、Cにタバコを買ってきたりと、そりゃあ健気やったそうやで。(旅館の従業員・談)
 そうして一週間もすると、当然資金も尽きてくる。
 Bが遠まわしに金がなくなったことを知らせると、AとCは一向に動じた様子もなく、それどころか、「ここを拠点にしばらくこのあたりで仕事をするか」と言いだした。
 それを聞いてBは天にも昇る気持ちだったんやろな。
 「まずプランを練るからお前はまず見はりの練習だ」と言われてそのフロアのエレベーターのところに数時間立ちっぱなしや。頭の中は、これから稼ぐ金のことでいっぱいだったんやろと思うが。
 しばらくして従業員がやってきて、立っているBを見つけ声をかけた。このまま逗留を続けるのであれば、前金でもらった分の不足分を一旦払って欲しいと言うたんやな。
 財布を部屋に置きっぱなしだったのを思い出してBが部屋に戻ると、計画どころかAとCは消えうせていた。自分の財布もない。
 従業員が「払えないなら警察を呼ぶ」と言ったところでようやくBは自分が騙されたことに気づいた。
 逃げようとするもそのまま従業員に取り押さえられて、不足分を無銭飲食しようとしたとして警察に突き出された。
 結局AとCはどこにいったか見当もつかず、罪としても立証できるかが微妙ということで、Bが全部追及されとる形なんやな。
 悪いことは言わん、楽して大金稼ごうなんて、なんもホントのことはあらへんで。




[防犯ミニ知識]


●許しません、飲酒運転

 6月1日に朝のニュースで「今日から飲酒運転が厳罰化されました」と言うのを聞いて、あわてて「ハーッ」と自分の息を確認してみたお父さんがおられるかもしれませんね。
 一体どんな改正がされたのでしょうか。確認してみましょう。
 主な改正点は、点数が大きく引き上げられたということです。
 酒酔い運転においては加算されるのは35点で、免許取り消し処分は変わりませんが、欠格期間が3年に延長されました。
 酒気帯び運転においても、呼気1リットル当たりのアルコール濃度が0・25ミリグラム以上の酒気帯び運転の場合、違反点数が13点から25点に引き上げられ、1回の摘発で免許取り消しになります。欠格期間は2年です。アルコール濃度0・15〜0・25ミリグラムの酒気帯び運転の違反点数も6点から13点へと引き上げられ、免許停止処分で停止期間90日間となります。免許停止は15点以上ですので、もし過去に2点以上の違反があれば、この酒気帯びと合わせて、免許停止処分もあり得るでしょう。
 また、事故を起こして飲酒運転の発覚を逃れるためひき逃げしていたケースでも、ひき逃げ単独で特定違反行為となり、免許取消、違反点35点で欠格期間は3年となります。つまり、飲酒していたからと逃げて、酔いがさめるのを待ってから出頭したとしても罪は軽くならないというわけです。捜査で飲酒の事実が判明すれば、被害者が死亡したケースの場合最長で10年、免許の欠格期間が課せられます。
 そうまでして飲酒運転をするメリットはどこにもありません。
 「ちょっとくらい」「自分は大丈夫」という気持ちで、酒を飲んでハンドルを握る人は、ご自分の家族がもし酒酔い運転の車にひき逃げされたらどう思うか、ちょっと考えてみてください。
 それでもあなたは飲んで乗りますか?




[ほんの一口〜読者の声]

 
●一気飲み強要はダメ?
「テレビで、ある事件が報道されていましたが、女の子に一気飲みをさせたようなのですが、これは問題になるのでしょうか。未成年なんだし、飲む方が悪く、断ればよかったんじゃないですか?」

 広報課からお答えします。
「お酒の席で「飲めません」と言おうものなら「俺の酒が飲めないというのか」とすごんでくる人がいます。
 しかし飲むか飲まないかはその人の自由であり、本人が嫌がっているのに脅して飲ませたりすると強要罪が成立します。断れない雰囲気にして、無理やり飲ませることも同様です。
 また、無理に飲ませた相手が急性アルコール中毒になってしまったような場合、傷害罪になります。
 どちらも重い罪ですので、絶対にお酒を飲むことを強要してはいけません。
 未成年と知っていて飲ませた場合は、科料が科せられます。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●簡単レシート家計簿!

 こんにちは!交通課の由美ですvvジメジメの季節がやってきました。今年はきちんと換気をして、お風呂場のカビを防ぎたいと思っています!
 さて今回は、面倒臭がりな私でもやれる、簡単家計簿のお話です。
 収支をチェックしなくていいような収入の持ち主ならともかく、普通は1円でも節約、1円でも貯金というご家庭が多いもの。
 でも毎日使ったお金をチェックして、財布の金額をチェックして、合計を出すのは面倒…という気持ちもあるでしょう。
 そこで用意するのは、大きめの大学ノートと、両面テープもしくはセロハンテープ。
 やり方は簡単、見開き2ページでも片面1ページでもいいのですが、とにかく1日ごとにレシートを張っていくだけ。食費、雑貨、衣料費という風におおまかには分けて下さい。(そのためには、買い物をしたら必ずレシートをもらうクセを!)
 そうして「これいらなかったかも…」と思うものに、わかるようにチェックをつけておきます。
 その後「これからは気をつけよう」と考えること。
 これだけで自分が何にお金を使いすぎているか、何を節約できそうかがおのずと身につき、金銭感覚も養われるというわけです!
 私の場合…化粧品が多いみたいだけど必要な出費ですよネ!?




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 この間交通課の由美さんが交通違反の車に切符を切っている場面に遭遇したが、「交通違反を逃れる裏ワザはありませんか!?」と言われていた。
 由美さんはきっぱり「安全運転して下さい!」と返していた。




[あとがき]

 裁判員が実際に参加する最初の裁判が、8月3日ではないか、という風に取りざたされています。
 まだ詳細については明かされていませんが、事件の内容だけでなく、裁判の雰囲気や被告人の様相によっても、裁判員の受ける印象は左右されてしまうのではないでしょうか。出来るだけそういうことにも気をつけて、公正な判断をしていただければと思います。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
転載を希望する場合はご連絡下さい。


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