多分花鳥風月→金田一、コナン的読み物ページ→高遠遙一の部屋→2.マインドコントロール
日本語で「洗脳」という意味のこの言葉を耳にすれば、誰しもが思い浮かべる情景があるのではないですか。
狭い室内で頭部に鉄の輪をはめられ、そこから延びるコードが仰々しいコンピュータに繋がっている。その傍らに佇む白衣姿の人間。もしくは、暗い室内で身動き出来ないよう椅子に固定され、不眠不休で何らかの画像を見せられる…。こんなところでしょうか。
確かにそれもマインドコントロールのひとつではありますが、こんな短絡的でない方法もあります。
長期に渡るからこそ誰も気づかないうちに洗脳は終了し、決して解けることの無い「命令」が潜在意識に刻み込まれる。これは別に珍しい方法でもありません。とある国では…おっと、これ以上の無用な詮索は止めておきましょう。
その方法とは。
二つあります。一つはその人間の人格を形成するため自然に行われる「教育」というもの。ですから厳密にはマインドコントロールにあたらないかもしれません。が、育てる人間が何らかの意図をもってある方向に導いたとすれば、それは立派な「洗脳」です。もっとも、私に言わせれば今の受験戦争だとかいう下らない風潮は、学歴でしか人を評価できない心の貧しい人間がやっきになって、子供を自分の意志どおりに動かそうとしているだけですね。まあ確かに、そういった視野の狭い人間が増えてくれれば私としてもショーを披露する時に、良心の呵責を感じなくて済みますね。クスクスクス…。
もう一つは人格形成後に行う場合。相手の持つ倫理観、思想を述べさせそれについての矛盾点・疑問点を唱え、少しずつこちらの考えを浸透させていくやり方です。ああ、明智警視が沖縄での事件の時、ミコトとかいう少女に対して行っていたのがこれですね。彼の場合は洗脳を解く方法として使っていましたが。そう、こちらは洗脳を解く時にも使える方法です。しかし、うまく理論の組み立てや推敲・考察の行える人間でなければ、相手はますます自分の考えの正当性を確信することとなり失敗します。一度失敗すれば成功は非常に難しいでしょうね。ちなみに戦時中スパイを捕らえて洗脳し直すということは頻繁にありました。
上記のように短期間で行うやり方もありましたが、長時間かけ話し合って洗脳した時それは強固なものとなり、そう簡単に解けることはありません。これが優秀な二重スパイの出来上がる過程です。
最後に。自分が洗脳されていないかどうか確認する方法ですが。そんなものはこの世の中にありません。人は何かしら信念を持ち、その通りに行動しています。その状態が既に「何らかの考え方に囚われている」ということであり「洗脳状態」でもあります。
ただ、その考えにしたところで自分のオリジナリティだと言える人間は、この世の中に何人いるので
しょうね…。何物にも影響されず育った人間は、感情の起伏に乏しいロボットのようなものですから。ああ確かに何も考える能力がなければ、洗脳されていないと言えるかもしれません。それが人間であるならばね。
ククッ、貴方は貴方の意志で生きていますか…?
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