殺人方法、ネットで尋ねて逮捕？

「人を殺して、死体を見つからないようにする方法ってありますか？」
　そうネットで書き込んでいた、なんとも間抜けな殺人犯が逮捕された。

　事件発覚は、とある掲示板から。
　ユーザーからの様々な質問を取り扱うサイトはいくつかあるが、事件の舞台になったのは
比較的ユーザーが多く、良質の回答が得られるところで知られる、「Ａネット(仮名)」。
　そこで数日にわたって書き込まれた質問は回答者には当初、冗談だと受け止められて
いた。
　なぜなら質問者はひどく丁寧にお礼を述べた上で、「それは良い小説のネタになります」
「そこに至るまでのトリック作りが大変そうですね(笑)」など、犯罪の臭いは微塵も感じられ
なかったからだ。

　それが何故露見したのか。
　犯人の運の悪いところは、そこでの常連回答者にかの有名な高校生探偵服部平次君が
いたことだ。
　最初は他の回答者同様に冗談だと思っていた彼も、「その薬品って市販されてたりする
んですかね？」「いやー、死体が発見されなければ殺人事件にならないっていうのが今の
日本でしょ？」などといった書き込みに注目。これは冗談ではないのでは？と思ったという。
　そしていくつかピックアップされた薬品について、ユーザーがプロフィール登録していた居住地
周辺の薬局などに問い合わせをし、購入者が現れたら連絡してくれるよう依頼していた。
　実際に購入者があったという連絡を受け、ひそかに調査を開始。根気強く購入者の身元を
割り出し、尾行して自宅を確認したのちに、行方不明になっている友人がいることを調べ上げた。
　数日前に購入者宅にその友人が入ったのを見たという隣人の目撃証言から、地元警察に
依頼してこの家宅捜査状をとり、踏み込んだところ行方不明になっていた友人の遺体を発見、
緊急逮捕となった。

　ネット上の質問に不自然さを感じたその眼力もさることながら、そこから実際に個人を特定し、
逮捕に至った行動力は流石は浪速の名探偵といったところか。
　服部君は、「おかしいと思ったら行動する、これが俺のモットーや。これでホンマに小説の
ネタやと思て見過ごしてたら、完全犯罪になってしもてたわけやろ。そっちの方がゾッとするわ」
と、事件解決を鼻にかけない様子で真面目な顔。
　地元警察でも「こんな事件が進行していたとは。こういった情報がいとも簡単に手に入って
しまうということに対して、何らかの呼びかけをしていきたいとは思うが、どうしたらいいのか…」
と複雑な顔。
　事件の発端となった「Ａネット」では今後「不審な質問などがあれば管理人に通報して欲しい」
と呼びかけていく方針。
　１つの犯罪が投げかけた波紋は大きく広がっていきそうである。

　ちなみに服部君がそのサイトで使用しているＨＮは本人の希望により非公開。その質問も
今では削除されて見られなくなっている。
　

この記事に関するご意見は週刊ダウト編集部気付でどうぞ。

※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。

多分花鳥風月→金田一、コナン的読み物ページ→ニュース速報TOP→ニュース記事