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La rosa della macellazione

==Il periodico di posta della macellazione==
                                   発行日:01/07/13



目次
●変装術

●完全犯罪の方法

●ナイフで即死させるには

●殺人依頼




●変装術

 変装というと諸君らは、ゴムマスクをつけて顔や声を変え…と想像するようですが、素人にそんな高度の変装は向きません。というよりもそれを作ってくれる協力者がいてこその変装です。また、整形して逃亡する人間もいますが、あんなものは手術を行った医師からすぐに整形後の写真が手配されます。何の意味も持ちません。
 素人にも出来る簡単な変装方法を教えてあげましょう。逃亡者諸君らは参考にして、おろかな警察から逃げ切ることですね。まあ自信がなければ早めの出頭を勧めますが。

 相手の顔を記憶する時、大抵特徴ある部分を覚えるといわれています。つまり、眼鏡やヒゲ、傷を特徴としてとらえ、次に声を覚えます。その為余程親しい友人でも、目は一重か二重か、唇はどんな形か、と言われてすぐに答えられる人はいないでしょう。これは、何か適当な人物の似顔絵を描くことでハッキリします。真っ先に特徴は思い出せても、顔全体を描く事は出来ないでしょう。
 これを利用して、変装する時は何か故意に特徴を作っておくのです。あまり目立ちすぎるものは逆に注目を集め、印象付けるだけですから、帽子を被る、眼鏡をかける、リバーシブルの上着を羽織る、ということは変装の初歩です。

 次に、普段から自分のクセを見つけておくことです。歩き方や動作には何かしらクセがありますから、変装時には意識してそれらのクセをすべて出さないようにするか、逆によく目立つクセを動作に取り入れるように。

 これらを実行すればさほど苦労しなくとも変装を見破られることはまずありません。
 …ああ、一つ言い忘れましたが、観察のプロである刑事達には通用しませんから、調子に乗ってうろつくのはせいぜい交番どまりにしておくことですね。




●完全犯罪の方法

 一番手っ取り早いのは素人が犯罪に手を出さないことですが、この時世ですからつい手を出してしまうこともあるでしょう。
 まずは日頃の用心が必要です。計画性を持って犯罪を犯そうとするならば、生活圏内で不用意に指紋を残さないこと、品行方正で性格の穏やかな人間を装うことです。これだけでもしばらく、捜査の手が君に及ぶのを遅く出来るでしょう。理由をいちいち述べるのは面倒ですから割愛します。
 そして出来れば架空の人間を作り上げ、その人物として暮らす二重生活を送ることです。架空戸籍や架空の免許証などはその手の業者を探し出して頼むことですね。
 架空の人間を演じていれば、犯罪を犯した時本来の生活に戻ればいいわけですから、自分との関連性を突き止められることもなく、したがって事件は迷宮入りとなります。
 完全犯罪を犯そうとするならばこれだけのことはやっておくべきです。
 
 殺人で完全犯罪を狙うなら死体を隠すことが一番です。そうすれば、死体という証拠無くしては殺人事件の立証自体が不可能ですから事件になりません。
 古来から様々な方法で死体の隠匿が試されてきましたが、一部を除いて成功例はありません。ましてや素人が成功した例は皆無ですね。
 まあ犯罪を犯して隠せると思う方が間違っていると思いますがね。
 プロでさえ時折間違いをやらかすのですから。




●ナイフで即死させるには

 簡単です。動脈を狙い深々と刺し、引き抜く。それだけでほぼ致命傷になります。放っておけば失血死します。
 腹部を狙うのであれば刺した直後に90度ひねり、それから引き抜きます。刺したままでは出血しませんから意味がありません。
 中には一思いに殺さずジワジワと、という悪趣味極まりない輩もいますが、そんなことをしている間に自らも発見され、捕まる危険を増大させているだけです。愚か者のすることですね。
 ただ、ナイフは柄のあるものにしておかないと、人間の体は意外に抵抗がありますから自分の手も傷付けることになりますよ。そうなったら最後、完全犯罪は諦めることですね。重要な手がかりを自分自身の手で作ってしまったのですから。
 また、狙いがそれて骨にあたると手首を捻挫しますよ。刃がこぼれてこれも証拠を残すことになりますしね。
 それから、カッターナイフで人が殺せるだとか吹聴している人間もいるようですが、まず無理です。あの刃を見れば分かるでしょうが、垂直にかかる力に耐えられず刃の方が折れます。振り回したとしてもせいぜい切り傷を作る程度。下らない自慢です。

 


●殺人依頼

 つつがなく日常を送っている君達には関係の無いことでしょうが、やるかやられるかという弱肉強食の世界もあります。まあ三流ドラマなどで出てくる裏社会というものですね。
 君が自らの手を汚すことなく犯罪を行いたい場合、市場には到底出回らないものを手に入れたい場合、その他何か事情がある場合…。
 金さえ積めば動く連中は幾らでもいます。そんな輩に頼むことですね。ただ、それらは二流どころですから仕事は完璧というわけに行きません。警察の手入れで依頼者までもが逮捕されるケースは日常茶飯事です。確かに金額にもよりますが、一億に満たない成功報酬であればまず依頼者も、それなりのリスクを背負うことが不可欠でしょう。
 そして、それ以上の金額や、金では動かない連中――まあ私も後者に入りますが――の場合は、依頼は一筋縄ではいきません。まずこの世界の事を知り、深く潜伏し、情報を集めることが先決です。もっとも、下手をすれば翌日海に浮かぶことになりますから、余程目的に執着していない限り自分の命が惜しければ手を出さないことですね。我々は、人1人の命など、何とも思っていませんから。

 それでもあえて我々に依頼したいというのであれば…。そうですね、私なら理由が興味深いものであればお受けしましょう。ただし実行は依頼者本人が行うこと、そして失敗は依頼者の命を持って償ってもらいます。それでもよければ、夜咲くという薔薇の壁に伝言を書いておくことですね。気が向けば連絡してあげましょう。


by Y.Takato

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