花鳥風月の名称等を不正使用する「まんが王国とっとり」「アニカルまつり」に関する注意喚起
同人誌と著作権 項目0から2
0.まず最初に
<同人活動にあたって知っておいて欲しいこと>
花鳥風月主催者の私見です。
あるマンガが必ずしもこの世の中すべての人に受け入れられると限らないように、世の中には 同人活動をしている人を嫌う方々もいます。
そしてそういう方は、原作者や出版社の中にもいます。
とある小説家の方が、自らの作品の同人活動を好ましく思っていないことをファンに通達したと いうこともありましたし逆に、同人活動もひとつの文化と認め、非常に協力的な作者もいます。
本当に人それぞれです。
回りくどい言い方をしましたが、つまりはそういう方々に対して配慮を忘れないで 欲しいということです。
サイトには「同人」の旨を明記する、原作コミックスの装丁をまねた同人誌を作っている場合、 一般人が購入してしまい、それについて抗議される可能性があることを念頭におく、というようなことでしょうか。
後の項で述べますが、同人活動はいくらサブカルチャーの一つになったと言っても様々な法律や 危険が絡み合っています。
同人活動をやめろ、本を出すな、とは言いません。
何が、どうして危険なのか。
それを理解した上で自分の行動を決めていってください。
1.同人誌を作ると何か法に触れるの?
「著作権法(ちょさくけんほう)」という言葉を一度くらいは聞いたことがあると思います。簡単に言うと、作品を作った人にその作品の権利があり、他の人がその作品のストーリーやキャラクターなどを勝手に使って作品を作ってはいけない、という法律です。(芸能については別項参照)
同人誌ですが、パロディ同人誌の場合その作品のキャラクターとか設定を使っているわけですから著作権法に違反してしまうということになりますね。しかしみなさんは何事もなく毎日暮らしています。これはどうしてなのでしょうか。
ここからは意見の分かれるところですので、私の一意見としてお聞きください。
まずハッキリ言ってしまうと同人誌をよく思ってない出版社、作者はいます。自分達が著作権を持つ作品なのに、関係ないところで金銭のやり取りがあるのです。つまり同人誌がいくら沢山発行されても自分達にお金は入ってこないからです。
しかし、同人誌が沢山発行されればその作品を知らなかった人でも、同人誌を目にしたことによって「買ってみよう」と思ったり興味を持ち始めることがありますね。今ならSNSで話題にする人がいれば同じような状況になります。
そこに利害関係が発生するためあえて同人誌を規制せず、見逃しているということになります。
間違えないでいただきたいのは、見逃してもらっているということであり、例えば出版社が「同人誌によってうちの作品のイメージが悪くなった!同人誌をこれ以上出して欲しくない」と思えば、いくらでも規制は出来るということです。これについては別項「11.過去にあった事件少しほど」をご覧下さい。
次に、拡がりすぎて規制できないという場合もあります。これは楽観的な見方なのであまり言いたくないのですが、正直どこの出版社も自社の作品の同人誌がどれだけの数出版されて、その中にどれだけ「あまりイメージの良くない」ものがあるかというのを把握できていません。
著作権法で取り締まるには「親告罪」と言って出版社や作者が訴えないと警察は動きませんよ、という取り決めがあるので、同人誌1冊1冊についてその作業を行うのはとても大変なことです。(2018年12月にTPPが発動しましたが、同人誌は対象外となっています/暫定)
ですので出版社側も本当は規制したいけどなかなか難しい、というところもあるでしょう。
著作権法というのは、もともと同人誌を考慮して作られた法律ではありません。ですから、実際に逮捕や裁判になった時、裁判官によって判断が分かれます。
なので「健全だから大丈夫」「名前とか変えているから大丈夫」という風に、「○○だから大丈夫」で済まされる問題ではないのです。出版社が「この同人誌はまずい」と判断すればそれがすべてなのです。
パロディ同人誌を出している人達、同人グッズを製作している人達すべてが、「突然出版社から警告がきてもおかしくない」という危惧をもって活動していただければと思います。
と、ここまで読んでいただければ、「同人誌を作ったので送ります♪」と安易に作家さんに送りつけてしまうことが、いかに危険かがわかってもらえるのではないかと思うのですが…。たまに後書きで「送ってね」という作者さんもいますけどね。(だからといってその出版社までも同人に寛容だと早とちりするのは早計です)
もうひとつ。「児童ポルノ法案」とか、みなさんが住んでいる都道府県の条例とか、ご存知でしょうか。
男性向・女性向を作っておられる方は、特に後者に気をつけて下さい。場所によっては条例にひっかかる場合もありますので。
露骨な描写は印刷所の方でも規制を入れていますし、イベント主催者でも厳しく規制を作っています。コミケットなどにおいては時折販売停止という事態も発生するようですので、どうぞ気をつけて下さい。
同人誌にも著作権は発生します。海賊版同人誌(いろんな同人誌をコピーして一冊の本として出版したもの。もちろん作者の許可なし)、違法同人誌アップロードサイトなどが問題になっているのはそのためです。
最近ではネットにアップした画像を使って無断でグッズが作られていた、コスプレ画像をあげたらコスプレ衣装販売ショップ(無認可)にイメージとして無断使用されていた、というケースもあります。
毅然とした態度で販売差止め、サイトから作品、画像の削除を依頼しましょう。もちろん警察や法律機関の力を借りるのもありです。
言い出すときりがないですが、その作品のキャラクターや設定を使用してはいても、みなさんが同人誌として出されたお話は皆さんが考えられたものですよね。その話は皆さんに「著作権がある」ということになります。ですので、完全にその作品と間違えるような紛らわしい作り方をされていない限り、一概に同人誌を「著作権法違反」としてしまうことは難しいです。
本当にややこしいですよね。
私たちには当たり前のようになっていますが、一般の方からみればものを売り買いしているということで「営利行為」と見なされてしまいます。
同人誌の価格自体随分市場と開きがありますよね。だから、「高い価格でやりとりして儲けているに違いない!」と思われるのもやむを得ないです。部数によるものと説明したってすぐには分からないでしょう。
だから何かというと、そういった方を通じてどっかから「営利目的で活動を行っている」という忠告を受けた時は落ち着いて、数字を提示した方がいいでしょうね。
印刷代と実際の販売価格など。不当な利益を得ていることが罪として成立してしまう場合もあるので、不当ではないことを説明するのも時として必要ですね。
2.どんなジャンルがまずいとかあるのですか
どのジャンルでも危険性は同じです。
作者が同人活動を容認していたとしても、とんでもなくイメージを貶める同人誌が世に出て、間違えて手にとってしまった一般の人から抗議が来たり、またそういった同人誌のせいで作品の今後に影響が出るなどと判断されたなら突然規制が敷かれる可能性は大いにあります。
最近ではHPに二次創作のガイドラインを打ち出している企業も増えてきましたので、確認してみることも大切でしょう。
明確に「いかなる同人活動も禁止」という方針を打ち出してしまっているところについては、同人誌を出さない方がいいでしょう。多分発見次第著作権法違反で訴えられたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。それでも確かに活動している人はいますが、諸々の危険を承知した上で、それでもその作品の同人誌を出したいからされているのだと思います。
「あの人がやってるからいいじゃん」と軽々しく手を出していいものではないです。それは同時に、そのジャンルで気を使って活動している人達にとても失礼な、そして無遠慮な行為であると理解して下さい。
ただし最近ではSNSで「同人活動全面禁止って書いてある!」と企業のガイドラインを過剰解釈してしまい、自分達で活動を規制してしまうような動きも見られます。本当にそうなのか、流れてきた情報だけをうのみにせず、いろいろな情報を確認してみましょう。