お友達が当日スタッフに名乗り出てくれるのはいいことだし、ありがたいことです。しかし、イベント当日には指揮系統をきちんと定めておいて下さい。
友達だからとなあなあにしていると、運営に大きく混乱をきたします。
対等な立場でもいいから指示の優先順位を決めておくとかしましょう。
例えば、貴方の指示が最優先、貴方がいない時には誰が決定、その人もいない人は誰、という風に。
遊びじゃないんです。友達でも指示通りに動けないような人はスタッフをしてもらわない方がいいです。
アメリカの指揮系統を参考にされるといいかもしれません。
アメリカでは一番の指揮権は大統領、その人がいなければ次、またその人がいなければ次という風にかなりの順位が決められています。
9.11の時には大統領は別のところにいっており、その他の人はドックのために入院していたり不在だったりして、指揮権4番目の方が指揮を執ったようです。こういう風に、ある程度決定権をスタッフに渡しておくことも大切でしょう。貴方がトイレに行っている間に参加者さんが問い合わせにきて、スタッフが全業務を中止してあなたを探す…なんてことになっても困りますしね。(どこに行く、というのを言っておくことも大切ですが)
もちろんこの場合も何か決定したことがあれば必ず事後でもいいから報告してもらう、それは忘れずに。
補足。
どうも誤解を招く書き方で申し訳ないのですが(言葉が足りないのも原因ですが)、お金を払ってスタッフを雇う方はあまりおられないと思います。
ですから、集まってくれるスタッフには常に感謝の気持ちを忘れないで下さい。指示をして動いてもらうにしても、「あれをして」「これをして」といった押し付けにならないように。私もスタッフからよく注意されます。私だけだと思いますが。長くやっていると、忘れていないつもりで忘れていたりします。
接客する側というのは「作っている」という感触をダイレクトに感じられる立場でもありますけど、嫌な思いもけっこうします。それでも尚やってくれるのだから感謝したいですね。
あらかじめ私の独断と偏見であることをお詫びしておきます。
以下の人はスタッフに向きません(もちろん主催にも言えることですが)。
・何かトラブルが起きると責任転嫁して自分のミスを絶対認めない人、謝罪が出来ない人
・女よりも男が絶対偉い、優位であると思っている人
・年上の方が年下よりも偉いと信じて疑わない人(経験が豊富だから何かアドバイスしてあげられると思う人はセーフ)
・自分の考えで動けない人
・任された仕事を放棄してしまう人
・分かりもしないのに自己判断でやってしまう人(分かっていて動く人とは違います)
・報告をまったくしない人 ←これ本当に重要です
いろいろなスタッフ志望の方を見てきましたが、こういうタイプの人は向きません。どうしてかって言うと、自分の欠点が見えてないからです。
逆に、「声が小さいんですけど…」「接客は苦手です」という人の方がスタッフには向きます。
やっているうちに改善されるからです。それにきちんと自分のウィークポイントを把握してるし。
敬語も直していけば大丈夫です。
例えば接客が苦手な人は本部業務をしてもらえばいいです。でもこういう人ほど、きちんと対応できてたりするんだけどね(笑)。
あと、異常に「どれくらい会場を回れますか」「サークルさんを見て歩く時間はありますか」と聞くような人も向きません。出たきり戻ってこなくなることが多いし、放送で呼び出しても帰ってこなかったり(苦笑)。
時間にルーズな人も困るよね。
でね、差別意識の強い人(上であげた、男尊女卑、年功序列の人)はどうしてかっていうと、人に対して公平に接することが出来ないからです。
基本的にスタッフ間で上下はないですし、無論参加者さんに対しても同様です。○○だから威張ってもいい、というのは関係ないですよ。
で、主催者さんは開催中は常にスタッフの動きに気を配ってください。一番見るべきところは参加者さんに対しての態度です。横柄なことをしていたら人目につかないところへ連れて行って叱ってください。
確かにスタッフさんは手伝ってくれるありがたい存在ですが、参加者さんにえらそうにしていい立場ではないことを理解してもらって下さい。
※補足しておきます。ここでいう立場が下、というのは、「スタッフをやっているから」という理由で参加者さんに偉そうな態度を取っていいことにはならないということです。いろんなイベントでそういう風にふんぞり返っているスタッフを見てきているので。
また、参加者さんからの立場で言えば、イベントに関わっている人は皆平等であるべきだと思っています。
ここは、主催される方のページですので、意識としてスタッフ側は下という自覚を持っておいて欲しいという意味で書いています。
グループで行動する時、自然役割が分かれますよね。
リーダーとなる人、食べ物を調達する人、場所を確保する人、必要なものの点検をする人、連絡係をする人など…。
人には得意分野があります。
計算の嫌いな人を会計に回しても、なかなかうまくいきません。それよりは仕事でそういう関係をしているだとか、数学の得意な人にお願いした方が良いです(やれる人が立候補してくれればそれが一番ですが)。
難しいですけど、スタッフの希望を聞いてその部署に回ってもらうのが一番いいかと思います。
うちはいつも人手が足りなかったりするので、ローテーションしてもらったりしていますけど…。スタッフ全員がどの部署も大体出来ると誰かが参加できなくなった時にフォローききます。
何でもかんでも主催者の許可がないと動けない、っていうのも逆に、忙しい主催者には結構大変なことです。
そこで、例えば「貴方は委託担当」「貴方は本部にいてね」と部署を決めたら、権限をある程度決めておいて下さい。
本部業務だったら朝のうち一番多いのは、「チラシ置き場にチラシを置きたいんですが」という問合せではないかと思います。
それに対して「ヘンなチラシじゃなかったら、貴方の判断で許可を出していい」と言っておくとか。
考えうるケースを全部考えて、取り決めておくといいでしょう。
お友達で集まったのならともかく、スタッフが集まらず一般募集をかけたりする場合もあると思います。
気をつけて欲しいのは、スタッフの指揮系統と、意見を言える立場云々はまったく関係ないということです。(誰かが指示をしなければならないですから、それに従って動くことがあるからと言っても、それは命令ではないってことです)
たまに、「自分は××のスタッフを○年やっていた経験があるから、やりたいように仕切る権利がある」と勘違いされる方がいらっしゃいますが、よそのイベントスタッフ経験は実務に活かせるとしても、発言権としては何の意味ももちません。
経験のあるなし、年上年下に関係なく、「おかしいなと思ったこと」「どうしても手があかなくて頼まなければならないこと」「その他思ったこと」、これらをスタッフ(と貴方)の間で隔たりなく発言・依頼できる雰囲気作りを心がけてください。
特に、友達でもなくでもなくて人づてとか、やりたくてこられた方は何となく発言しづらいです。イベント中もこまめに声をかけるとか(その部署くらいで紹介はしてあげて下さい。自分でしてまわるより、他のスタッフも声をかけやすいです)、尋ねて発言しやすい空気を作ってください。
なかなかこれが難しいんですけどね。
ただしすべてのスタッフに、「報告をしてもらうこと」だけは徹底して下さい。
私も何度もスタッフとやり取りしていますが、イベントが終わった後に「そういえばこういうことがありまして」と報告されて、対処したくても間に合わないというケースがいくつかありました。
主催者がフォローしなくてはならないミスなどはこういった事後報告では間に合いません。どんなケースであっても何かあればすぐ報告、それをスタッフさんには徹底して下さい。特に悪い事態ほど優先して報告してもらうこと。
そして大事なのは報告をしてもらったら「もう聞いた」「なんでそんなミスしたの」「悪い報告ばっかり」というようなことは決して言わないこと。
スタッフの方でも「誰かが報告してるだろう」と何も伝えなくなってしまいます。
そうではなく「誰かが言ってるかも知れないが念のため」の報告が大切です。
主催者側も「伝えてくれてありがとう」「大事な情報なので助かりました」
こういう言葉を伝えましょう。
ひとつ、とあるスタッフの大失敗をお話します。(もう10年以上前のことなので時効だと思って)
花鳥風月が無事終わり机やイスも片付けて、スタッフ会議をしていたことでした。
各部署スタッフから何か報告事項はあったか、を聞いたあと、個々のスタッフから「ほか何かあれば」と聞いた時のことです。
あるスタッフが「あーそういえば朝、本部の荷物だと思って開封したら、直参(直接参加)サークルさんので、荷物をスペースに運んだ時に「間違って開封しましたごめんなさい」ってメモ貼っときました」ととんでもない爆弾発言をしてくれました。
あなたがサークルの立場で、宅配便を使って荷物をイベント会場に搬入し、スペースについてみて荷物が開封されていたらどんな気持ちでしょうか。
しかも「間違えてあけました」とメモがあるだけで、主催者もスタッフもお詫びにこなかったらどんな気持ちでしょうか。
二度とそのイベントに参加したくないと思っても当然のことだと思います。
そのスタッフはことの重要性に気づいてなかったようだったので、これについてはかなり厳しく叱りました。
その後、サークルさんに対してお詫び文と菓子折りを送りましたが、許していただけたかはわかりません。
このミスは間違って開封した時点で主催者に報告すべき重大なレベルです。
それをこのスタッフが勝手に自分の一存で「この対応でいいや」と決めてしまったことに対して叱りました。
こう書くと「スタッフのミスだけ取り上げてお前は失敗したことないのか」と思われる方もいるでしょう。
とんでもない。
むしろ書けないレベルのミスを山ほどやらかしています。恐ろしいことに今でもたまにやらかします。
決して「スタッフだけをあげつらおう」と思って書いているわけではないのでご理解下さい。
意外にスタッフとしてやることは多いです。
新しく始める場合は作っておいた方が便利ですよ。どんな仕事があって、どういう風に許可を出すかとか、当日のタイムテーブルなど。
紙で作るのと同じ内容をHPにあげておいてもいいです。スタッフだけが見られるページにしておくのも大事
当日は結構ワタワタしていて、決めたとおりに休憩なんて出来ないかもしれないですが、休憩場所とかも一緒に。
そしたらまずそのマニュアルを見て行動できるし、主催者を探して聞くまで参加者さんをお待たせしなくて済みますよね。
ここでは主催の立場から、イベントスタッフの立場を少し述べてみたいと思います。
私はイベントスタッフの経験が少ししかないので何をどう、ということは出来ませんが、この項目で述べている通り、一番重要なことは「ホウ・レン・ソウ」です。社会人なら会社で必ず言われることですね。
■報告
例えば何かを頼まれて終わった時など「●●終わりました」「××終了しました。次の仕事はありますか」というような声掛けがあれば主催者も、頼んだことは終わったのか、次に何を頼めるかが把握しやすくなります。終わったことくらい見ればわかるだろう、と本人は思っていても、周りはわからないことがあります。
また、参加者からの苦情や問い合わせなどを貴方が受けた時にもすぐに主催者に伝えましょう。
イベントが終わった後で「そういえば…」と伝えても何の意味もありません。
問題が発生した時もそのスタッフが直接主催者に。他のスタッフに伝言を頼んだりすると、その人が忘れていて報告が上がらなかったり、間違った情報が伝わることがあります。
それから、「~が、~になって、~ということになりました」というよりも「××ということがありました。実は~で~ということがあり、こういうことが起きました」という方が分かりやすいです。
情報がわかりにくい例
「参加者さんの一人が、列に並んでいる時に、寒いと言い出されまして、それでちょっと横にずれてもらって話を聞いていたら、具合が悪いということだったんで、どうしようかなと思ったんですけど、会場の人と相談して救護室を使えるようにしてもらって、さっき救護室に行きました」
良い例
「参加者さんの一人が具合が悪いと言うことで救護室を今使ってもらっています。列に並んでいる時に具合が悪くなられたようで、自分が会場の人と相談しました」
■連絡
トイレに行く時には周囲に軽く声掛けを。黙っていなくなって、なかなか戻ってこなかったりすると皆に迷惑がかかります。また、他のスタッフからそういう伝言を受けた時にも周りに「●●さんは今どこにいるそうです」と一声かけるといいでしょう。
■相談
何か異変を発見したら必ず主催者に相談する。誰かが言ってるだろう、と考えるのは厳禁。
また、イベントが終わってスタッフでの話し合いの時にも、疑問を感じたことなどあればどんどん提案していくといいでしょう。
以上を踏まえまして主催者の方も、「その報告はもう聞いた」「なんでもっと早く言わない」というような対応は出来るだけナシで。
スタッフさんが報告をしやすい状況であることも大切だと思っています。
そして補足。
イベント会社の正社員というのなら別ですが、個人やアマチュア団体で行うイベントのスタッフ、という肩書は実社会では何の意味も持ちません。
得意そうに他の催し物や、他の場所で「自分は●●というイベントのスタッフをやっています」と名乗っても意味がありませんからやめましょう。そのイベントの信用を貶めるだけです。
ツイッターやブログなどでスタッフをやっていると書く程度なら構いませんが、公式な発言ではない、ということの念押しはあった方がいいかもしれませんね。
いろいろな会社の社員さんの発言などが公式発言ととられて、混乱が起きているケースも少なからずあるようですからね。
実際花鳥風月でも何度か、スタッフが勝手に主催者きどりで発言をしたり、コミュニティを作っていたり、ネットで主催者に成りすましているなどがありました。中には「宣伝してやってるんだからいいだろう」という態度の方もいました。
これは完全にそのスタッフが悪意をもってというか、「やらかし」なのですが、過失であってもイベントに迷惑をかけることのないよう気をつけましょう。