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  ローカルニュース

7月9日(火)  10時00分

誤報だったはずが…本当にKID参上

 「6月29日土曜日 半月の空から午後8時5分にお宝をいただきに参上いたします」
 この怪盗1412号(通称KID)の予告状が読日新聞の一面に掲載されたのは6月25日の
ことであった。
 しかし直後読日新聞はネット上で「重大な誤りがあった」とこの記事を訂正、翌日の
一面にも訂正記事が大きく掲載されるなど前代未聞の事態に陥った。
 実はKIDが出した予告状ではある店が名指しされていたのであるが、読日新聞はこの
店を別の店と間違えて掲載。KIDが予告した店とまったく別の店が予告状を出されたかの
ように報じてしまったのだ。
 警視庁の発表などで予告状を見ていた購読者から指摘があり、訂正を行ったが、
勝手に名前を出された店からは「朝からマスコミの問い合わせで迷惑をしている」と
苦情の電話があったという。

 ところが事態はこれだけでは終わらなかった。
 改めてKIDからこの間違われた店へ予告状が届いたのである。
 これには店も目を白黒。
 再びやってきたマスコミの取材カメラに「驚いています…うちにはKIDが狙うような
お宝あったかな…?」としどろもどろ。
 もっともこの後、KIDが予告を出した店として見物人が訪れ、売上も上がったというから
店主にとっては悪くない話だったに違いない。
 
 後日談として、KIDは予告をした二つの店に忍び込み、お宝を盗んでいったが数日後
「これはわたしの欲しいものではありませんでしたのでお返しします」という手紙とともに
戻されたという。
 誤報から始まった、何とも奇妙な事件であったが、誤報を誤報で終わらせないKIDの
粋な計らいに、読日新聞は胸をなでおろしたことだろう。 


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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。


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