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野次馬ニュース
週刊ダウト4月17日号(4月9日発売号)より
去る4月8日(日)、イタリアの某所に於いて盛大なマジックショーが開催された。これは、イタリアン
マフィアが開く、年に数回の恒例。どうやら地元だけでなくマジック界では有名な事実らしい。
このショーの特色は、世界の名だたる名士達が観客としてやってくること、マジシャンの素性はまったく
問われないことにある。
つまり表舞台に立てなくとも実力のある人間だけが参加を許される、ある意味シビアなショーなのだ。
そして日本からは勿論、高遠遙一が参加した。
当編集部記者も、先日の懸賞当選者とともにショーの内容を鑑賞した。
残念ながら、様々な理由によりマジシャンや観客の撮影・インタビューは一切厳禁。ただし、高遠氏
については彼の了承を得た上で会場側に撮影してもらったものが1枚。
このショーの迫力を映像でお届けすることが出来ないのは悔しい限りだが、さすがに撮影でもして
ショーを台無しにするのはマナー違反と思われたのでどうかご了承戴きたい。
撮影された写真はこちらから閲覧可能。
ショーは1人大体20分ほどで、広い舞台を派手に使うマジシャンが殆ど。テクニック重視の人間も
いれば、笑わせる方が得意なマジシャンもいた。
参加者は約15名。20分と書いたが、次のマジシャンのセットを完了するまでのつなぎ的なピエロ
もいたので、実際のところはめいめい好き勝手と思われる。
肝心の高遠氏のショーはというと、やはり贔屓目で見ているのを差し引いても頭一つ抜きん出た
レベルだったように思う。人間の集中力は20分も続かないから、どうしても途中で飽きて目をそらしたり
あくびをしたりするのだが、高遠氏の場合は別。観客からは「えっもう終わり?」というような声が洩れ
(各国の言葉が混じっていたけど、日本語もあったのだ)、アンコールを求める拍手が巻き起こったほど。
これを受けて、すべてのプログラムが終わった後もう一度高遠氏は登場した。
ショーの内容は規制がかかっているため詳しくは書けないが、消失系のマジックに、観客を相手に
行うマジック。観客を舞台に上げるのはよくサクラが使われるが、そういうことがないように進行役の
人間がクジみたいなもので選んでいた。(空気で球形のガラスの中を番号を書いた紙が舞ってるヤツね)
幸運にも懸賞当選者が1人選ばれており、ショーの後バラを受け取って帰ってきた。インタビューは
後ほど。
高遠氏のマジックは世界に通用することを実感させられたショーだった。
これだけで終わるのも味気ないから少しだけ。
高遠氏の番になった時、真紅のカーテンがサッと開き、仮面をつけた氏が現れた。記者達もこのまま
やるのかなと残念に思っていたところ、歩を進めながら彼はスッと仮面を外した。どうやらここは素顔で
披露できるらしい…。
しかしその優雅なこと! 女性の観客からため息が洩れたほどだ(笑)。
自己紹介をしながら(「私は日本ではマジシャンという肩書きよりも、犯罪芸術家の方が有名なんです」
というようなことをイタリア語で言っていたらしいよ)、いろいろなものを出してみせるのはどのマジシャンで
もやるけれども、彼が一風変わっていたのは、その出したものが床へ落ちる間にことごとく消えてしまうのだ。
消失系トリック、といった理由がお分かりいただけただろうか。
観客(我々も勿論)は話を聞きながら、その落ちたものがどこへ消えるのか必死に追ったがとうとう
分からず。しかし、今度は手元を見ていないとどこから出てくるか分からないという、本当に目の離せない
ものだった。(写真ではマントを羽織っているがあれも、挨拶をしながら脱いで空中に消してしまった)
何と言っても終わり方も優雅。天井から消えたはずのマントが舞い降りてきて、それが彼に被さった…
はずがそのままマントは床に落ち、彼の姿も消失。しばらくは歓声と拍手が館内に響き渡っていたよ。
<選ばれた観客のコメント>
懸賞に当たっただけでもラッキーだったのに、まさか舞台に上がれるなんて思いもしませんでした!
すごいかっこいいです!もー笑顔がキムタクよりチョーいいってカンジで、一生ついていきます!それに
最初に上がった時、観客に話をしながら私に小声で、「日本の方?大丈夫、指示は日本語でしますから」
なんて言ってくださったんですよ!すごいじゃないですかー(ここで記者は肩を掴んで揺さぶられた)!
分からなかった時も手を添えてリードしてくれたし!私もう死んでもいいです!ステキです!」
周囲にハートマークを撒き散らしながら、女性はめいっぱい語ってくれた。あまりにも長かったので要約
とさせていただいたことを御許しいただきたい。
またいつの日か開催されるということだが、その時には是非、貴方も鑑賞してもらいたい。リスクを
背負うだけの価値はあると思うよ。
氏が出入りしているHPの方でも大分話題になっていたみたいだ。
高遠さん、お疲れ様でした。
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