多分花鳥風月同人誌即売会の開き方→礼儀作法の話


礼儀作法の話



<敬語、どこまで使えますか>

 礼儀作法やマナーの本を読むと、尊敬語だの謙譲語だの出てきますよね。私はあれ、別にどうでも
いいと思います(笑)。
 確かに資格とかとろうと思ったら厳しくないといけないのかもしれないですが、言葉は感覚が大事だと
思うのです。
 例えば3歳くらいの子がスラスラと敬語を話したら、感心するよりも「えぇ!?」とか思いません?それよりも
たどたどしく「しゃんしゃいでしゅ(3才です)」と言った方がいいですよね。
 まー例えが悪いですがそういうことです(笑)。
 形式にこだわるのではなくて、相手に礼を尽くそうとしているのが伝わること。これが一番です。


<とはいえ…>

 です・ますをつければ丁寧ですが、イベンターにはそれだけでは足りません。相手を不愉快にさせない
ものの言い方が必要になってきます。

 この前古本屋に行った時のことです。バイトらしき女性が、本を売りに来たお客様に無表情のままで
こう言っていました。
「本を売るんですか?今混んでるんで、少し待ってもらいますけど…」
 さあ、どこが違っているかわかりますか?
 敬語が正しい・正しくないは別として(またこれだ)、私が言うとしたらちょっと申し訳なさそうな表情をして
こう言います。
「本をお売りいただけるのですね?大変申し訳ございません、あいにくと只今混み合っておりまして、少々
お時間戴くことになりますが(相手によっては「頂戴いたしますが」)、宜しいでしょうか」
 これだと、同じ「ちょっと待ってね」という内容でも「じゃあ待とうか」という気になりませんか?
ならない?うーん、困ったな…。
 ま、でもその店員に対しての好感度が違いますよね?
 イベンターも同じです。印象が悪ければ「あいつのイベントになんか行きたくない」と言われてしまいます。
たかが1人にくらい、かもしれませんがその人が友達に話し、その友達が人に話し…とどんどん広がって
いくかも。イベンターでいなければならない時は立ち振る舞いに気をつけようね。


<応用ー>

 では問題。マナーの本によくある例ですが、電話の応答をやってみましょう。
ナニ?電話番号を公開してないからそんなものいらない?会場から電話がかかってくる場合もあるし、
印刷屋さんにも電話するかもしれないでしょ?一応マスターしてみましょう。

相手「○○さん?この前の件だけどね」
貴方が電話に出ると、相手がこう切り出したとします。どうします?(こんなことは滅多にないけど)
制限時間10秒。いーち…じゅう。出来ました?
解答例。「大変恐れ入ります。お名前を頂戴してよろしいでしょうか?」
 ここまでへりくだらんでも、「恐れ入ります、お名前を伺って宜しいですか?」でもいいです。が、
「恐れ入ります」という言葉は必ず出るようにしてください。反射的に。これが使えると、相手に与える
印象もかなり違ってきます。
 例えば電話をかけた時にも「恐れ入ります、××と申しますが」と使えるし、名刺をもらう時にも、
「恐れ入ります、お名刺頂戴できますでしょうか」と使えます。便利だよ。

 また、電話の時にはなるべく筆記用具を置いておくようにしましょう。私はよく忘れてあわあわします。


<おじぎをする>

 マナーの本を見ると、敬礼が角度30度、最敬礼(一番深いおじぎ)が45度などと書いてありますが。
礼するたびに「今回は何度…」なんて考えてられません(笑)。
 イベンターとして覚えるべきおじぎは、マナーで言う最敬礼でいいと思います。
 結構自分では頭を下げているつもりでも、相手から見ると「何だこいつ、頭を傾けてるだけじゃないか」
としか見えない場合があります。
 簡単簡単。背筋をきちんと伸ばして、両手はおへその下辺り。足全体が視界に入る程度に頭を下げ
ます。手は後ろに回さないように。偉そうに見えます。
 ちょっとかかとを浮かせぎみにしてハイ、頭を下げる。
 実際やってみると分かるけど「うわっ、これ以上頭下げたらコケる!」という限界があるよね(笑)。その
一歩手前がマスターすべきおじぎです。(本当にやるときはかかとを浮かせないように。分かってもらう
為の一例ですんで)
 頭だけ下げるとみっともないです。ピシッと背筋が伸びていると優雅です。
 そして、相手が大人・子供は関係ないです(確かに、五才児にはちょっとアレだけど)。たまに年下だから
といって「ごめんねー」でごまかすデパガのおねいさんがいますが、子供にとっては不愉快この上ないです。
小学生ともなれば、相手の雰囲気くらいわかるもんです。
 このおじぎを私が使うのは、不手際をして謝罪する時と、深い感謝の念を表す時です。参加者さんが
入場される時、退場される時(お帰りになられる時)は20センチくらい頭を下げるおじぎかな。
 あ、蛇足になりますがおじぎをしながら「大変申し訳ございません」「本当にありがとうございました」
という時は腹筋を使って言おうね。普通に言うと頭を下げながらだから相手に聞こえない時があります。

 さらに蛇足ですが、難聴の方へおじぎをする時は逆に、きちんと言葉を言い終えてから頭を下げてます。
その方が唇から何を言っているか読み取ろうとされるからです。


<手紙のマナーいってみよー!>

 まーさーか、「拝啓」「敬具」を知らん人は…いませんよね(汗)。では、「謹啓」「謹白」「拝復」「謹復」
とかは知っているかなー?
 さらにまさかですが、初対面の方に「前略」「早々(草々)」を使用している方はおられないですよね?
 
 最近は大分マナーが緩やかになってきたとはいえ、会場や企業にとっては貴方は対等な顧客であり、
契約相手です。それが、「前略」とか「To(ホントにやった人がいるー)」で始まる手紙が届いたら、一気に
信用度が低くなってしまいます。
 まあ、「しまった、こいつぁうっかり!使っちまったぜいっ!」って方も、次からは知らん振りして正しい
言葉を使われるといいです。受け取った方も「おっ、勉強しやがったな」と好感を持ちますから。ええ。

 私が大体初めてお手紙差し上げる方に使うのは「謹啓」「謹白」です。あ、申込用紙請求の方とかには
少し(いや、大分)くずした文を書きますけど、初めて企業にお伺いを立てる時などはこれ+ビジネス文書
でした。ビジネス文書ってのは、普通の手紙−(ひく)挨拶やら世間話と思ってください。

 前置きが長くなりましたが、いっちゃん早いのはテンプレートだよね。私が使ってるのを例としてあげ
ますので適当に使ってやって下さい。

「謹啓 陽春の候(面倒な時は時下)ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。突然このような
お手紙を差し上げます非礼、何卒御許しくださいませ
。私は島根県で同人誌即売会「花鳥風月」を開催
しております、氷河と申します。(中略) 何卒宜しくお願い致します。それでは用件のみにて不躾では
ございますが、この辺にて失礼致します。貴社の今後益々のご発展をお祈り申し上げております。
(改行して)謹白」
 相手企業さんが問合せをされてきた時には、冒頭の「謹啓」は「謹復」に変わります。ハイ、わかり
ましたねー。「謹復」というのは「謹啓」、「拝復」というのは「拝啓」に呼応した、お返事に使う言葉で
ございますです。これを使うのも「おぉ!」とビックリされます。信頼度アップです。
 あと、あまり堅苦しくない場合や苦情の時は「お手紙拝見致しました」「取り急ぎ失礼します」から
始まり、「それではこの辺にて」「取り急ぎお詫び(もしくはご報告)まで申し上げました」と使ってます。
「取り急ぎ失礼します」で始めて、お詫びでも報告でもない時は「不一致」で締めてもいいです。

 で。「かしこ」ですが、イベンターとして手紙を出す時はあまり使わない方がいいです。「前略」
「草々」も同様です。相手が使ってきた時も、私は「謹復」で返しています。ま、気持ち的なものなん
ですけどね、「貴方のことを重要視してますよ」という意味で(笑)。


<手紙マナーその2>

 ○○係とあったら、○○係御中はやってますよね?
 では、「ご芳名」「××宛」「△方□企画」の直し方は?
 正解はそれぞれ、「名("ご"と"芳"を消す)」「××様(会社なら御中)」「△様方□企画御中」です。
 これくらいは知っておいて損はないです。返信用封筒の宛名で私も後者2つやったことありますから。

 で、意外とやりやすいのが、「様」付きの返信用封筒をこちらが同封してしまうということです。
同人界では、通販相手の手間を防ぐために「様」付きの宛名シール・封筒が喜ばれるといいますが。
 一般社会には通用しないです。
 というよりやったら「こいつナニサマ?」と企業に思われます。
 相手が同人関係の印刷会社だろうとイベント会社だろうと同じです。貴方は客ではなく、催物の
総責任者として接するのですから、一般常識を使えなくてはいけないです。
 ですから、名前の後には「行」を入れるのが正しいです。もしお名前に行という字が入るなら、配慮
して、一センチくらい離して小さめに「行き」と書けば相手もわかるはずです。うっかり名前の行を消して
る人は、文面を読んでないです。そういう企業は注意だ(笑)。
 また、行を消して様と書く人もいますがこれも企業さん相手にはしないで下さい。
 イベンターとしてこちらから返事を求める時、返信用封筒は必ず「行」です。会社によっては社名入り
封筒を作っているところもありますから、そういう時は切手と、「宜しければお使いください」というメモを
くっつけた宛名シールを同封するとスマートです。
 きちんと行き届いた企業なら、切手と宛名シールを返却してきますから。
 これが、企業同士(相手にとっては貴方は企業のトップと同じ)のかっこいいやり方です。

■返事を求める時は■
 相手に返事を求める時は、いつまでに必要なのか、急ぐのか、大切な用件なのか、ということをきちんと
明記します。これはイベンターとして出す手紙はビジネス文書だから(全部がそうではないですが)。
 例えば、あるイベントさんに、「貴イベントに広告の掲載をお願いしたいのですが、いつ頃にお送りすれば
宜しいでしょうか。お忙しい中大変恐縮ですが、ご返事いただけましたら仕合わせます」
という文章を書く
時。貴方がCMを作成する時間を考えて(私が出すとしたら、宅配日程を考えて一週間かな)返事の期間を
切ります。(宅配の方が早いし確実だから、大きめのCM出す時はよく使ってますー)
 例えば、「恐れ入りますが、一ヶ月以内のところでお返事いただけましたら助かります」とか。どう考えても
〆切まで時期がなく、FAXで問い合わせた時なんかは、「大変申し訳ありません、すぐに送っていただけ
ませんでしょうか」と書いておけば向こうも分かります。が、CMを結局送らなかったりという非礼をしない
ように。そして手間をかけさせた御礼を必ず書き添えましょう。
 それぐらいの配慮は出来て当然、です。どこの会社でもそうだよね。

 余談。書類の書き方のところでも触れていますが、こちらから手紙を差し出す相手の名称が、(株)○×印刷
であれば、株式会社○×印刷と直します。○×印刷(株)であれば、○×印刷株式会社となります。もちろん
敬称の御中も忘れずに。
 で、どこで読んだか忘れましたが、その会社内の部署あてに送るとか担当者あてに送る時には、○×
会社御内△企画部御中というように、会社の方に御内をつける、とあったのですが、ここまでやらなくても
いいと思います。というか、パソコン・ワープロで変換して出てこない敬語は使わなくていいかと(笑)。
 ま、どうしても使いたいなら就職活動の時にでもどうぞ。


<応対>

 人には得手不得手があるので、優雅にやれとかしぐさがどうのとかは別にいいと思います。
気をつけるべきなのは、相手にどんな印象を与えるかです。
 本部業務をしていて、参加者さんが尋ねてこられたら。
 どう接しますか?
 まさか椅子に座ったまま対応してたりなんかしないですよね?
 私、この点だけはスタッフにも「疲れたら座っててもいいから、参加者さんが来たら立て!」と
命令しています。他のことは「お願い」ですが、これだけは絶対、「命令」です(偉そうで済みません)。

 どうしてかというと、やっぱり印象の問題です。ずっと立ってろとは言いませんが、例えば貴方が
分からないことがあってイベントの本部へ行った時、それまで座って話をしていたスタッフが、
貴方に気づくなりサッと立ち上がって「何か御用でしょうか?」と言ったら、かっこいいと思いませんか?
私だったらそのイベントを見直しちゃうなぁ。
 逆に、貴方が声をかけても椅子に座ったままだったら、どんなに丁寧な対応をされても「立つのも
面倒なのかなぁ?」と思ったりしないですか?

 でもって、これは必ず気をつけて欲しいのですが、なるべく本部の中でスタッフは飲食したりしない
方がいいです。仕事の合間に喉を潤すくらいならいいですが、ご飯を食べてたりすると応対できない
ですよね。外に出て食事してくるとか、ちょっと離れた場所で食事するとか気を使いましょう。だって
参加者さんには、そのスタッフが休憩中だろうと関係ないですから。
(たまーに、「腕章外してるんだから休憩中だってこと、わかれってカンジ!」と怒っているスタッフさん
をお見かけしますが(笑)、本部にいらっしゃる限り参加者さんにとって貴方は関係者だよー。もっと
しゃんとしてくれ。あ、うちのスタッフではありませんのであしからず/笑)

 また、「疲れた」「忙しい」は応対がぶっきらぼうな理由にはなりません。どんなに疲れていても、
参加者さんにはにっこり笑顔で接してください。必ず!


<TPOで服装を変える>

 私、普段はぼけらーと歩いてます。バカみたいな顔で、Gパンにシャツです。油断しまくってます。
膝カックンやられたら多分コケます。だからといってやらないように。
 イベンターはスタッフ側のトップですからイベント当日はきちんとした身なりをして下さい。これ
ばかりは私も(そうは見えなくても)シャンとしています。
 せめてスーツくらいは着ましょう。
 イベントに来るのは参加者さんばかりではありません。どこの企業さんが「何だこれは」とおいでに
なっているかも知れませんし、別のイベンターさんが来られるかもしれません。
 ちゃんとしようね。
 
 あと、申込用紙を配布する時ですが…。私は動きやすさ優先でした。確かにイベンターとして他の
イベントに出る場合はきちんとしておかなければ、と思うでしょうが、スーツだと申込用紙配りにくい
のよ。
 100スペースとかだといいですけどね、4けたになると流石につらいです。
 その辺は自分の自由に選択してください。
 普段は別にどうでもいいと思うけどイベントの時くらいは服装についてきちんと考えてね。

 それからこれは蛇足ですが。相手が名刺を差し出された時の受け取り方。マナーの本を見ると、
こちらも右手で出しつつ相手のを左手で…とか、逆だとかいろいろありますが。
 やってみて分かったのは女性の場合「出来るかー!」ということです(笑)。
 男の人はすぐポケットに名刺入れしまえるけど、女性のスーツが物入れて膨らむのはいささか
みっともないです。
 だから私はひとまず相手のを「頂戴します」と言って受け取り、それをテーブルなりに置いてから
自分のをお渡しします。そしてすぐに相手の名刺を両手で持ち上げ確認します。
 そのまま話をする時は、相手が貴方の名刺をどうするか見てから同じようにしましょう。ま、相手が
しまったからといって無理に貴方もしまわなくてもいいです。
 逆に、相手から「お名刺頂戴しても宜しいですか?」と言われた時はすぐに取り出し渡します。
相手が名刺を差し出してきたら名刺入れをテーブルに置き(ないなら脇にはさむ)、右手で自分
のを出しつつ相手のを左手で受け取る。相手が貴方のをとったらすぐに両手で相手の名刺を持つ。
これでOK!
 訪問した時は、訪問した側が先に出します。



多分花鳥風月同人誌即売会の開き方→礼儀作法の話