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野次馬ニュース
週刊ダウト5月17日号(5月10日発売号)より
新年度に入って1ヶ月あまり。そろそろ5月病にかかる新入社員への対応が、どこの企業でも頭痛
の種だと思われる。
立派な病気であるがこの不景気では仕事に追われて休むこともままならない。
警視庁管轄内の所轄署でも毎年数人は悩む新人警官がいるという。
そこで警視庁は、庁内報にエリートキャリア警視、明智健悟氏の1日を特集して掲載した。
ところが5月1日付けで配布されるや否や、この噂を聞きつけた民間人からの問合せが相次ぎ、
「少しでも悩む人の励ましになるなら」と警視総監は一般への配布を快く許可した。もっとも、それが
目的の人ばかりではないような気もするのだが…。
そしてその記事の掲載許可をもらったのが当編集部である(笑)。
それではその記事を見ていこう。作成は、警視庁総務部広報課。
明智警視の1日、簡単スケジュール表。
8時30分登庁。同35分、部下にイヤミ。同40分、コーヒータイム。9時、○×殺人事件捜査会議。
10時25分、△強盗事件捜査会議。同45分、緊急連絡により現場直行。部下にイヤミ。11時50分、
女性警察官らと昼食、談笑。13時、コーヒータイム。13時20分、捜査方針打ち合わせ。同27分、
少年現る。イヤミの応酬。同28分、髪やや長めの少女とビデオカメラ少年現る。楽しく会話。喫茶店へ。
14時6分、××殺人事件発生、現場へ。同16分、少年にイヤミ。追い払う。同19分、部下にイヤミ。
15時3分、コーヒータイム。同41分、警察庁へ。16時7分、室井参事官と廊下で談笑。16時40分、
総務課へ。取材内容チェック。イヤミ。17時、帰宅。残業しない。
基本的に捜査一課には出勤すべき時間というものはない。捜査中の刑事が殆どであり、定時に
出勤するのは待機している人間のみである。しかし、自然8時30分には殆どの人間が出勤もしくは
仕事に取り掛かっている。
これも、都民の安全を守るという使命感からだと明智警視は語る。
「確かに前日の捜査会議が深夜に及ぶ時もありますし、連日の捜査で疲れきっていることもあります。
ですが登庁すれば不思議と疲れは吹き飛びます。仕事に対して全力で打ち込んでいますよ」
5月病にかかる新人警官について聞いてみた。
「警官になる、という夢を持って入ってきた人がよく悩んでいるようですね。君達はまだまだすべきことが
山のようにあります。赴任した時点ではまだ警官になったとは言い切れません。都民の安全を守り、
犯罪を未然に防いでこそ、君達の目標は達成されたというべきでしょう。君達が悩んでいるのはいわば、
どうスタートを切ろうか悩んでいる陸上選手と同じなのですよ。ゴールどころかスタート地点にさえいない
のだから」
厳しい口調とは裏腹に、先輩警官としての思いやりが見え隠れする。
今年下田署に配属された新人警官に、明智警視のメッセージを聞かせたところ、
「明智警視は自分の目標であります!キャリア組でありながら現場を把握しようとするその姿勢を、
ずっと貫いておられることはとても大切なことだと思います。自分も地域住民を大切にし、犯罪を未然に
防いでいこうという意欲がわきました」
と、とても喜んでいた。
明智警視はちょうどこの日、抱えている捜査の会議がいくつか入っており、さらに緊急で事件が発生
するなど多忙を極めた。が、疲れた様子は見せずむしろ積極的に情報収集にあたる姿はまさに警察官の
鏡。警視総監賞最年少授与の記録保持者というのも納得できる。
「キャリアというと常に、上昇志向だとか地位や名誉というイメージがついて回ります。しかし最近は、
室井参事官や新城警視正のように、現場の刑事が自由に捜査出来るようなシステムを確立しようとする
キャリアも出てきています。そのためにはまず指揮権をもつ我々が捜査状況を把握しなくては。机上だけ
で捜査方針を決定する慣習はなくしていきたいものです」
と警視は語る。
新人警官にはこの言葉を胸に、これからも新勢力として頑張っていただきたい。
さて、やっぱり警察内の文章だからものすごく堅苦しいけど、気になることが。
簡易スケジュールにあった少年登場以下のことがまったく触れられていないのだ。チェックで削られ
たのだろうか(笑)。
しかもイヤミの応酬というところを見る限り、かなり犬猿の仲のような模様。
ところで、ここで当然のように語られている室井参事官と新城警視正というのは、少し前に発生した
警視副総監誘拐事件の時に捜査の中心になっていた人達。室井参事官は特に明智警視のように、
現場の刑事達が動きやすい捜査本部を作ることで有名。また、新城警視正については階級のみで
語られていることからして、明らかに出来ない地位なのではと推測される。
しかし…やっぱり明智警視って一日に何回かイヤミを言ってるみたいだね(笑)。昼食が女性警察官ら
と一緒っていうのも、毎日寂しくホカ弁を食す記者にとっては羨ましいんだかねたましいんだか。
この前、警視庁記者クラブ付けの記者が、帰宅途中の警視に会った時、警視はワインを2本購入
していたらしい。聞いたら、1本は自分用、もう1本は今抱えている事件が解決したら…と言っていた
とか。
全部の事件に買っているわけではないけれど、時折そういう気分にさせるものがあるのだそうだ。
お父さんが確か、捜査のたびにワインを購入し解決したら開封するということをされていたそうだが、
何となくそれを踏襲しているのかもね。
警視が、部下にイヤミを言いつつ(失礼)それでも慕われているのは、事件を解決したいという現場の
刑事らの気持ちをちゃんと汲んでいるからではないだろうか。
ともあれ5月病に悩む人達の励みになればいいですね。
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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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