…いました。1時間遅刻した主催さんが。来てみれば会場は設置してる様子はないし、誰もいないしでしばし呆然としていたことが。
寝起きが悪いと自覚しているなら、目覚ましを時間差でいくつもかけておくなり、誰かにモーニングコールを頼むなり、必ず起きるようにして下さい。
人間の脳は目覚めてから3時間後に動き出すと言われていますので、8時に出発、9時に会場到着して設置を始めるなら大体6時くらいには起きるのがいいかと思いますよ。
会場を借りている、設置作業が可能になる30分前にはスタッフとともに会場へ到着して、会場設置から開催までのシュミレーションをやってみるといいでしょう。
スタッフさんや、手伝ってくださるサークルさんが設置をしていると、自分も手伝わなければ申し訳ないような気になりますね。
でも、主催者としてはどこがどの程度進行していて、どこの人手が足りないか/足りているかを見ることも大切な仕事です。というよりもそういう指揮権は貴方にしかありません。
設置中に搬入されてくる荷物(会場受け取りなら別ですが)の受け取りだとか、本部の設置など、スタッフではできない/分からないことがたくさんあると思います。
イベント数日くらい前に一度、自分の頭の中でスケジュールを組み立てて、それに従って進行してみましょう。
片付けの時もそうです。
一緒に設置・片づけをするのはもちろんいいことですが、人手をきちんと配置することを一番心がけて下さい。
これは会社などでも使える応用技です。
人に指示を出して余裕があれば自分でも作業に加わっていいですが出来る限り、全体を見てどこか問題が生じてないか、進行遅れがないか確認することも、リーダーの重要な仕事です。
スタッフの項でも少し説明していますが、雑務はやり方を説明してスタッフにお願いするようにしましょう。もちろん貴方がしてもいいんですが、その間他の人を待たせてもいけません。
チラシ置き場に置いていいチラシの確認許可を出すのはスタッフに任せるとか、トイレ・更衣室などの案内をやってもらうとか、可能な限り貴方は自由な状態でいて下さい。
いつ何が起こるかわからないんですから。
何か用事を頼もうと思ったらスタッフがいない、どこにいるのか分からない、いつ帰ってくるのかわからない…では大変です。
貴方も含めスタッフ全員に、持ち場を離れる時は必ず誰かに連絡しておくこと、一人だけしかいない時はその持ち場を空にしないことを徹底させましょう。
また、何かあったことやスタッフが自己判断で行ったことなどは、どんなに些細なことでも報告してもらうようにして下さい。
もしもどうしても誰もいない状況で離れなければならない時は、メモを残しておくようにしましょう。
情報の共有がなされていない、これが一番危険な状態です。
場所によっては、同人に関係ない方も入ってみえます。大体入り口でパンフレット購入制と知ると帰られますが(「こちらは有料になります」とスタッフが伝えます)、パンフが完売していて入場無料だったり、パンフ自由購入制にしていたり、パンフを買って中に入ろうとされる時に「これは何の催物ですか」と聞かれることがあります。
それを説明するのはあなたの言葉で十分だと思いますが、「若い人」とひとくくりにしないようにして下さい。
いえ、うちのスタッフで、「イラストとかマンガを描いてる若い人の集まりです」と言ってしまって、「そうか、じゃあワシら年よりはいらんというわけか!」と相手の方を怒らせた者がいたんで…(汗)。
それ以来説明としては「自分達で書いた漫画やイラスト、雑貨を販売する人たちの集まりです」とお伝えしています。
言葉には注意してね。
次に、商売目的の人。そんなにいないと思いますが、自分のバンドの宣伝をしに来たり、コスプレイヤーの無許可取材や勧誘、金融関係の方がいらっしゃったこともあります…。こういう方々は速やかにお帰りいただくのがよいかと思われます。
次に、ナンパ目的の不届きな人間。
いました本当に。警備員が、「挙動不審者がいます」と連絡してきたので話を聞いたら、女の子に声をかけて歩いていて、どうもデートに強引に誘っているようだという報告でした。
対処は警備員さんにお任せしましたが、そういう方は下手に声をかけると言いがかりと言われるので、ずっと後を「本人に分かるように」尾行していくのだそうです(笑)。
流石はプロ、単に挙動不審な人(緊張して行動がおかしくなっている人)と間違うことはありませんでした。
イヤ、全然アドバイスになっていないですがご参考までに。
こういう意味でも警備員雇ったほうがいいですよホント。
最後に、身体障害者の方です。
一つ分かってもらいたいのは、身障者の方々は「特別扱い」されることを望んでいないということです。
対応について、腫れ物に触るように大騒ぎしている人がいますが、私がすべきと思うのは、その方々が普通に振舞うために支障のないよう、そっと手を添えることです。
段差のない通路も、取っ手のついたトイレも、身障者の方が「普通に」動作をこなせるように考案されているものだと思って下さい。
で、どうするかと言うと、車椅子の方を例にとって説明します。車椅子の方が入場されてきたら、まず私は普通の方と同じようにちょっと見て、業務に戻ります。無視じゃないです。
その後は警備員に伝えてそれとなく見ておいてもらうなどします。
そっから後も気にはしますが毎回毎回飛んでいくことはしません。
視覚に障害のある方は介添えの方がいますから、余計な手出しはしません。
もちろん、ご要望があった場合はこの限りではありません。
また、車椅子の方に話し掛ける時は膝を曲げてかがんでください。腰だけ曲げて覗き込むようにするのはちょっと威圧感があります。
例えば、ずーっと話し掛けてきて困る人。これに対して私は話せる限りは話しますが、後ろに参加者さんがウロウロしているのを見かけたら「申し訳ございません、お待ちの方がおられますので」と伝えれば大抵の方は切り上げてくださいます。
サークルスペースを無断で使用している、入ってはいけない場所を使用している、こんな人がいたらすぐに注意し、同じ行為をしないか確認しておくことも大事です。(サークルスペース無断使用については、別の空きスペースをまた使うというケースがありました)
これとは別に、あからさまに妨害目的で来ているような方は早目にご退場いただく方がいいです。
項目の「中傷されたら」と内容が重複しますが、オウム真理教によるサリン事件が発生したあの年、ガスマスクをしてオウム信者のような格好をしたコスプレイヤーが会場内をウロウロしていました。
会場(くにびきメッセ)や参加された方からも複数苦情が出ましてやめていただくようお願いしたのですが、話し合いに応じていただけなかったため退場処分にしたことがあります。
参加者さんから苦情があった「困ったさん」については「何が起きたか」「どんな服装か」などを聞いてスタッフ、警備員と情報を共有します。
花鳥風月で実際にあったケースでお話します。
コスプレイヤーから「女性レイヤーのスカートの中を撮影している人間がいる」と通報がきました。
撮影者の特徴を聞き、警備員、スタッフにも情報を共有します。
その後警備員がさりげなく撮影スペースをウロウロして、やっていた人間を現行犯で取り押さえました。
被害者の方が大事にしたくないとのことで写真消去、その場で退場という対応になりました。
問答無用で警察を呼ぶべきというご意見もあるでしょうが、この場合現場検証などでイベントの中断を余儀なくされることもあります。
慎重に対応してください。
(過去、参加者さんがいきなり警察に通報していてビックリしたケースもあります…)
貴方が見回ってもスタッフが見回ってもいいのですが、沢山の方に快適に過ごしてもらうためには、見回って何かトラブルが起きていないか、起きていればすぐに対処することが必要です。
チェックすべきポイント
・通路で立ち話をしてふさいでいる人はいないか
・コスプレを撮影するゾーンで、貴重品を置きっぱなしにしている人はいないか
・万引き/置き引きはいないか
・サークルさんの荷物が通路にはみ出していないか、共有スペースを私物化しているサークルさんはいないか
・禁止していることをやっている人はいないか(通路に座り込んでトランプしてた方がいました。ローラースケートで滑ってた方もいます…)
・汚れているところはないか
・チラシ置き場が乱雑になっていないか
・委託の本が崩れていないか
・その他、トラブルはないか
また、会場外にも何度か出てみて、トイレでコスプレに着替えている人や、出入りする人に無断でチラシ配布をするなどの宣伝行為をしている人がいないかなどもチェックしましょう。
音楽の音が大きすぎるとか、別の階から苦情があったとか、いろいろあると思いますが、きちんと直してくださいね。
関係ないわとばかりに知らんふりをするのはよくないです。
他の階から苦情が出た時は、そこへ一言お詫びしておくのも忘れずに。
自分が困ったナァと思って苦情をいう時も、会場の人を通した方がこじれなくていいです。その時もまくし立てずに、何について困っているのかをきちんと説明してね。
うちは直接イベントとは関係ないのですが、スタッフの車を止めておく場所を隣会場の業者さんに占領されて困ったことがあります。
主催者からの伝達が出入り業者に伝わってなかったようで、朝難儀しました。
こういったトラブルもあったりします。
モタモタ話をしながら片付けたりしていると、時間がいくらあっても足りません。
また、汚れている備品はないか、破損していないかなどチェック箇所は山のようにあります。
更衣室についてもざっと覗いて忘れ物がないかなど点検しましょう。
もしも破損・汚損を見つけたら必ず会場に届け出て指示を待ちます。内緒にしておいてもバレますし、後で請求されますよ。第一信用がなくなります。
自分達で修繕できないものはきちんと届けましょう。
イベント保険に入っていれば弁償出来ますが、大体会場側でも保険に入っていますのでよほど悪意的な破損でない限り弁償させられることはありません。
また、会場に貸していただいたお礼を言うのも忘れないようにしましょう。
掃除の方が入ってきても知らん振りされる方がいますが、後片付けをして下さる方です。
「よろしくお願いします」「何かあったら教えて下さい」くらい声はかけるべきです。
宅配業者に荷物を出すなら、「無事終わりました。ありがとうございました」くらい言ってもバチは当たらないです。
今までお話をしてきた中で、会場費の他に様々な費用がかかることはもうお分かりだと思いますが、会場費全額(もしくは予約金を除いた残額)をイベント終了後にその場で支払ってもらうようにしている会場を借りている方への注意点です。
会場費の中に備品費が含まれていればいいのですが、机・イスのレンタル代は別請求、とか、冷暖房費、放送機器使用代、その他清掃費など、別途請求される費用があります。
これを「付帯設備料金」というそうです。
この付帯設備料金を用意しておらず、会場費だけしか持ってきていない、そのため後日振込みにするというイベンターさんが結構多く、落とし穴になっているそうです。
会場を借りる際に料金表などはもらえますので、その時に自分できちんと計算をし、用意するようにしておきましょう。会場の方にも確認をしておくといいですね。
また開催中に誤って備品を壊してしまった分も弁償として付帯設備料金に重ねて請求されることがあります。見積もった金額+数万は用意しておくのがベターでしょう。
大金を所持しているのが不安だと言う場合には、最初に会場側に申し出て、後日振込みにしてもらいましょう。当日支払いのみという規定がある会場を除いては、前もって申請しておけば振込みにしてもらえます。
くにびきメッセは後日精算して請求書が届くシステムになっています。
(こちら掲載内容につきましてはいただいたご意見を頂戴いたしました。ありがとうございました)