チョコレートはどこに消えた！？

　毎年この時期を楽しみにしている人も少なくないのでは？
　恒例となりつつある、警視庁とＫＩＤ・高遠遙一のチョコレートをめぐる争奪戦。はたから
見ていると子供のケンカのような行事であるが、警視庁は大まじめだ。

　さて今年の勝者は…皆さんご想像の通り、やはりこの二人であった。
　今回はどのようにしてチョコレートは二人の手に渡ったのだろうか。

　私設ファンサイトにいくつか取材を申し込んでみた。
　管理人は、「警察にも聞かれたんですげど、今年は、「代表でチョコレートを届けます」って
いう人がいて、ファンのオフ会でも会ってみたけどきちんとした人で信頼できると思ったので
皆で話し合って、お願いしようかってことになりまして。高遠さんへの分についても、仕事でよく
海外に行かれるということだったので、そこのツテでなんとかなるって。だからその情報を、
あちらの(高遠さんの)ファンクラブにも回しました。それで今年は警視庁には送りませんでした」と
回答してくれた。
　チョコレートなどを送りたい人はファンクラブに問い合わせ、そこから送り先を照会する
システムで、基本公開はされていなかった。
　おかげで今回ほとんど警視庁に送られたケースはなかったという。

　ファンクラブのこの動きを読んでいた警視庁は、この受け取り主に接触を試みたが、
当初「指示通り受け取っているだけだ」と言われたため、それ以上の捜査を断念した。
　今月の10日前後から張り込みを開始し、この人物の２４時間監視を行ったが特に異常は
見られず、14日が過ぎたため再度家を訪問したが、中から応答はなかったという。
　しかし15日になって、「本当の家の持ち主」が帰宅し、事情を聞いたところ、二ヶ月ほど
海外出張で家を留守にしており、誰にも貸した覚えはないということがわかり警視庁は
本格的な捜査を開始。
　今日になって、何者かが使っていた形跡があること、持ち主の口座に「住まいを借りたお礼」
としてまとまった金が振り込まれていたことが判明した。
　家の持ち主であるＦさんは、「自分自身ＫＩＤのファンですから、これといった迷惑も受けて
いないし、ＫＩＤと高遠さんから丁寧なお礼状までもらっちゃって…いいのかなぁ」と困惑しながらも
嬉しさを覗かせた。
　警視庁は、ＦさんとＫＩＤらの間に何ら関係はないものとして捜査を打ち切る予定。

　警視庁の明智警視は、「今回の事件は奇妙ですが、犯罪性があるとは断定できません。Ｆさんは
被害届を出されるつもりはないようですし、そうなれば被害者はいませんから、警察としては
動くことはできないでしょうね。ま、ＫＩＤや高遠本人がＦさんの家を犯罪目的で使っていたと
いうのなら別ですが…誰がそれを立証すると言うんです？」と肩をすくめた。
　中森警部は捜査のため出張しており、話を聞くことはできなかった。

　この奇妙な事件、ファンクラブの間でも「あれはＫＩＤを助けている人？」「話した感じでは
高遠さんだったと思う」という風にうわさが飛び交っている。
　しかし各ファンクラブあてに本人たちからの、受けとりメッセージが届いた以上、確かに
プレゼントが渡ったのは事実なようだ。
　今年はどんな手で来るかと世界中が見守っていたといっても過言ではない中、やや
肩すかしをくらった形ではあるが、こんなアナログなやり方もありなのかも知れない。

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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。

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