ＫＩＤに会いたい…都心大パニック

　秋の大型連休としてゴールデンウィークに次ぐ経済効果を記録した、先月9月の連休に、
都心でちょっとした騒ぎが起きていたことがわかった。

　事の発端は連休真ん中の21日に、怪盗1412号(通称ＫＩＤ)が、都内のある宝石店へ
盗みに入ると予告状を送ったことにある。
　一部のマスコミが「都内へ旅行予定の人はＫＩＤに会えるかも！」という内容の記事を
掲載したため、警視庁には「どこのあたりにいればＫＩＤを見られるか」「店内へは入れ
ないのか」という問い合わせが相次いでいた。
　21日当日、警視庁では警備を増員して見物客の対応にあたったが、宝石店を中心に
半径3キロ周辺で大渋滞や事故が起きるなどしたという。また、見物客の中には興奮の
あまり気分が悪くなったことを訴え、救急搬送された人も数名いた。

　なお、ＫＩＤ自身は、この大混乱に生じて見物客にまぎれ逃げたという話もあり、上空を
飛んで逃げたＫＩＤはニセモノだったのではないか、という見方が強い。
　ＫＩＤを見たと発言する、ＫＩＤファンのＳ．Ｓさんは、「流石ＫＩＤ様！これだけの人がいても
パニックにならないよう、逃げる時に『皆様、どうかその場から動かないでください。大変
危険です』って気づかってたのよ！え？警察？さぁー？中森警部ならあの辺にいたと思うけど？」
と目をきらきらさせて語った。

　警視庁では、「いたずらに好奇心を煽るような報道は控えて欲しい」とした上で、「いくら
相手が人に危害を与えない怪盗であっても、捕り物の最中に何があるかわからない。危険
なのでわざわざ見物にくるようなことは遠慮いただきたい」とコメント。

　ちなみに後日ＫＩＤから下記のようなメッセージが届いた。
「私の華麗なるショーにいらしていただくのは大変ありがたいですが、そのためにけがを
されてはと、とても心配しております。どうか皆さん、警察の指示に従って適切に移動なさって
下さいね。またどこかでお会いしましょう」

　ともあれ、この見物のためだけに旅行にやってきたという観光客も多々おり、東京都と
しては複雑な心境といえるだろう。

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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。

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