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◆対談6◆

 目次

19.天才って?20.犯罪を企む側と見破る側



19.「天才」を語る

氷河「最近チャットの方でも話題になっているようですが、『どうしたら明智さんや高遠さんのように
頭がよくなれますか?』という質問、メールでも多いんですけど」
明智「皆さんの言う「頭がいい」というのは多分、情報量のことだと思うんですが」
氷河「というと?」
高遠「つまり質問者はどうしたら知識をより多く記憶できるか、ということを聞いているのだと
思うのですがね」

明智「どうしたら、と言われても…。私は確かに本をよく読む方でしたから、それを記憶していた
だけです。しかし、その方法について説明することは出来ません。誰も呼吸の仕方を説明など出来ない
でしょう?」

氷河「(…でも2人とも、「頭がいい」と言われたことは否定しないんだね…)」
高遠「音声、拾ってますよ」
氷河「あわわっっっ。え、えと、高遠さんはどうなんですか。明智さんに劣らずいろいろなことを知って
おられるようですが」
高遠「さあ?私はそれほど努力家ではありませんから、本を読み漁るようなことはしていません。
強いていうならば、経験の差ですかね。確かに一般人ではあまり私と同じ経験をしている人間は
いないでしょうから」

氷河「あー、まあ確かに。習うより慣れろってヤツですか。じゃあやっぱり普通の人がお2人と同じ
ようになるのは無理ですかね」
明智「情報を多く持っているからと言って、それが人より優れていることにはならないと思いますよ。
優れていると判断する基準は人によって違いますしね」

高遠「…優れていない、と否定する材料の無い地位にいらっしゃる方は気楽ですね」
明智「地位や肩書きなど、関係のない人間もいます。それで能力の優劣を判断しても仕方が無い
でしょう」

高遠「そうですか?国家公務員試験の上級を受験している時点で、かなり説得力に欠けています
けどね…」

氷河「すぁーて、では頭がいいとはどういうことか、検討してみましょう!(笑) 先ほど情報量がどう
とか言っておられた明智さんは、では本当に頭がいいというのはどういうことだと思いますか?」
明智「そうですね。その場その場の状況を的確に判断し、一番いいと思われる行動を取れる人間、
つまり臨機応変に動ける人のことだと思います。いくら情報を山のように蓄えていても、それを整理し
使用することが出来ないパソコンは事典と変わらないでしょう?そういう点では、マニュアルどおりに
しか対応できない人間はあまり頭の良い部類には入らないでしょうね」

高遠「ファーストフード店で大量の食品を注文しているにも関わらず、『こちらでお召し上がりですか』
と必ず聞く人間ですね。ま、確かにどうかと思いますが」

氷河「高遠さんはどう思いますか」
高遠「さぁ?頭がいいとか悪いとか、興味ありません。自分と他人は違う生き物でしょうし、所詮相手を
理解することは出来ません。同じ価値観を所有しているわけでもないのに、優劣など決められない
でしょう」

明智「…そうですか。誰とは言いませんが、某所で随分と人を小馬鹿にした態度をとる人間が居ます
がね…。平等と思っていればあんな態度は取れないはずですが」

高遠「平等?いつ誰がそんなことを言いました?私は興味が無いと言っただけで、愚か者に対しての
態度を知人のそれと同じにするつもりはありません。言葉を過大解釈しないでいただきたい」

明智「過大解釈?君にはなから期待などしていませんよ。大体人を見下す態度自体が失礼なのでは
ないかと指摘しているだけです」

氷河「ああ、また何かヘンな方向に…」
高遠「私がどんな態度で人と話そうと私の自由でしょう。それとも、日本では言動の自由は保証されて
いないとでも?」

明智「ではまず義務を果たすべきですね。刑務所にも入らず好き勝手しておいて、自由も何もあった
ものではないでしょう」

高遠「…セキュリティが甘いんですよ」
氷河「うーん、それはあるかも…。って、脱走できるの高遠さんくらいッスよ」
明智「セキュリティ云々の問題ではないでしょう。君が罪を償おうという意識の無いことが問題だと思い
ますけどね。そんな人間がよくもまあ自分のことを棚にあげて、人のことをどうこう言えますね」

高遠「そんな人間、だからでしょう?」
氷河「とりあえずさ、テーマから離れてきてるのを修復しようとかどうにかしようとか、誰も思わんわけね(笑)。
ということでっ。頭が良くなるには臨機応変に対応して、価値観が違うということを理解しましょうという話
でしたー!(会場内笑)」


20.仕掛けるトリック、見破られるトリックを語る

氷河「いつも思うんですが、まず高遠さんはどうやってああいった仕掛けを考え付くんですか?やっぱり
マジックとか知っていたらそれなりに違うんでしょうか」
高遠「マジックを知っていたからと言って、そこらのマジシャンに犯罪をやってみろと言ったところで多分
誰も出来ませんよ。根本的なものが違います。確かにマジックは一見成立不可能なことをやってみせる
のですから、完全犯罪のそれと似ているでしょうが、問題は犯罪の場合自分以外が決して意図した通り
には動かないということですね。それでは成立しないでしょう」

氷河「あ、そっか」
明智「それに、世の中の犯罪者すべてがマジシャンではないでしょう?それからも分かるように、ようは
観点の違いですね。自分の得意分野をたまたま悪用できると気付いてしまった人などが、トリックを
使って犯罪に走ったりしますね。(犯罪=マジックではないなんて)普通に考えれば分かるでしょう(笑)」

氷河「あう。またバカっぷりを披露してしまった…」
高遠「大丈夫です。わざわざ言わなくても皆分かっていますから(会場笑)」
氷河「あううう…。えーと…、明智さんはどうやってトリックを見抜くんですか?」
明智「…証拠と状況からですよ?」
氷河「あーっっ、当たり前のことを聞いてしまった!(会場失笑)えーと、そうじゃなくて、高遠さんやこれ
までの犯人が仕掛けてきたような複雑なトリックの犯罪です。金田一君とかもそうだけど、根拠なく
感じた不自然さとかをしつこく調べて、真実に到達してますよね?」
明智「金田一君の場合は野生の本能というべきでは?大体警察はね、根拠のないことでは動かない
んですよ。私の場合は状況をくまなく調べて、その犯罪が発生した過程を思い浮かべます。そこに矛盾
があれば何故そうなのか、どこがおかしいのかを突き詰めるだけです」

高遠「…初動捜査は早い方がいいですよ」
明智「君に言われたくないですね。初動捜査は慎重を要するんです。部外者があれこれ言うべきこと
ではありません」

氷河「高遠さん、部外者というより当事者だよね(笑)」
高遠「私が直接関わったもの以外は証拠がないので、容疑はかけられませんよ。せっかく私がトリック
を考えてあげたのに残念ですねぇ、容疑が増やせなくて」

明智「いえいえ、君の場合自白からでも十分起訴は可能ですよ?何なら高裁(最高裁判所)まで争って
みますか?」

高遠「受けて立ちましょう。私がやったすべての犯罪を立証できるものならやってみせて下さい」
明智「日本の警察をなめていると大変な目に遭いますよ」
高遠「大変…?ああ、刺股とかいう無様なもので追いかけられる、ということでしょうか?ご心配なく。
そんな馬鹿馬鹿しい逃げ方はしませんから。一瞬で消えて差し上げます」

氷河「はいはい、その前に2人とも座って下さいよ。まったく、大人気ないんですから…(笑)」
高遠「君に言われると非常に屈辱的ですね」
明智「同感です」
氷河「なっ、失礼な!あんたらオトナやんけー!はい、続き行きますよ。えーと、何だったっけな、もう…。
そーだそーだ、トリックをどうやって見破るかという話だった。やっぱ、日頃の観察力が大事ということは
あるんですかね?不自然な状況を見破るっていうのは」
明智「そうですね。例えば、仕事先から自宅までの道にどんな建物がどういう風に建っているのかを
すぐ言える人は少ないでしょう?とすれば、ある日建物が取り壊されて別のものが建っていても、不自
然さは感じるもののそれが何かは分からない。それではトリックを見抜くのは無理でしょうね」

氷河「ほうほう、初めて内容のある対談になってきたような(笑)」
高遠「マジックにしても、観察力のするどい人間ならある程度仕掛けの検討はつくはずですよ。観察力
が鋭いということは、想像力があるということも意味します。頭の中でどうすればそのマジックが成立
するか組み立てるわけですよ。もっとも、その上を行くのが一流マジシャンですが」

氷河「うーん、確かにマギー司郎さんがやってるのは見当つくけど、プリンセステンコーのはわかん
ない」
明智「君はどうして、そう両極端な例しか出せないんでしょうね(笑)」
氷河「………………(汗)」


(対談作成/氷河&中村)

 

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