モシモシ…相談先は指名手配犯？

　新年明けましておめでとうございます！今年も週刊ダウトを宜しく！
　さてさて新年第１弾にふさわしいニュースが飛び込んでまいりました！

　オレオレ詐欺が大流行中で、警察も注意を呼びかけているのは皆さんご存知だと
思いますが、その被害にあった人が相談したのはなんと、かの高遠遙一だったという
ニュース、皆さんは信じられます？
　信じる信じないはともかく、その被害者さんにお話を聞いてまいりました。尚プライバシー
により内容、固有名詞などは一部変えてあります。

被害に遭ったＡさんの話
「まさか電話の相手が、今ニュースで言っているオレオレ詐欺だとは知りませんで、うっかり
５０万を振り込んでしまいました。その後孫に電話をしたところ、そんなことはまったく知らないと
言われてようやく騙されたと気がついたんです。
え？電話番号ですか？
あれは刑事さんが、何か思い出したことがあったら電話して下さいと言われていたものを
手帳に控えておりまして…それをたまたまかけた時に、間違えてしまったんでしょうねぇ。
私はまったく気がつかなくて話をしていたのですが、相手様が「口座番号は分かるか」とか
「いつ頃、どこの銀行から振り込んだか」など、前にお話しましたことを繰り返しお聞きになる
んですね。それでようやく私も間違い電話に気がつきまして、お詫びして切ろうとしたのですが…。
ええ、その時です。必ずお金は戻してあげます、と言われたんです。こちらとしては電話で
お話しているだけですし、見も知らない相手でしょう？何を言っているのかしらと思っていたら
あっという間に、「住所は××区○○、世帯主はＡさんですね？」とこちらのことを当ててしまわれて…
本当に驚きました。私も半信半疑だったんですがこの通り、お金も戻ってきたんですよ」

　さて、Ａさんの話から状況を要約しつつ再現してみよう。
　Ａさんが担当刑事から聞いていた電話番号にかけようとしたところ、Ａさんは誤って
違う電話番号にかけてしまった。それがたまたま高遠遙一につながり、そうとは知らないＡさんは
彼に詐欺の話をしたようだ。それに興味を持った高遠が、様々な情報を聞き出した、という
ところだろう。
　驚くべきは彼が、その電話をしている間にＡさんの情報を調べ上げてしまったということだ。
ＮＴＴでは、かけてきた相手の番号が分かるというサービスは行っているが、それが電話帳に
登録されている企業でもない限り、個人情報まで分かることはない。その上Ａさん宅ではＡさんと
Ａさんの旦那さんとの高齢者２人暮らしであるため、防犯上から電話帳に番号は掲載されていない。
　恐るべし高遠遙一。
　しかし事件はこれだけでは終わらなかった。
　彼がＡさんに約束したとおり、数日後に本当にお金は戻ってきたという。Ａさん宅のポストに、
封筒に入った５０万が紅い薔薇と共に入れられていた。
　Ａさんから事の顛末を聞いた担当刑事は複雑な顔をして黙り込んでしまったという。

　そしてさらにこの事件にはもう一つエピソードがある。
　警視庁の明智警視宛に名指しで郵送されてきた封筒を開封したところ、オレオレ詐欺を
働いているとされる人間、グループの住所指名などが詳細に記されており、それを担当部署に
回して調査したところ、先日のＡさんだけでなく全国的にオレオレ詐欺を働いていた犯人と
判明、これの検挙に至った。
　誰がどのような目的でこれを送りつけてきたのかは不明であるが、指名された明智警視は
こう語る。
「ま、十中八九高遠でしょうね。彼は完璧主義者ですから、単にお金を取り戻すだけでは
不服だったんでしょう。恐らく彼の手にかかれば、振込先の口座が誰のものか、調べるのは
たやすいはずですのでね。そこからついでとばかりに関わっている人間の情報を調べ上げて、
リストを送ってきたに違いありません。…ま、良かれ悪かれ、高遠は弱い者の味方であるとも
言えるでしょう。ただ、勘違いしていただきたくないのは、今回たまたまそうなっただけであり、
高遠が殺人犯であることに違いはありません。彼を善人だとみなす人間もいるようですが、
やめていただきたいですね」

　しかし一方では、この話を聞きつけた、オレオレ詐欺の被害者から「高遠に連絡をとって
金を取り戻してもらえないだろうか」という電話が警察に相次いでおり、担当者は対応に頭を
悩ませているという。
　
　偶然が生んだ事件解決。だがその当事者が殺人犯とあって、警察も戸惑いを隠せないようだ。

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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。

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