東日本大震災で被災された地域の方、イベント開催が中止になり対応に追われた方にはまったく比べるべくもない体験ですが。
H12年の鳥取西部地震でメッセが破損してイベント開催できななくなったケースを体験しました。
そりゃあもう、どうすべーと頭の中真っ白でした。
こういう風に、「突然開催が不可能になった場合」は、対応の早さが明暗を分けます。
当然のことですが、「スペースが集まらなかったのでやめまーす☆」「会場やっぱり借りられませんでした」という対処は勝手にやって下さい。知りません。
かなり強い地震が起きて、家屋が倒壊したという場合。会場にも破損具合をすぐに確認して下さい。貴方が開催予定のイベントが1ヶ月以内にあるならなおさら。
※その会場が避難場所もしくは避難所になっていて被災者に開放された、対応にあたっているという場合、すぐの確認は見合わせて下さい。
会場の破損がひどくてとても開催日までに修繕が間に合わない、避難所として開放されるためイベントとして貸せないと言われた場合。
はいまず深呼吸。
そして郵便局に参加サークルの分だけ84円切手を買いに行きます。
社会人で運悪く平日の夜だったりしたら、次の日は思い切って休んでください。ホントに1日仕事です。
今はメールで連絡は簡単に出来ますが、災害の時にメールは未着がおきやすいです。
郵便物として告知を出すことを考えてください。
なおここからは、被害そのものは甚大ではなかったがイベント開催が出来なくなった場合についての説明をします。
東日本大震災のように広範囲で被害がありとても自身がイベント対応できる場合でないという場合は「今対応が出来ないので一週間後(期日は自分で決める)の通知まで待ってください」とHPやSNSで告知しておきましょう。
まずは開催が中止になった旨の文書を作成します。
・中止なのか延期なのか
・延期であれば代替日(決まってないと出す意味がありませんし迷惑になります)
・返金手続き開始日について(サークル名、申込人、口座をメールで連絡してもらえば返金できます、などあると楽ですね)
こういった内容を入れましょう。
参加サークルすべてに文書を発送して下さい。
被害にもよりますがそこまで影響がなければ数日内には届きます。
まだ時間があれば、手配した宅配便・印刷会社(パンフ・チラシを入稿していれば)に連絡を入れます。
HPを持っている印刷会社には、延期もしくは中止のお知らせを掲載していただけるか聞いてみましょう。
文書と同じ内容はイベントHPにも掲載し、SNSでもその旨のツイートをしましょう。
次にすべきは一般参加者さんへの告知です。
開催日までにあるイベントさんには片端から事情をお話しして、告知に協力してもらえないか相談しましょう。
イベントを行うはずだった会場にも告知をHPに出してもらう、張り紙をさせてもらえるか問合せてください。
最後に、イベント支援を申請していた印刷会社にも忘れず連絡をして、中止もしくは延期の告知を掲載してもらいましょう。
これで出来ることはすべてです。
今ではネットがありますので、リアルタイムで現状況をお知らせしていくことで、ある程度の周知は可能です。しかし、災害時には通信が途絶えること、情報がいきわたらないこともままあります。
ネットがあるからと頼らず、できる限りの連絡方法を行い、周知を広げること、それが主催の責任です。
こういった天災などで協力を仰いだ方には必ずお礼状を出して下さい。
大変でしょうが、きちんとやった分皆さん分かってくれます。
HP上で「助けてくださった皆さんにお礼申し上げます」で終わらないようにしましょう。
まさしく、緊急時の対応が信用を作りますです。
例えば突然会場で地震が発生した場合、どのように誘導が必要か分かっていますか?頭の中でシミュレートできますか?
また、参加者さんが倒れたりした場合、どのような対処が出来ますか?
それについて少しお話します。
会場で思いがけない災害に襲われて避難が必要である場合ですが、会場ごとに非常口、避難経路があります。
知っておいて損はない法律知識で少しお話している消防法の話ですが、会場が配置図をチェックするのはこの非常口などを塞ぐ配置になっていないか確認するためでもあります。
以前新宿の雑居ビルで大量の死亡者を出したビル火災は、まさに非常口となるべき窓などがふさがれ、避難経路には物が山積み、防火扉も閉まらないようにされていたために被害が拡大したと言われています。
このように、何の気なしに出していた配置図は実は非常に大切な意味を持っているのです。(私も以前入り口が三つ並んでいるところの一番奥をうっかり机で塞いでいて怒られた経験があります)
ですので、会場の方と万が一の避難経路について誘導はどうすべきか、会場の人からの誘導はあるのか、なども確認しておきましょう。
絶対にやってはいけないのは自分が真っ先に逃げることです。天井が崩れてきた、倒壊したというような事態ならともかく、イベント主催者として全責任を負うのですから、逃げるのは参加者さんを誘導した後です。もちろん火災の際には逃げながら誘導というのがベストですが、くれぐれも放置して被害を拡大させるということのないようにしましょう。
次に、参加者さんが倒れたり、具合が悪くなった場合です。
くにびきメッセには救護室というものがあり、具合が悪くなったり怪我をした人はここで手当てを受けることが出来ますが(ただし、会場の人にまかせきりは出来ません)、そういったものがある会場は珍しいと思います。
一番いいのは消防署がやっている講習などに参加しておくことですが、応急処置の本を読んで勉強しておくのもいいと思います。ただし、薬などは用意する必要はありません。他人に薬を渡すことになりますので薬事衛生法に触れることがあります。
例えばあなたがたまたま持っている薬が、その人がいつも使っている薬と同じだったという時でも、何が起きるか分かりません。何か異常が起きている時に服用すると思わぬ副作用を巻き起こすこともあるからです。シップ、カットバン程度なら大丈夫です。
倒れた場合は安静にというのが一番ですが、頭を強く打った時等は絶対に動かさずに救急車を呼んでください。これは大切です。揺り動かしたりするのは危険です。
あとは細かくあげていくときりがないので避けますが、花鳥風月で今まであった例で一番多かったのは、朝食抜き、徹夜で来場して騒ぎすぎて気分が悪くなったというものです。不摂生のきわみですけどね。
次に、救急車を呼ぶ事態になった時です。
判断についてですが、ここは思い切りよく判断して下さい。「おおごとにしたくないから…」と素人判断すると取り返しのつかないことにもつながりかねません。
本人にはっきり意識があり、貧血やめまい、日射病、熱射病くらいなら安静にしていれば大丈夫ですが、それ以外は呼んだ方がいいと思います。特に嘔吐している場合は危険です。(気分が悪くなった、以外で)
窒息を防ぐ姿勢にしてすぐに呼びましょう。
また呼ぶ際には誰か一人が救急車の誘導を行って下さい。イベント会場がその建物の中に一つという場合はきわめてまれでしょうし、救急隊員には、どこで誰が助けを必要としているか分かりません。
会場の方に連絡をし、出来れば建物の外の道路まで出て、何か目立つようなものを振りながら誘導して下さい。建物入り口から患者の場所まで遠い場合は、搬入口、非常口を開けたりして近いルートを確保するように協力しましょう。その際は参加者さんの混乱を防ぐためアナウンスをいれ、必要であれば一旦イベントを中止します。中止といっても10分ほどですから、ためらわず行って下さい。
救急車や警察を呼ぶ事態になった時、「イベントが中止になるのはちょっと…」と言う人がいますが(というか過去に一人そう言った人がいました)、具合の悪くなった人を放置してまでやることか、きちんと考えてみましょう。あなたがその立場になった時どう思いますか?
とっさの判断、スマートにできるようになりたいですね。
(こちら掲載内容につきましてはいただいたご意見を参考にさせていただきました。ありがとうございました)